上海「模速空間」の正体に迫る
2023年9月、上海市・区政府の積極的な計画と連携のもとで、中国初の専門的な大規模モデルインキュベーション・加速プラットフォームとして、上海「模速空間」大規模モデルイノベーションエコシステムコミュニティ(Shanghai Foundation Model Innovation Center、SMC)及び人工知能大規模モデル産業エコシステム集積区が徐匯浜江に設立されました。

上海「模速空間」大規模モデルイノベーションエコシステムコミュニティ(写真・上観新聞)
1万平方メートルにわたる第1期コミュニティの建設が完了された後、いち早く稼働を開始し、第1陣として約20社の大規模モデル企業が入居しました。その計画総面積は10万平方メートルです。稼働開始から100日後に入居企業数は50社を突破し、500日後には255社に達しました。現在、「模速空間」には100社以上の大規模モデル企業が集積した結果、周辺エリアに200社以上のAI関連企業と100社余りの投資機関が進出し、43の登録済み大規模モデルの商用化が開始されています。起業者たちは一つの施設の中で高頻度な交流を重ね、互いのインスピレーションがぶつかり合うことで、「フロアを跨ぐだけで産業チェーンが繋がる」という革新的な協働モデルを具現化しています。

「模速空間」には100社以上の大規模モデル企業が集積。(写真・模速空間)
また、「模速空間」は上海初のAI製品体験店をはじめとする一連のスマート端末の新しい消費シーンを構築しています。来訪者はスマートグラスを試着したり、AIチェスロボットと対戦したりするなどを通じて、最先端技術の魅力を直接に体感することができます。

「模速空間」が構築した上海初のAI製品体験店(撮影・舒抒/解放日報)
「模速空間」は計算力調整プラットフォーム、公共言語資料プラットフォーム、金融サービスプラットフォーム、人材サービスプラットフォーム、シーンマッチングプラットフォームを構築することで、入居企業に全面的な保障サービスを提供しています。ここで、企業は高品質な言語データを活用することで、大規模モデル訓練の品質向上と加速を実現できます。
約19カ月にわたる研磨を経て、現在の「模速空間」は大規模モデル産業における「双循環エコシステム」の構築を着実に進めています。
一方では、大規模モデル技術実装の課題解決に向けて、施設内企業の相互交流・協力を促進するとともに、大規模モデル産業の「川上の基礎層、川中のモデル層、川下の応用層」を集積させることで、「フロアを跨ぐだけで産業チェーンが繋がる」というフライホイール式発展構造を構築しています。
他方では、産学研資(産業・大学・研究機関・資本)連携ネットワークを構築し、5大基盤モデルや主要中央企業・国有企業などと連携することで、約100回の需給マッチングイベントを開催しました。また、インキュベーター入居企業のビジネス検証や業務拡大を支援し、より優れた政策支援と密なエコシステム連携により、成熟度が高く競争力のある産業発展エコシステムの構築を推進しています。
今年2月時点で、「模速空間」は既に6万平方メートルにわたるオフィススペースを完成させており、最新の第5期オフィスエリアの建設も急ピッチで進められています。同時に、「模速空間」は「独立運営+共同育成」モデルを積極的に模索しながら、最高の要素密度・最適の政策サービス・最短のイノベーションプロセスを誇る大規模モデルイノベーションエコシステムコミュニティの構築も推進しています。さらに、「模速パートナー計画」を立ち上げ、基盤モデルエコシステム特別エリア、高等教育機関共同イノベーションセンター、リーディングカンパニー人工知能イノベーションセンターなどのプロジェクトを展開しています。これらの取り組みを通じて、世界中の開発者に最適の環境・最高の資源・最良のエコシステムの提供を目指しています。
新たな質の生産力の発展を担う科学技術革新の実体として、「模速空間」の成長軌跡は上海のAI産業の急成長を象徴する証です。現在、上海市は「模速空間」を核とし、AI産業エコシステムの構築という重大戦略を全力で推進するとともに、世界レベルのAI産業クラスターの構築を加速させています。
出典:新華網、上観新聞、解放日報