張江AIイノベーションタウン――豊富な応用シーンを基盤とした集積型産業クラスターの構築

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張江AIイノベーションタウンは、上海市政府が国家戦略を推進するための重要な施策として、立地条件に恵まれ、産業基盤が充実した地域において率先して取り組み、関連企業の高度な集積を実現する目標を掲げている。「第15次五カ年計画」の幕開けという重要な時期に、同タウンはスマート化を確固たる方向性として掲げ、「研究開発、エコシステム、応用、生活」を統合したAI複合施設を構築することで、浦東新区のグローバルな影響力向上に貢献している。

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(写真提供・上海自由貿易試験区公式サイト)

1 確固たる産業基盤

同タウンは既存のAI産業基盤と産業パークを統合・拡張して設立された。同タウンの開設以前から、張江科学城にはすでに600社以上のAI関連企業が集積し、モデル、計算力、データ、エンボディドAIなどの分野を網羅している。従業員数は3万人以上にのぼり、2024年のAI産業規模は1140億元に達した。

同タウンの計画面積は2平方キロメートルで、張江科学城の中心部に位置し、東は申江路、南は華夏中路、西は金科路、北は川楊河に接している。

今後、「模力双塔(モデルマトリクス・ツインタワー)」、「模力社区(モデルマトリクス・コミュニティ)」、「模力島(モデルマトリクス・アイランド)」など、70万平方メートルを超える産業スペースを中核とし、張江科学会堂など100万平方メートルの商業・展示施設や、周辺3キロメートル圏内の7000戸の人材向け住宅を基盤として、「研究開発、エコシステム、応用、生活」を統合した産業エコシステムを構築し、浦東新区の「人、技術、シーン」とAIが融合・共生するという理念を実現する計画だ。

2 多様な応用シーン

同タウンは全体としてまだ立ち上がり段階にある。計画によると、2027年までに500社以上のAI企業を新たに誘致し、100件の大規模モデルの届出を完了させ、3~5社のグローバルリーディング企業を育成する。さらに長期的な目標として、2030年までに1000社のAI企業を新たに誘致し、1000億元の産業規模を実現する。

垂直型応用シーンの集積区の構築は、同タウンの特徴と言える。国家の「第15次五カ年計画」の趣旨に基づき、同タウンは若者が集い、ブレインストーミングを行う理想的な場所となるよう努めている。

浦東新区の応用シーンは多岐にわたり、工業や商業、観光、造船、大型航空機など、様々な分野の多様なニーズを持つ関係者が存在している。2平方キロメートルのエリア内に構築されたアプリストアのような展示センターでは、各企業が自社の事業に最適な応用シーンを自ら選び、それを実現することができる。

3 完全なエコシステムの構築

上海は、同タウンが技術イノベーションの発信地、実証実験のモデル区、そして起業エコシステムの新たな拠点となるよう、全面的に支援している。これに伴い、浦東新区は「張江AIイノベーションタウンの質の高い発展に向けた10カ条」を発表し、拠点施設、人材向けアパート、モデルケースへの奨励金など多角的な観点から、企業への起業支援を行っている。

同タウンにはサービスセンターが設置され、「友人としての交流、パートナーとしての起業、コンシェルジュのようなサービス」という仕組みが整っている。特にスタートアップ初期のチームは「政策・スペース・資金」をパッケージ化した支援を受けることができる。

タウン周辺に設立された数多くの高等教育機関は、最先端の研究成果の実用化と応用を促進するとともに、タウン内の企業へ人材を供給している。

浦東新区に構築された先見性のあるエコシステムでは、企業間の交流が活発に行われるほか、従業員、特に若手社員にとっては、都心部の商業エリアに劣らない充実した環境が整っている。

4 国際的な循環への期待

AI分野において、中国と先進国との間には根本的な格差はなく、さらに中国はモバイルインターネットの応用技術が豊富で、データ面での優位性が際立っている。そのため、一部の海外の起業家や投資家が、張江AIイノベーションタウンに対し、様々な形で関与し始めたり、注目したり、あるいは密かに動き出したりしている。

こうした背景のもと、張江AIイノベーションタウンは、外資系企業や外国資本の進出を積極的に促進するとともに、オープンな姿勢でタウン内の企業の「海外進出」を支援している。

出典:張江AIイノベーションタウン、『投資上海』誌