上海市、「ビジネス環境実務ガイドブック」初公開
5月18日、『上海市ビジネス環境実務ガイドブック(2026)』が正式に公開されました。同ガイドブックは、これまで各部門に分散していた企業向けの公共サービスプラットフォームや各種手続きの窓口、支援政策を体系的に統合し、企業の全ライフサイクルを巡って、「市場参入」「プロジェクトの着工」「生産・経営」「生産要素サポート」「権利・利益の保護」「市場退出」の6つの分野・30の実務シーンにおける60項目以上のサービス情報と手続きガイドを掲載しています。また、QRコードも添付されており、いつでもどこでも手軽に利用可能です。
現在、同ガイドブックはオンライン・オフラインで配布されています。オフラインでは、行政サービス窓口や産業パーク、オフィスビルなどの末端のビジネスサービス拠点で提供されています。オンラインでは、冊子裏表紙や下記のQRコードを読み取ることで閲覧可能で、利用シーン別検索や各種手続きプラットフォームへのワンクリックアクセスにも対応しています。
『上海市ビジネス環境実務ガイドブック(2026)』
本稿では、ガイドブックの一部内容を抜粋して紹介します。詳細な内容については、上記の方法にてご確認ください。
企業の市場参入・営業許可
1.外資の参入
企業は、「上海市外商投資促進サービスプラットフォーム」の公式ウェブサイト、またはWeChat公式アカウント「投資上海」を通じて、関連情報を確認できます。
「上海市外商投資促進サービスプラットフォーム」の公式ウェブサイト
2.「上海企業登記オンライン」
企業は「上海企業登記オンライン」プラットフォームを利用することで、企業関連サービスをワンストップで申請できるほか、銀行口座開設予約サービスも利用可能です。会社設立に伴う営業許可証、印鑑、発票(領収書)、基本社会保険などに関する手続きは、最短1業務日で完了し、全プロセス無料で行われます。また、企業の設立と同時に、電子営業許可証および電子印鑑も同時に無償発行されます。
「上海企業登記オンライン」プラットフォーム
3.区をまたぐ企業の移転
上海市内における区をまたぐ移転が必要な企業は、「上海企業登記オンライン」にて「跨区迁移(区をまたぐ移転)」項目からオンラインサービスを利用できます。移転手続きで問題が生じた場合、企業は上海市企業「区をまたぐ企業の移転サービス専用窓口」を通じてオンライン相談を行うことができます。
「区をまたぐ企業の移転サービス専用窓口」
人材サービス
1.国内人材の招致・戸籍取得
企業は政務サービスで1つのネットワークで一括手続きを行う「一網通弁」にアクセスし、「国内人材誘致審査」ページから手続きガイドや必要書類を確認できます。市内各区責任機関は、窓口での受理後5業務日以内に一次審査を完了します。上海市人的資源・社会保障部門(浦東新区人的資源・社会保障部門と臨港新片区管理委員会関係部門を含む)が一次審査を通過した書類を再び審査し、10業務日以内に審査を完了させます。合格者情報は政府オンラインプラットフォーム上で5日間公示されます。
2.外国人向け人材サービス
外国人の方は「一網通弁」の外国人向けサービス専用窓口を通じて、出入国・在留関連手続き、生活サービス(子女教育、医療予約、交通手段など)、海外人材居住証(B証)など、中国語・英語対応サービスを利用できます。関連条件を満たす高度外国人材は、外国人就労・居留「単一窓口(ワンストップ窓口)」にて手続きを行うことができ、7業務日以内に証明書発給が完了します。
「一網通弁」の外国人向けサービス専用窓口
不動産・資産登記
1.不動産登記「オンライン一括サービス」
企業は、「一網通弁」プラットフォーム内の不動産登記サービス、または上海市不動産登記「全網通」専用窓口を通じて、自社名義の不動産登記情報を確認し、電子不動産権利証書を取得することができます。また、住所検索により、検討中の不動産の自然状況 や、抵当権・差し押さえなどの制限情報に加え、宗地図(土地使用契約書および不動産登記カードに添付される図面であり、地籍図の一種)や建物の平面図も確認可能です。オフラインでは、各区の自然資源確権登記事務センターの「企業サービス専用エリア」で申請を提出すれば、90分以内に移転登記を完結でき、その場で納税および証書受領も可能となっています。
上海市不動産登記「全網通」専用窓口
2.動産担保登記
企業は、中国人民銀行征信センターの動産融資統一登記公示システムを利用し、担保提供者の名称を検索して担保物件の登記状況を確認できます。また、担保提供者は同システムを通じて、担保登記情報の変更や抹消手続きを行うことも可能です。
動産融資統一登記公示システム
普恵金融サービス
企業は、「上海信易貸総合サービスプラットフォーム」にて、自社のニーズに合った金融商品(融資プラン)を検索できるほか、上海市内の各商業銀行へ直接融資ニーズを相談することも可能です。
「上海信易貸総合サービスプラットフォーム」
企業優遇政策
1.上海市企業サービスクラウド
企業は、「上海市企業サービスクラウド」プラットフォームの「政策サービス」と「専門サービス」ページを通じて、政策申請、政策データベース、「企業優遇政策ワンストップ窓口」などの各種政策サービスを利用できます。企業サービスクラウドでは、優遇政策の公表、申請受理、相談対応をワンストップで提供するほか、行政サービス、起業支援、科学技術イノベーション、知的財産権、投融資サービスなどの専門サービスも展開しています。
「上海市企業サービスクラウド」プラットフォーム
2.企業優遇政策ワンストップ窓口
「上海市企業サービスクラウド」プラットフォームでは、政策検索、条件自動マッチング、政策申請、政策解説などの機能を集約する「企業優遇政策ワンストップ窓口」が特別に設けられており、企業が各種政策に手軽にアクセスできる環境を整えています。
「企業優遇政策ワンストップ窓口」
3.市級支援資金申請ワンストップサービス
法人向けデジタル認証「法人一証通」または電子営業許可証にて「一網通弁」総合ポータルにログインし、「市級支援資金申請ワンストップサービス」専用エリアで、各種政策の適用性評価を受け、条件に合致する政策についてオンライン申請を行うことができます。
「市級支援資金申請ワンストップサービス」専用エリア
4.産業プロジェクトの実施
企業は、「上海市投資促進・企業サービスプラットフォーム」を通じて、産業発展情報、政策情報、産業用スペース情報、投資誘致サービス情報などを入手可能です。各区では、重点産業プロジェクト向けに専任サービス担当者を設置し、ワンストップ型の個別サポートを提供しています。
「上海市投資促進・企業サービスプラットフォーム」
政府・企業間コミュニケーション
企業からの要望・相談対応
企業は、オンラインでは、「上海市企業サービスクラウド」プラットフォームの「企業要望受付窓口」や「12345」市民ホットラインを通じて要望を伝えることができます。オフラインでは、「上海市中小企業発展サービスセンター」内の「要望調整部門 」で受け付けています。関係部門は、「1業務日以内電話連絡、一般案件は5業務日以内に処理完了、複雑案件は15業務日以内に回答または状況説明」という対応体制を整えています。
「上海市企業サービスクラウド」プラットフォーム
輸出入貿易
企業は、「中国(上海)国際貿易シングルウィンドウ」 を通じて、越境貿易に関する輸送手段申告、貨物輸出入申告、決済、輸出税還付(免税)、金融サービスなどの手続きを行うことができます。また、船舶代理、貨物代理、通関、物流、倉庫などの業務を扱う主体は、「シングルウィンドウ」にて料金リストを自主的に公開・更新でき、利用者はログインすることで各種料金の確認や比較が可能です。さらに、貿易関連事業者は、「シングルウィンドウ」で通関・物流情報をワンストップで確認することができます。
「中国(上海)国際貿易シングルウィンドウ」
知的財産権保護
1.特許出願と商標保護
企業は、「一網通弁」プラットフォーム内の知的財産権サービス専用窓口にて、特許や商標保護など各種手続きの流れを確認できます。
知的財産権サービス専用窓口
2.知的財産権担保融資
企業は、「上海市知的財産権金融サービスプラットフォーム」を通じて、自社のニーズに応じた担保融資商品や保険商品を選択し、関連金融機関の連絡先を取得することができます。
「上海市知的財産権金融サービスプラットフォーム」
納税サービス
企業は、「電子税務局」を通じて、一般的な税務手続きや社会保険料の納付などの業務を行うことができます。上海市では現在、「全面デジタル化電子発票(略称:全電発票)」の試行を展開しています。試行拠点内では、納税者が実名認証を完了すれば、税務管理専用機器を使用する必要がなく、「電子発票サービスプラットフォーム」を通じて、「全電発票」、紙の増値税専用発票と紙の増値税普通発票を発行でき、使用済み発票の照合・廃棄手続きも不要です。なお、「全電発票」については、発票の種類認定や受領手続きを行う必要はありません。
「電子税務局」
商事紛争の解決
1.オンライン訴訟手続き
当事者は、「一網通弁」の訴訟サービスプラットフォーム、または「スマート裁判所プラットフォーム」を通じて、オンラインでの訴え提起、訴訟費用納付、法廷審理への参加など、各種訴訟手続きを行うことができます。
「一網通弁」の訴訟サービスプラットフォーム
2.商事仲裁
国内外の契約紛争およびその他の財産権利・利益に関する紛争については、「上海市司法局」公式サイトにて「仲裁サービス」セクションから仲裁を申請できます。同セクションには、上海仲裁委員会、上海国際経済貿易仲裁委員会(上海国際仲裁センター)、中国海事仲裁委員会上海本部、世界知的所有権機関(WIPO) 仲裁・調停上海センターの4つの機関が含まれています。
「上海市司法局」公式サイト
3.多元的な紛争解決
上海では、各区の非訴訟紛争解決センターを基盤として、「人民調停+業界調停」という全面的にカバーするワンストップ型の多元的な紛争解決プラットフォームを構築しています。当事者は最寄りの非訴訟紛争解決センターにて、案件内容に適した調停手段を利用できます。
企業撤退・業務終了
1.「上海企業登記オンライン」
申請者は、「上海企業登記オンライン」プラットフォームを通じて、国家企業信用情報公示システムにて清算人による関連情報を一般公開し、無料で会社抹消公告を掲載することができます。会社抹消申請提出後は、関係当局が事前確認、段階的な審査、リアルタイムのフィードバックを実施し、並行処理可能な手続きを同時に進められるよう案内することで、全体の処理期間短縮を図ります。
「上海企業登記オンライン」プラットフォーム
2.税務登記の抹消
市場主体は、「上海市電子税務局」にログイン後、左側の「套餐業務(パッケージ業務)」内にある「注銷税務登記套餐(税務登記抹消サービスパッケージ)」をクリックして手続きページにアクセスできます。また、ホームページ最上部の検索欄に「注銷税务登記(税務登記抹消)」と入力し、検索結果から当該サービスにアクセスすることも可能です。
「上海市電子税務局」
3.破産手続き
利用者は「上海市高級人民法院破産案件関連情報オンライン照会システム」を通じて、関連情報を確認することができます。
「上海市高級人民法院破産案件関連情報オンライン照会システム」
※ 上記日本語翻訳は参考用です。各手続きの詳細はガイドブックの関連ページをご確認ください。
出典:上海市発展・改革委員会公式サイト