みずほフィナンシャルグループ・今井誠司会長:上海諮問会議は上海のイノベーション創出と競争力向上に大きな意義がある
みずほフィナンシャルグループの今井誠司会長は、10月12日に開催された第37回上海市市長国際企業家諮問会議(以下、上海諮問会議)において、「今回は初めて上海諮問会議に参加でき、大変光栄に思います。上海市政府ならびに各国企業のトップの皆様と、直接意見交換できるこのように貴重な機会をいただき、心より感謝を申し上げます。みずほはSIFAC(上海国際金融諮問委員会)のメンバーとして、これまでも上海市の国際金融センター機能の向上に向けた提言を継続的に行ってまいりました」と述べました。
今年の上海諮問会議のテーマ「開放・革新・包容——2030に向けた上海の発展戦略」について意見を求められた今井会長は「今回、みずほ銀行は『グリーンの実践』グループに参加する予定です。日本でもグリーン経済や循環経済は非常に注目されています。みずほ銀行が『自然資本』の分野で取り組んでいる施策を紹介するとともに、金融機関として少子高齢化など社会問題の解決に向けた具体的な取り組みについてもご説明したいと考えています。これらの経験が、上海市にとって何らかの参考や示唆となれば幸いです」と答えました。

(写真提供:みずほフィナンシャルグループ・今井誠司会長)
また、現在の複雑化する国際情勢のもとで、上海が上海諮問会議を開催し、国際企業家の意見を積極的に聴いている点について問われると、今井会長は「グローバルな課題がますます複雑かつ多様化する中で、持続可能な発展を実現するためには、異なる視点や経験を積極的に取り入れ、柔軟かつオープンな議論を行うことが極めて重要です。上海諮問会議のような国際的な対話のプラットフォームは、上海市のイノベーション創出と競争力の向上に極めて大きく寄与していると強く感じています。今後もこのプラットフォームを通じて、世界の各都市や企業間の相互理解と協力を一層深めていくことを期待しております」と上海諮問会議への期待を述べました。
今年9月30日、みずほ証券(中国)有限公司が認可を受け、今年初めて設立が認められた外資100%出資の証券会社、また日本資本として初の独資証券会社となりました。今井会長は今回の投資の背景について「中国の資本市場における資金プール規模は欧米に次ぐ世界第3位です。中国の債券市場はその規模が巨大であるだけでなく、力強い成長を示しています。市場競争は確かに厳しいですが、市場規模や人口構造、経済構造の変化に伴う証券業務の需要の増加を踏まえ、この市場に積極的に参入する必要があると判断しました」と説明しました。そして、「みずほ証券の中国法人は、中国国内の企業債発行体を対象に引受業務を主に行い、中国国内の債券市場での販売および取引業務も行っていきます」と述べました。
上海が国際金融センター建設を深化させる中、みずほフィナンシャルグループは中国での投資を拡大させる一方で、アジア太平洋地域での経験を活かし、上海におけるクロスボーダー金融やグリーンファイナンスの革新を後押ししています。
「私たちはAPAC本部(シンガポール)に『中資企業サービスプラットフォーム(China Desk)』を設置し、中国籍のスタッフを配置しました。これにより、中国本社からアジア太平洋地域までワンストップの金融サービス体制を構築しています。グリーンファイナンス分野では、みずほが世界で培った成功事例と専門知識を活用し、中国の金融当局が推進するグリーン金融ツールや優遇政策を積極的に利用しています。企業がこれらの政策を理解できるよう支援するとともに、環境保護、CO2排出削減、カーボンニュートラル対応、ESGレポート作成支援など、多方面から企業の持続可能な発展をサポートしています。さらに、企業のグリーンローンやグリーンボンドの発行支援、国際基準に基づくESG格付けの取得支援を通じて、企業が持続可能なグローバル展開を加速できるように後押ししています」。
長江デルタ地域における中日企業の協力についても、みずほは企業間のビジネスマッチングやサプライチェーン・ファイナンスなどを通じて、この地域の発展を積極的にサポートしています。みずほは、国内外のイノベーティブ企業への支援を重視し、中日両国に専門部署を設けて、企業マッチング、投融資、海外資本市場開拓などの幅広いサービスを展開しています。今年7月には、みずほと上海市政府が共同で東京において初の中日イノベーションフォーラムを開催し、両国の政府機関および400社以上の企業が参加して大きな成果を上げました。
今井会長は「今後もみずほは、グローバルリソースを最大限に活用し、中国企業に対して包括的なサポートを提供していきます。そして、中日企業の『共創・共栄』を後押しし、より良い未来に向けて共に歩んでまいります」と語りました。