上海市楊浦区の復興島 まもなく世界初の二次元「痛島」へ変身

小紅書「RED LAND」オープンワールド冒険島イベント(画像提供・主催者)
今年7月、Bilibiliが主催するマンガ・アニメ博「Bilibili World(ビリビリ・ワールド・デジタル・エンターテインメント・ポップカルチャー博覧会)」は、3日間で延べ40万人の来場者を記録しました。
このほど、中国のライフスタイル・ネット通販プラットフォームの小紅書は、8月8日から10日にかけて、上海市楊浦区の復興島にて「RED LAND」オープンワールド冒険島イベントを開催することが決まりました。イベント期間中、島全体(約8万㎡)が、人気ゲームや二次元アニメの世界観と融合し、世界初の二次元「痛島」(二次元テーマ島)へと姿を変えます。
ある関係者は、既存のアニメイベント市場に、また新たに大きなブランドが誕生するかもしれないと分析しています。上海で開催される小紅書のイベント「RED LAND」は、果たして「Bilibili World」に続くコンテンツプラットフォームとなり得るのでしょうか。
小紅書は初開催にもかかわらず、「RED LAND」は、大手コンテンツプラットフォームならではの圧倒的な集客力を示しました。
イベントには50以上の話題のゲームと二次元IPが集結しています。『ポケモン』やAniplex、東映アニメーション、分子互動、閲文集団などの人気アニメIPに加え、『王者栄耀(Honor of Kings)』や『原神』など人気ゲームIPも参加します。さらに、メイリア、宮崎歩などの人気歌手や有名なタレントたちも登場し、ゲームのBGMやアニソンの生演奏を披露する予定です。
現在、すでに30万人以上が「RED LAND」入場券をもらえるクイズ企画に参加しており、一般販売のチケットは、昼間限定の「巡礼チケット」は最速3秒で完売、終日利用可能な「巡礼チケット+特別章チケット」セットは最速2秒で完売しました。
地域の連携においても、「Bilibili World」のサブ会場イベントと同様に、小紅書は楊浦区の全面協力を受けています。楊浦区での来場者の体験向上のため、イベント期間中は楊浦区内の約1000店舗と連携し、「楊浦区を遊び尽くす」キャンペーンを展開し、500万元(約1億円)分の消費クーポン(二次元・ショッピング・宿泊)を提供します。
五角場商圏、国際ファッションセンター、ワンダシネマ、世界技能博物館、敦煌現代美術館、中国近現代新聞出版博物館などでは、チケット半券の提示で各施設の限定優遇が受けられる連携特典も展開します。
さらに、楊浦区は、五角場の二次元テーマ商業圏と国際ファッションセンターに「冒険者乗換専用列車待合所」「冒険島二次元トランジットゲート」などのフォトスポットも設置します。また、「痛車」デザインのシャトルバスも運行し、五角場に「二次元補給ステーション」というテーマ休憩所も展開します。
世間では「RED LAND」を「Bilibili World」と比較しがちですが、小紅書としては、むしろ、同社の別イベント「ストリートライフ・フェスティバル(馬路生活節)」の延長として位置づけています。
2023年、小紅書は上海で、第1回「ストリートライフ・フェスティバル」を開催しました。この中で、二次元やゲーム関連コンテンツの急増を背景に、当初はアニメ・マンガのイベントを同フェスの一部として開催することを検討していました。しかし、コンテンツの性質の違いを考慮し、二次元とゲーム関連をあえて独立したイベントとして開催することにしたといいます。
実際、小紅書の「RED LAND」には、従来のアニメ・マンガ展(イベント)というよりも、「ストリートライフ・フェスティバル」の雰囲気が色濃く漂っています。たとえば、夏の猛暑の中でも屋外で開催することを選んだのも、小紅書が都市の風景やライフスタイルを深掘りするのを重視しているからです。

小紅書「RED LAND」オープンワールド冒険島イベント(画像提供・主催者)
一部には「RED LAND」がアニメ・マンガのイベント市場で「Bilibili World」の強力なライバルになるとの見方もありますが、開放的で包容力のある上海なら、複数の大型アニメイベントが共存共栄できる土壌を十分に備えています。
むしろ、「RED LAND」は「Bilibili World」と並び、上海のアニメ・マンガイベントの双子星として、ともに輝き、ますます多くのファンが上海に引き寄せられることになるでしょう。
出典:上観新聞、解放日報