世界中国学大会閉幕、初の研究推薦書目を発表

japanese.shanghai.gov.cn| 2025-10-17

10月15日午前、黄浦江のほとりで、第2回世界中国学大会が円満のうちに幕を閉じました。2日間にわたる今大会では、さまざまな言語が中国語というひとつの言語に溶け合い、世界50余りの国から集まった約500名の著名な専門家・学者が「世界的視野における歴史的中国と現代中国」をテーマに、充実した熱のこもった議論を繰り広げ、中国学とは何かについての見解を共有しました。

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10月14日から15日まで、第2回世界中国学大会が上海で開催。(撮影・陳彦鍇/文匯報)

今大会では初めて『文明の相互参照と世界中国学の繁栄発展に関する上海イニシアティブ』が発表されました。このイニシアティブは「文明の相互の学び合い」を核心理念とし、世界の学者に対し、対話と協力を強化し、各国が共通の課題に取り組み、より良い未来を創造するために知恵を結集することを呼びかけています。また、『中国学』の創刊号も発表され、中国学が自らの学術プラットフォームと思想空間を持つことが示され、国内外の学術交流の新たな架け橋が築かれました。さらに『世界中国学の現代的発展と未来展望に関する研究レポート』も公表され、学問分野の体系的整理を通じて、中国学がローカルからグローバルへと発展していく自信と使命感を示しました。

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会場の様子(撮影・周俊超/文匯報)

同時に、世界中国学研究の推薦書目が初めて発表されました。これは国内外の中国学研究を代表する54の著作から構成されています。これらの作品は、過去20年間に出版されたものの中から選ばれたもので、アメリカ、フランス、ドイツ、日本、イギリス、カナダ、オーストラリア、ロシア、ベルギー、オランダ、イラン、トルコ、韓国、南アフリカ、ブラジル、アルゼンチンなど、16ヶ国40名の著者によるもので、分野は歴史・文化・考古・政治・経済・社会・言語・文学・芸術・哲学・宗教など、多岐にわたります。

例えば、1983年生まれの日本の漢学者・佐藤若菜氏の著作『衣装と生きる女性たち――ミャオ族の物質文化と母娘関係』は、中国南部から東南アジア大陸にかけて連なる山岳地帯に焦点を当て、ミャオ族社会における人間関係と歴史的記憶を描き出しています。この著作は、中国の美しい民族衣装に秘められた深層文化の暗号を読み解くものです。

この「世界中国学研究推薦書目」は、世界中の学者が中国学研究のための高品質な知的リソースを提供するものとなるのです。

2日間にわたる大会では、5つのサブフォーラムで討論が行われ、国籍や言語、時代を超えた対話が行われ、世界の中国学研究の旺盛な活力と明るい展望が示されました。参加した学者はみな、中国学は単に中国を研究する学問ではなく、「文明の相互の学び合い」を基盤とする「世界の学問」であると認識しました。中国を理解するには、人類文明の発展という大きな文脈の中で位置づけ、その歴史的連続性・文化的包容性・思想的創造性を把握することが大切です。現代の中国学は、中国式現代化を現実的な文脈とし、中国の経験から世界的な意義を持つ知恵を抽出し、人類文明の発展に貢献すべきなのです。

出典:上観新聞、文匯報

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