上海市、2024年総合交通発展分析報告書を発表

japanese.shanghai.gov.cn| 2025-04-15

上海市都市農村建設・交通発展研究院は4月10日午前、2024年上海総合交通発展分析報告書を発表しました。昨年、上海の総合交通は、質の高い発展を推進することをめぐり、改革の深化とビジネス環境の改善を原動力として、「人本(人間中心)、効率的、スマート、グリーン、強靭的」な交通の実現に向けて取り組みました。報告の主なポイントを以下のようにまとめました。

国際一流のコンテナハブ港としての地位を強化

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(写真・VCG)

2024年、上海港のコンテナ取扱量は5000万TEUの大台を突破し、5150万6000TEUに達し、前年比4.8%増で、15年連続で世界第1位の座を守りました。

上海港の連結性は世界トップレベルであり、2024年の対外貿易コンテナ取扱量は3442万TEUで、前年比2.1%増加し、上海港コンテナ取扱量全体の67%を占めました。そのうち、アジア向けが44.4%、北米向けが23.8%、ヨーロッパ向けが18.5%と、上位3位を占めました。

航空輸送ニーズが引き続き力強く成長

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(写真・VCG)

2024年、上海の2大空港の利用者数は延べ1億2500万人に達し、前年比29%増と過去最高を記録し、世界都市ランキングは前年の第10位から第3位(東京と並ぶ)へと上昇しました。貨物・郵便の取扱量は420万6000トンに達し、前年比11%増となり、世界都市ランキングの第2位へと順位を上げました。

2024年末時点で、上海の空港は世界48カ国の291カ所のウェイポイント(33カ国の「一帯一路」国の58カ所のウェイポイントを含む)と接続しています。そのうち、中国本土のウェイポイントは171カ所、国際および中国香港・マカオ・台湾地区のウェイポイントは120カ所です。2024年に、新たに10カ所のウェイポイントを増加し、19カ所のウェイポイントへの便数を増便し、8路線の運航を再開しました。

鉄道による対外旅客輸送が引き続き増加

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(写真・VCG)

2024年、上海の鉄道による対外旅客輸送数は延べ2億5900万人となり、前年比7.2%増加しました。同年末に滬蘇湖(上海―蘇州―湖州))高速鉄道の開通及び2025年1月5日からの新たな鉄道ダイヤ改正に伴い、上海地域の主要鉄道駅の機能位置付けもあわせて最適化・調整が行われました。2025年の春運(春節期間の帰省・Uターンラッシュに伴う特別輸送体制)期間中、主な鉄道駅における旅客の発着数は前年比3%増加しました。鉄道虹橋駅と上海駅の発着旅客数はそれぞれ5.2%、1.1%減少し、上海南駅と上海松江駅では、それぞれ10.8%、421%増加しました。

長江デルタの交通協働連携を深化

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(写真・VCG)

2024年、上海は対外総合輸送大通路の建設において大きな進展を遂げました。年末には滬蘇湖高速鉄道、空港連絡線、軌道交通17号線の西延伸区間(西岑まで)が開通しました。滬通(上海―南通)第二期、滬渝蓉(上海―重慶―成都)高速鉄道などの幹線鉄道や、上海モデル区線、嘉閔線、南楓線などの都市鉄道の建設が順調に推進されました。

長江デルタにおける「コナベーション効果(連接都市効果)」は加速・強化されました。2024年、上海と長江デルタ(江蘇省、浙江省、安徽省の3省)の間の鉄道による1日平均旅客発着数は延べ51万1000人で、前年比9.1%増となり、上海鉄道による対外輸送の1日平均旅客発着数の72%を占め、前年比約2ポイント増となりました。

2024年、省を跨ぐ高速道路の1日利用者数は延べ3万3000人で、前年比7.3%増加しました。都市を跨ぐ鉄道交通の人気が高まり、平日の朝ラッシュ時(午前7時~9時)には、11号線花橋三駅を1万5000人が出入りし、前年比4.4%増加しました。

鉄道交通のけん引的機能を強化

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(写真・VCG)

昨年9月末、11号線に康恒路駅が新設され、年末には17号線は西岑駅まで延伸され、上海初の市域鉄道路線・空港連絡線が開通されました。上海の鉄道交通網全体の営業距離は896kmに上りました。

上海の鉄道交通は、路線の実際の乗客の流れに基づいて、一部の路線の運行計画を動的に改善し、輸送能力を調整します。 2024年には鉄道交通(リニアモーターカーと金山鉄道を除く)の1日平均旅客輸送数は延べ1027万人となり、前年比2.4%増加しました。

多様な旅客輸送サービスを改善

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(写真・VCG)

市内の公共バス(電気バス含む)の1日平均利用者数は299万9000人となり、前年比1.1%減少し、約29%の乗客は鉄道交通への接続利用です。地域公共バスの1日平均利用者数の割合は約46%となり、前年比で0.7ポイント上昇しました。バス利用者の需要の変化に応えるため、バス車両の小型化が進められており、すでに200以上の中小型バスが導入されています。

2024年10月、「都市公共交通条例」が正式に発表され、市民の基本的な移動を保障する上に、カスタマイズされた移動サービス事業の拡充が奨励されています。通勤、通院、通学、観光・文化体験などの多様なニーズに応じ、久事公交や浦東公交などは、異なるニーズに対応したオーダーメイド型バス路線を開設しました。

2024年、市内のタクシーの1日平均利用回数は延べ39万1000で、前年比4.0%減少しました。オンライン配車アプリの1日平均利用者数は延べ157万9000となり、前年比12.8%増加し、タクシー全体の利用回数の80.2%を占め、前年比で2.9ポイント上昇しました。

新エネルギー車の発展を推進

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(写真・VCG)

2024年、上海では新エネルギー車27万8300台が導入され、これまでの累計普及台数は164万5000台に達し、普及規模は世界の都市の中で第1位となっています。計91万3000台の各種充電スタンドと225台のバッテリー交換ステーションが整備され、車とスタンドの比率は約1.8対1と、国内第1位となっています。

年間では、新エネルギーバス1940台が導入され、2024年末時点で登録されている新エネルギーバスは計1万6356台、全体の96.21%を占めています。また、年間で新エネルギータクシー2700台が導入され、営業用タクシーのうち新エネルギー車の割合は約95%に達しています。

出典:新民晩報、上観新聞