大阪・関西万博閉幕--上海が都市再生アプローチを披露
10月13日、大阪・関西万博が閉幕しました。この盛大なイベントのフィナーレにあたり、万博会場内にて、上海万博博物館(中国語名称:上海世博博物館)と上海市都市計画設計研究院の共催によるテーマ週間「よりスマートに、より芸術的に、より思いやりを――都市再生の未来」が開催されました。このテーマ週間は、大阪・関西万博のプラットフォームを活かし、「上海都市空間芸術シーズン」ブランドの海外での発信を後押しし、さらに「一江一河(黄浦江と蘇州河)」の再開発や復興島の再生など、上海における数々の実践を題材として、都市再生における「上海アプローチ」を世界に向けて発信しました。
上海万博博物館の劉文涛館長は主催者代表として、上海都市空間芸術シーズン学術委員会の伍江主任、株式会社日建設計・建築設計本部国際デザイン部の砂田哲正デザインディレクター、漫画家のTango氏、大阪アート&デザインフェスティバルの増井辰一郎ディレクター、2023年上海都市空間芸術シーズンの高長軍エグゼクティブ・キュレーターを招き、巨大都市における持続可能な都市再生の事例と経験を共有しました。

上海万博博物館、劉文涛館長(写真提供・上海万博博物館)
劉文涛館長は、万博と都市の関係は切っても切り離せないものであり、万博の開催はしばしば都市計画に直接的な影響を与えるが、上海はその明らかな事例であると述べました。大阪・関西万博は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の実現を推進することを使命としており、多様な形式、人への温かい配慮、そして先端技術を取り入れた都市再生を通じて、都市の持続的な発展を促進する絶好の対話と交流の場です。今回のイベントでは、中国と日本の都市計画、建築、芸術、キュレーションなどの分野で著名な専門家が大阪・関西万博に集い、都市再生、パブリックアートと都市空間、都市の持続可能な発展などのテーマをめぐって意見を交わしました。これらの交流を通じて、関連分野の研究と実践に新たな視点をもたらそうとしています。

同済大学建築・都市計画学院教授、元常務副学長の伍江氏(写真提供・上海万博博物館)
同済大学建築・都市計画学院の伍江教授は「上海の『一江一河』プロジェクト--人民のための都市づくりの実践例」と題した講演を行い、上海という巨大都市がいかにして「さびれた工業ベルト」を「生活の輝く地域」へと転換させたか、その実践的なプロセスを紹介しました。また、10年にわたる上海都市空間芸術シーズンの発展が、上海の質の高い都市発展をいかに促進してきたかを振り返りました。

株式会社日建設計・建築設計本部国際デザイン部の砂田哲正デザインディレクター(写真提供・上海万博博物館)
株式会社日建設計・建築設計本部国際デザイン部の砂田哲正デザインディレクターは、国際的な協力の視点から、日建設計が上海西岸メディアハーバーのプロジェクトに参画した経験を共有しました。

2025年上海都市空間芸術シーズンの高長軍キュレーター(写真提供・上海万博博物館)
アーティストのTango氏は「都市にぬくもりを注入するアート」を切り口に、人々と空間を創意でつなぐ自身の実践を紹介しました。2025年上海都市空間芸術シーズンのキュレーターである高長軍氏は、「イベント駆動型の再生」という観点から、中国と日本の都市更新における相違点と共通点を探りました。

登壇し講演を行う中日の専門家(写真提供・上海万博博物館)
交流討論のセッションでは、中日両国の専門家が、大阪・関西万博パビリオンにおける持続可能なデザインからの示唆について活発に議論を交わし、さらに両国の都市再生において相互に学ぶべき経験や知見を共有しました。
上海都市空間芸術シーズンは、「文化で都市を興し、芸術で都市を築く」を理念とし、「より良い都市、より良い生活(Better City, Better Life)」という上海万博の精神を継承・発展させてきました。2015年から隔年で開催されており、この10年間、一貫して空間の創出、芸術の導入、大規模な文化イベントによって既存の空間を活性化させ、都市の転換と生活の質向上における上海市の積極的な取り組みを鮮やかに示してきました。「人民のための都市」建設と質の高い発展を反映する生きた証しとなっています。
出典:上観新聞、新民晩報