青春が架ける交流の架け橋——輸入博ボランティアがつなぐ中国と世界
閉幕したばかりの第8回中国国際輸入博覧会(以下、輸入博)では、赤いスーツに身を包み、若さと活力にあふれる「小葉子(小さな葉)」と呼ばれるボランティアたちが、会場の美しい風景となっていました。
共青団上海市委員会のデータによると、今回の輸入博では合計3865名のボランティアが募集され、そのうち114名が長期管理ポストのボランティア、3668名が会期中のボランティアであり、会期中ボランティアのうち30名は外国人留学生でした。「小葉子」たちは、輸入博会場の内外さまざまな場所・職務で活躍しており、外国からの来場者が中国を感じ、理解するための重要な窓口となるとともに、異なる地域や人々をつなぐ交流の架け橋にもなっていました。
小さな気遣い、伝わる真心
上海海関学院大学3年生の孫芸洋さんは、浦東国際空港でのボランティア中に、荷物を紛失して困っていた南アフリカの出展者に出会いました。ボランティアの担当時間の終了間際だったにもかかわらず、彼女は自主的に出展者とともに空港カウンターや航空会社への連絡に根気よく付き合い、さらに上海の観光名所などを親切に案内しました。その心のこもった対応に感動した出展者は、後日手書きの感謝状を送りました。そこには、「上海国際サービスステーションの助けに心から感謝します。中国のサービスには温もりを感じました」と記されていました。
この出来事について問われた孫さんは、「私がしたのはほんの些細なことです。たまたまとても親切な出展者に出会っただけです。私たちが中国の若者としてここに立つとき、それが外国からの来場者にとっての最初の中国に対する印象になるのです」と謙虚に語りました。この責任感こそが彼女のさらなる原動力となり、世界の人々にありのままの立体的な中国を伝えたいという強い思いに繋がっています。
国家会議展示センターの南広場で記念撮影をする「小葉子」たち(写真提供・IC)
専門性と情熱で伝える「開放の誠意」
華東師範大学4年生の湯可蓓さんは2年目の「小葉子」です。今年は、前年の人文交流展示エリアから移動し、西広場のインフォメーションセンターへと担当が変わりました。この配置転換に彼女は責任の重さを感じたようで、「入口に立つということは、より高い専門性と情熱をもって、上海と中国の対外開放の誠意を伝えることが求められています」と語りました。
会期中、湯さんは事前予約をしておらず入場できなかった中東からの来場者グループを助けました。彼女は懸命にスタッフと連絡を取り、通訳としてサポートしながら、状況の打開に努めました。湯さんは「一つひとつの丁寧な説明や手助けが、中国の友好と包容力を伝えることにつながるのです」と語りました。
第8回輸入博にて、ベネズエラのバンドメンバーたちと記念撮影をする中国人ボランティア(写真提供・IC)
山と海を越えて、共に成長する
今回の輸入博の「小葉子」ボランティアチームには、海を越えて駆けつけた特別な存在も少なくありません。香港大学の学生、黄家慶さんは、香港から飛行機で駆け付け、多言語能力を生かして江西省や河南省の展示館で専門的なボランティアサービスを提供しました。彼女は「このような大規模な博覧会の運営に直接関われることや、ほかのボランティアたちと交流し、学び合うことは、かけがえのない人生経験です。香港の若者として、ここで学んだことを将来の仕事に生かし、香港と大陸部の交流を深めるために力を尽くしたいです」と語りました。
また、中国台湾出身で復旦大学に在籍している荘苡琭(チュアン・イールー)さんは、個別対応のボランティアとして、輸入博の運営調整や意義をより深く理解する機会を得ました。彼女は会場での体験をリアルタイムで台湾の家族や友人たちと共有し、「実際にここに来て、この目で見ることでしか、輸入博の壮大さと豊かさを本当に感じることができません」と感慨を語りました。
一人ひとりの「小葉子」たちは、一見すると小さく見えます。しかし、彼らが集まることで、輸入博に欠かせない「青春の力」となっています。輸入博をきっかけに、世界は中国の若者を見ることができ、そして、中国の若者たちもまた、より広い世界を目にしています。
出典:WeChatアカウント「上海外事」