「発展の道を見つけ、繁栄と富強を実現する」上海で響くグローバルサウスの声

japanese.shanghai.gov.cn| 2025-12-08

12月4日、黄浦江の畔で、第3回「グローバルサウス」シンクタンク対話会が開催され、世界各地から350名を超える政府関係者や専門家・学者が集まり、「連帯と自強」をテーマに知恵を結集し、共通認識を深めました。

参加者らは「百年に一度の世界的大変動の中、グローバルサウスはもはや支配される対象ではなく、自らの運命を握る主体であり、歴史の背景ではなく、時代の主役です。だからこそ、グローバルサウス諸国が肩を並べて、本当の『南の声』を響かせ、『南の責任』を示す必要がある」と語りました。

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(撮影・張馳/解放日報)

グローバルサウスの運命は他者が決めるものではない

世界のGDPの4割以上を占め、世界経済成長への貢献度は8割を超える、そんなグローバルサウスの集団的台頭は、世界の大変動を象徴しています。同時に、グローバルサウスは多くの発展の課題にも直面しています。機会と挑戦が交錯する状況こそ、この対話会が現実的な意義を持つのです。

ザンビアのムタレ・ナルマンゴ副大統領は「平和・安全・地域の安定は南方諸国が理想とする未来の重要な指標であり、発展の成果を共有するための大前提です」と述べました。

会議に参加した学者たちも「南方諸国には人材も意欲も創造力も十分にあります。必要なのは交流・学習・協力の機会であり、中国は率直な対話の場を提供しています」と指摘しました。インドネシア・ガジャマダ大学国際関係学部のヌル・ラフマ学部長は「近代化は他国を模倣する競争ではなく、国家能力を高める戦略です。どの国も自らの歴史的伝統・社会制度・発展条件に応じて、近代化の道を自主的に選択することができる」と語りました。

対話会では、「グローバルサウスの運命は他人が決めるものではなく、私たち自身の手で形づくるものだ」という点が繰り返されました。タイのポーチン・ポンラジュン前国会議長は、「我々は新しい理念を提供し、新しいパートナーシップを構築し、新しい協力モデルを探求できます。それらは我々の共通の歴史、相互尊重の原則、そしてより公正な世界を築くというビジョンに根ざしています」と述べ、「地域組織のASEANが世界のサプライチェーンとデジタル相互接続のハブとなり、世界GDPの30%をカバーする自由貿易圏を形成しました」と、ASEAN統合を例に挙げました。さらに、「タイは発展の成果が世界に広がることを喜ばしく思います。メコン川からアフリカへ、中央アジアからアマゾンに至るまで、相互接続が広がっていくことを支持します」と語りました。

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(撮影・張馳/解放日報)

中国の貢献は「言葉」でなく「行動」にある

発展と振興こそが第一の課題であり、グローバルサウス共通の事業でもあります。

ケニア・ナイロビ大学アフリカ中国研究センターのムティンダ主任は、記者にケニアの交通状況を生き生きと語りました。首都ナイロビ市内では、中国企業が投資・運営する高速道路により空港と首都中心部が結ばれ、通勤時間が2時間から20分へと短縮されました。都市間では、中国企業が建設に携わったモンバサ-ナイロビ鉄道により輸送が迅速化されました。さらに地域全体では、モンバサ港を起点とする東アフリカ鉄道が「アフリカの大動脈」となりました。彼は「道路を敷設し、人や貨物の輸送と交流を保障することこそ、経済活性化と近代化の必要条件です。中国の貢献は言葉ではなく行動にあります」と強調しました。

AIが世界を変える現在、中国の貢献はインフラ整備にとどまりません。国連の前副事務総長兼環境計画署事務局長のエリック・ソルハイム氏は、中国の生成AIソフト「DeepSeek」を称賛し、「アジアのカンボジア、アフリカのカメルーン、ヨーロッパのノルウェーでも利用できる公共財であり、業務効率向上に役立ちます」と述べました。

さらに重要なのは、中国が独立自主の近代化の道を切り開き、グローバルサウスに新たな発展モデルを提示し、各国が自国の国情に合った発展を探るよう啓発した点です。ムティンダ氏は、「中国はグローバルサウス諸国に発展のプラットフォームと空間を提供しているが、より重要なのは各国自身の主体性だ」と指摘しました。そして、「どの国も歴史的伝統・発展条件・外部環境に応じて積極的に近代化モデルを選び、発展の道を見つけ、自国の繁栄と豊かさを実現すべきだ」と強調しました。

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(撮影・張馳/解放日報)

従来からの受援国モデルを超えて

中国の成功は、多くのグローバルサウス諸国に自主発展への自信を与えています。タイのポーチン・ポンラジュン前国会議長は、「新しい南南協力を構築するには、従来の『受援国モデル』を超えなければなりません」と述べ、「グリーン転換に特化したグローバルサウス開発銀行の設立や、大陸を跨ぐ政策革新のシンクタンク連盟の創設などを通じて、国と国のつながりを強め、相互に絡み合う歴史を再発見し、未来の青写真を共に描く必要がある」と呼びかけました。

ドイツ・デュイスブルク=エッセン大学政治学のトーマス・ハイベレ教授は、グローバルサウス諸国は独立自強を進める一方で、同時に、グローバルな南北協力を積極的に推進すべきだと指摘しました。彼は、グローバルノース諸国は関税や非関税障壁を減らし、南への公衆衛生や基礎施設への投資を強化すべきであり、さらにグローバルサウスを単なる原材料供給地としてではなく、加工製造拠点として育成することを推奨すべきであるとのことです。

また彼は、グローバルノース諸国がグローバルサウス諸国への技術移転と技術プラットフォームの開放をし、南北共同のイノベーション協力センターを設立すること、交流プログラムを展開し、グリーン転換技術をグローバルサウス諸国に提供するよう呼びかけました。

対話会では、より公平な国際秩序の構築が学者たちの間で繰り返し論じられました。アルゼンチン思想基金会のアジア問題専門家であるディエゴ・カリオロ氏は、現在の国際秩序について「守るべきものは守り、改革すべきものは改革しなければなりません」と述べました。つまり、守るべきは各国の主権平等、紛争の平和的解決、グローバルな多国間主義への支持であり、改革の方向性としては、国際機関が変化する世界により柔軟かつ迅速に適応し、国際システムの正統性の基礎を広げることであるとのことです。

出典:解放日報、上観新聞

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