パナソニック、第8回輸入博で「パナソニック中国人工知能(AI)戦略」を発表

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パナソニックホールディングス株式会社グローバル副社長・中国北東アジア総代表 本間哲朗氏(写真・澎湃新聞)

11月6日、パナソニックは第8回輸入博において「パナソニック中国人工知能(AI)戦略」を発表しました。パナソニックホールディングス株式会社グローバル副社長・中国北東アジア総代表の本間哲朗氏は『パナソニック中国人工知能(AI)戦略アジア初発表――中国のデジタル未来を支える』をテーマに、人工知能(AI)が産業変革をけん引する流れの中で、パナソニックが中国のAI分野において構築した中核戦略と全バリューチェーンの配置を紹介しました。

8年連続で輸入博に出展している「皆勤」企業として、パナソニックは「より良いくらしを家から都市へ」というテーマのもと、5.1H消費財展示エリアB3-01ブースに出展しています。精巧にデザインされた没入型展示エリアを通じて、生活空間から公共空間、家から都市へと広がる革新的なソリューションを全方位に提示し、パナソニックの技術力と社会的価値を余すところなく披露しました。

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パナソニックのブース(写真・澎湃新聞

多彩な新製品を初公開

本間氏は、今回の出展テーマ「より良いくらしを家から都市へ」について、「生活空間から公共空間にいたるまで、中国の顧客に『快適』『健康』『清潔』『高齢者ケア』に関する製品とソリューションを提供することを目指しています」と説明しました。

展示ブースは生活空間ゾーンと公共空間ゾーンに分けられ、特にAI搭載のスマート家電展示エリアや「Panasonic Design」展示エリアを設置しています。シーン体験とインタラクティブ技術を融合させ、「家から都市へ」と広がる理想的な暮らしのビジョンを描き出しています。

今回、初公開された製品には、世界初の4ドラム式ヒートポンプ洗濯乾燥ケア一体機「Alpha G5」があります。この世界初の4ドラム式一体機は日本でも注目を集めています。そのほか、3.0バージョンの「6恒温気候ステーション」とカスタム吹出口連動の空気ソリューション、「ヒマラヤシリーズ」のビルトイン調理家電セット、厚さわずか12.5cmの薄型空気清浄機なども輸入博で披露されました。

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パナソニックの4ドラム式ヒートポンプ洗濯乾燥ケア一体機「Alpha G5」(写真・澎湃新聞)

パナソニック中国のAI戦略:ユーザーシーンから産業インフラまで、両面からの支援

本間氏はインタビューに対し、「パナソニックは毎年、中国社会の発展と消費者のトレンドに合わせてテーマや内容を設定しています。今年はAIに焦点を当てています。パナソニックのAI応用には2つの側面があり、1つは、生成AI技術を活用したスマート家電・空間・サービスといった消費者向けの応用。もう1つは、中国のインフラ建設を支えるための各種部品や生産設備の供給で、中国のAI技術の社会実装を後押しすることです」と述べました。

ユーザーシーンでは、今回展示された「Alpha G5」は76個のスマートチップを搭載し、自然言語による対話が可能です。磁気吸着式の「スマート制御リング」でリアルタイム制御ができ、4つのドラムが協調して動作します。単一製品にとどまらず、家の空間全体まで、パナソニックの「ホームスマート連携空間システム(1+N+X)」によって、キッチン家電など家庭内の機器を相互に接続できます。また、製造分野では、AIを活用して物流動線の最適化やビジュアルAIソリューションなどを開発しています。

産業インフラの分野では、パナソニックは世界のAIサーバー産業チェーンの重要なサプライヤーでもあります。導電性高分子コンデンサや多層基板材料「MEGTRON」などの製品は市場で高く評価されており、高精度チップマウンターは高い適合性によって顧客の生産能力向上に寄与しています。さらに、AIサーバーや光通信モジュールの製造に用いられるサーボモーターやセンサーなどの主要部品も提供しています。

本間氏は「AI技術と人々の生活が最も結びついている市場は中国市場です。パナソニックグループの中で、まず中国のチームが『AIを使う、社員全員が毎日AIを活用する』という意識を持ち、業務を刷新し、製品を磨き、研究開発や事業のスピードを加速していきたいです。パナソニック中国のチームがグループの先頭に立ち、パナソニックグループ全体のAI戦略をリードする存在になってほしいと思っています」と述べました。

紹介によると、近年、パナソニックはAI関連の電子材料分野に積極的な投資を行っています。2023年9月には、パナソニック電子材料(広州)第4工場が稼働を開始しました。その投資額は7.9億元、建築面積は3.3万㎡で、情報通信インフラ向け多層基板材料の生産に特化しています。稼働後の総生産能力は1.3倍に拡大しました。

また、パナソニック電子材料(蘇州)の新プロジェクトが2024年10月に着工しました。投資額6億元、建築面積5万㎡のスマートグリーン工場を建設し、半導体パッケージング基板材料を生産して、半導体をはじめとする先端分野の需要に応えます。さらに、パナソニック電子材料(上海)の新工場も2025年9月に着工しました。その投資額は1.2億元になります。地域内の半導体材料サプライチェーンを整備し、稼働後は生産額が倍増する見込みです。

本間氏は「2019年4月に中国・北京に着任して以来、中国国内で20件の新規投資を行い、パナソニック中国の事業を推進してきました。この数字だけでも、パナソニックグループが中国市場を固く信じていることを示しています」と語りました。

今回で7回目の輸入博参加となる本間氏は「外国企業が輸入博に参加する目的は、BtoBやBtoCも含めた中国の顧客に、最新の製品、研究開発、戦略の方向性を理解してもらうことです」と語りました。

また、本間氏は中国日本商会会長としても、外国企業、特に日本企業に対して輸入博チャンスの活用するよう呼び掛けています。「昨年から、世界のトップ経営者が輸入博に参加するケースが増えていることに気づきました。今日の会場でも、複数の日本企業のトップに会いました。今回の輸入博は、外国企業が中国市場の大きな変化を理解する絶好の機会であり、中国のみなさまも外国企業の最新製品・サービス・技術を知るよい機会です」。さらに、「先日閉幕した四中全会では、対外開放政策の維持が改めて強調されました。中国日本商会会長として、非常に嬉しく、そして安心しています。中国に進出しているすべての外国企業が、中国市場に深く根を下ろし、中国の人々に新しい製品やサービスを提供していきたいと思います」と述べました。

出典:澎湃新聞

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