中国、「人工知能+」行動を本格的に展開
8月31日に行われた国務院常務会議で、「『人工知能+』行動を本格的に実施するための意見」が審議・承認されました。
人工知能は、新たな科学技術革命と産業変革を後押しする重要な力です。人工知能技術の成熟とともに、人工知能とあらゆる産業との連携が加速し、「人工知能+」という概念は広く浸透してきています。今年の政府活動報告でも、「『人工知能+』行動を継続的に推進し、デジタル技術を製造業や市場の優位性とより良く結び付ける」と示されています。
会議では、人工知能技術が急速に進化・更新している現状を踏まえ、「人工知能+」行動を徹底的に推進し、人工知能の大規模かつ商業的な応用を強力に進めることが強調されました。中国が有する産業システムの充実度、市場規模の大きさ、活用シーンの豊富さといった優位性を最大限に生かし、人工知能を経済や社会のあらゆる分野に浸透させ、イノベーションと活用が相互に促しあう好循環をつくることを目指すとしました。
国務院発展研究センター産業経済研究部の許召元副部長は「『人工知能+』行動をしっかり進め、人工知能を各分野で幅広く融合させることで、伝統的な産業の改造・高度化を後押しし、新しい戦略的な新興産業や未来産業の成長分野を切り開くことができます。また、質の高い発展を支える力となり、全ての国民が人工知能の発展の恩恵を享受できるようになります」と述べました。
そして、「政府部門や国有企業は、模範としての役割を強め、活用シーンの開放などを通じて技術の実用化を支援することが求められます。また、人工知能のイノベーションを支える環境を整え、データ処理能力・アルゴリズム・データの供給を強化し、政策支援や人材育成を拡充させます。さらに、オープンソースで開放的なエコシステムを構築し、産業の発展・拡大を力強く支えることが必要です」と述べました。会議ではこれらに関して多くの方策が打ち出されました。
同時に、大規模人工知能モデルや生成AIが各分野で広く活用されるにつれ、データの偏りやプライバシー漏洩といったリスクも増大しています。会議では、安全性を高め、機動的かつ多様な協調による人工知能ガバナンス体制の構築を急ぐ必要があると強調されました。
許副部長は「今回の会議で示された一連の取り組みの方向性は明確で、実務的で力強いです。人工知能産業の発展の道筋を明確にして、市場の関心に的確に応え、積極的な政策シグナルを打ち出しました」と語りました。
出典:新華社