<上海国際映画祭>安田現象:『崩壊3rd』から『メイクアガール』へ
先日閉幕した上海国際映画祭では、世界各国の映画関係者が上海に集結し、光と影が交錯する街で上海と出会い、上海を読み解きました。

上海国際映画祭期間中、関連イベントに参加している安田現象(左から2人目)(写真提供・文匯報)
上海は中国アニメの発祥地として、世界中のアニメ制作者を惹きつけています。今回の映画祭金爵賞アニメーション部門にノミネートされた『メイクアガール』の安田現象監督がこの都市を訪れ、上海の街を歩くと、都市の光景に深く魅了されました。安田監督は、「お気に入りの建物を望めました。『新世界』でした。新しくて高さの高い建物ではなく、そこそこ年代が経っているのに高さの高い建物がたくさん連なっていて、しかもその一軒一軒がまったく違う形をしていて、歩いているだけで、おもしろい街並みが目の前に広がっています。この景色を毎日当たり前のように見て過ごしている上海の人たちが、本当に羨ましくてズルいなあと思っていました」と語りました。

『メイクアガール』上映後の舞台挨拶の様子(写真提供・文匯報)
上海国際映画祭期間中、日本の安田現象監督が天山映画館(虹橋芸術センター旗艦店)で『メイクアガール』の舞台挨拶に登壇しました。この90分の長編アニメ映画は、天才科学少年・水溜明と彼が作り出した人造人間のカノジョ「0号」の関係を描く物語です。制作チームはわずか7人にもかかわらず、安田監督は非常に高い完成度の作品を創り上げました。『崩壊3rd』の短編アニメ制作に携わった経験から、彼は試行錯誤の重要性を理解しました。幾度もの挑戦を重ね、卓越したトゥーンレンダリング技術によって、日本アニメ業界で長年続いてきた伝統的な制作手法の壁を打ち破り、この映画を観客のもとに届けることができました。

観客にサインをしている安田現象(写真提供・文匯報)
舞台挨拶の翌日、安田監督は映画に登場するロボット「ソルト」のぬいぐるみを抱え、上海書城に姿を現しました。「正しくSNS視聴者に、わかりやすいという形で、楽しみやすい構成や素材のアニメを提供できたことが、たくさん見ていただけた理由じゃないかなと思います」と、少し照れくさそうに、ここにいるファンたちに自分の制作経験を語りました。海外のSNSで650万人のフォロワーを抱えるブロガーとして、彼はいつも謙虚な姿勢で作品を愛してくれる一人ひとりのファンに向き合っています。サイン会では、彼は一人ひとりの観客と誠実に握手し、簡単な会話を交わしました。
安田監督は、「初めて監督を務めた映画作品が、このように上海の方にもお届けすることができて、とても嬉しく思っております。夢のさらにまた夢みたいなところです」と語りました。
出典:上海市人民政府新聞弁公室、上海国際映画・テレビ祭センター、文匯報社