上海がトランジットで、世界の旅行客の最初の選択肢に
9月27日、虹橋空港T1ターミナルと浦東空港T1ターミナルにそれぞれ新たに「外国人ワンストップ総合サービスセンター」がオープンし、上海を訪れた外国人旅行客を始めて迎え入れました。このようなワンストップ総合サービスセンターは、6月29日に浦東空港T2ターミナルで率先して運営が開始されました。
浦東空港T1ターミナルに新たにオープンした外国人ワンストップ総合サービスセンター(写真・夏淼/チャイナデイリー)
これにより、列多さんの思い描く上海の空港に一歩近づきました。今年5月、上海市民である彼女は「随申弁」人民提案募集ボックスを通じて「上海を世界中の旅行客の最初の選択肢にする」ことに関する提案を出しました。彼女は提案の中で、上海を世界の旅行客に選ばれるトランジットの地にするためには、空港の各種サービスの向上が重要であると主張しました。
この提案を上海市党委員会と上海市政府は重視し、関連部門は迅速に検討し、この提案は採用され、実施されました。これにより、上海の2つの主要空港のトランジット、入国サービスの質を向上させる取り組みが迅速に展開されました。
列多さんが提案を提出したきっかけは、「南半球からヨーロッパに飛ぶには、必ずトランジットが必要なのに、なぜ外国人は上海をトランジットの場所として選ばないのか」という長年の疑問から来ています。列多さんは外資系企業に勤めており、日常業務で上海に来る外国人専門家を迎えることが多いです。今年の春節前、ある外国人専門家が彼女に「トランジットの場所として、上海は良い選択ではありません」と率直に話しました。
なぜ外国人は上海でのトランジットをしたくないのでしょうか。列多さんはそれについて調査をし、「上海の空港でのトランジットには時間がかかり、さまざまな手続きの待ち時間が合計2時間にも及ぶ」ため、トランジットする旅行客の入国体験が大幅に損なわれてしまうことを知りました。これに対して、東京、バンコク、シンガポールなどのアジアの国際航空ハブ都市では、トランジットクリアランスの手続きが非常に効率的で、「いくつかの国では平均クリアランス時間がわずか数分しかかからない」のです。そこで、上海市党委員会と上海市政府に提出された提案の中で、列多さんはまず「24/144時間のビザなしトランジット旅行客の入国手続きの効率を向上させる」ことだと考えました。
旅行客のトランジットクリアランスの利便性を向上させるために、上海出入国管理局は「旅行客情報の事前審査」措置を試験的に実施しました。航空会社が「24/144時間のビザなしトランジット」の乗客を事前に申告し、出入国管理機関が情報を事前に審査することで、データがフライトよりも先に着くようにしたのです。今年6月、出入国管理機関は浦東空港の検査窓口を改善し、全時間帯で、T1・T2ターミナルの40の検査窓口は「24/144時間のビザなしトランジット」手続きの処理を全面的にサポートするように調整しました。これにより、事前申告した旅行客は「到着後、即手続きをして、即入国できる」ようになりました。
上海空港出入国管理処の蒋逸晨副処長は、「さまざまな措置により、1回のトランジット旅行客の手続き時間が約20分近く短縮され、ピーク時の行列の待ち時間は45分以内に圧縮されました」と述べました。
提案の中で、列多さんはまた、中国における外国人旅行客の最初の訪問地として、空港はそのサービスの欠点を補い、外国人旅行者が必要とする都市の公共サービスを提供すべきであるとも提案しました。上海の2つの主要国際空港では、一連の改善が順次実施されています。例えば、外国人旅行客は空港のWi-Fiに接続する際にSMSによる認証が不要になり、Wi-Fiログインページでパスポートを撮影してアップロードするだけで認証が済むようになりました。他にも、インバウンドの外国人旅行客が通過しなければならないエリアに、多くの両替所やSIMカードのデータパッケージ販売所が設けられたことなどです。
記者の理解によると、現在、上海の空港は、空港から出ずに短時間のトランジットをする外国人旅行客のために、シャワールーム施設、カプセルホテル、各種商業施設の導入など、関連サービスを向上させており、トランジット旅行客の多様な消費ニーズに最大限対応することを目指しています。
空港は開放された窓口であり、「世界の旅行客に選ばれるトランジットの地をつくる」という提案を採用したことは、港湾サービスの改善を促進するだけでなく、上海という都市の対外開放を高いレベルで後押しすることになります。
情報源:解放日報