中国国家税務総局上海市税務局の発表によると、2025年1～11月期に上海で出国時税金還付の手続きを行った海外観光客数は、前年同期比156.3％増となりました。税金還付対象商品の売上高および還付税額も前年同期比で約80％増加しています。11月末時点で、上海市内の出国時税金還付対象店舗は1000店以上増加し、還付対象に登録した店舗数は累計1700店を突破し、前年末と比べてほぼ倍増しました。これにより、税金還付サービスのネットワークはカバーする範囲と密度が着実に向上しています。

上海市内の商店街で、「出国時税金還付」の表示を掲げて集客を図る店舗（写真提供・IC）

「出国時税金還付」サービスによる消費活況の背景には、政策面での後押しがあります。今年、上海市の税務部門は商務部門と連携し、新たに「全市還付拠点」サービスを導入しました。6月末に、初めての「全市還付拠点」として、外灘に設置される「即時還付サービス」集中カウンターで上海全域の税金還付が完結できるようになりました。すなわち、条件を満たす海外観光客は、上海市内のすべての還付対象店舗で購入した商品について、指定された「全市還付拠点」にて現金での「即時還付」サービスを利用可能です。

現在、上海では「全市還付拠点9か所＋集中還付拠点17か所＋各店舗での単独還付拠点（複数）」から成るサービス体制が整備され、全市で「即時還付」サービスを展開しています。

ビザ免除政策の実施と秋冬の観光シーズン到来を受け、高級商業施設は外国人観光客にとって上海観光とショッピングの「定番スポット」となっています。税金還付対象となる幅広い商品カテゴリーと簡便で利用しやすい還付サービスは、海外観光客に快適なショッピング体験を提供するだけでなく、現地ブランドが世界中の消費者とつながるための強力な支えとなっています。

上海市税務局の担当者は、「税務部門は、今後も引き続き出国時税金還付サービスのネットワークを最適化し、政策の周知・広報や利用案内に取り組んでいきます。より多くの事業者がインバウンド消費拡大の好機を逃さないよう後押しし、上海が国際消費センターとしての発展と都市機能向上に税務面から貢献していきたい」と述べました。

出典：上観新聞