上海の年越しの風習:お餅を食べる

japanese.shanghai.gov.cn| 2025-02-04

中国の伝統的な祝祭には豊かな食文化があります。祭りに伴って徐々に風習として形成されてきた食べ物は、深い民俗的な感情を有しています。ドキュメンタリー番組『舌の上の中国』にあるように、「中国人の食べ物への感情の多くは、郷愁、ノスタルジー、子供の頃への追憶」なのです。

上海の人々は新年に様々な種類のお餅を好んで食べます。中国語でお餅を意味する「糕」は「高」と同じ音であることから、一歩一歩上昇し、年々の豊かになるという意味を表し、生活が日に日に良くなっていくようにという、新年への願いが込められているのです。

多くの上海人にとって、幼い頃から食べ慣れたお餅は、単に美味しいというだけでなく、故郷への深い感情も詰まっています。上海のお餅・お菓子といえば、「沈大成」の名が人々の心に思い浮かびます。沈大成はお餅作りの技から始まり、その青団、条頭糕、粽子、月餅など様々な種類のお餅・お菓子は上海で有名で、上海の名物となっています。沈大成は光緒元年(1875年)に創業し、150年の歴史があります。お餅・お菓子の種類が豊富で、味も優れて、お菓子やお餅の「集大者」とは言えるため、「沈大成」と名付けられました。

条頭糕(写真・上海沈大成)

中華人民共和国成立後、沈大成は伝統的なお餅・お菓子作りの技術を継承しながらも、絶えず革新を続け、製品の種類もより豊富になり、上海の食文化を代表するようになり、上海の文化の歴史と発展を担い、同時にお餅・お菓子作りの技術の伝承・保護・普及という重要な使命を担っています。市民や観光客に100年の上海の独自の風味を味わわせ、上海の食文化の長い歴史と限りない魅力を感じさせます。2024年、「沈大成のお餅・お菓子製造技術」は、上海市無形文化遺産代表プロジェクトの第7陣のリストに登録されました。

沈大成は常に純粋な手作りを堅持しており、「現場で包み、現場で作り、現場で売る」という伝統的な工芸を守りつつ、無形文化遺産の技術と現代の味を巧みに融合させています。もちもちとした甘いお餅・お菓子は、材料の選定・配合、こねて混ぜ、成形など、多くの工程を経る必要があり、それぞれの段階に匠の技術と伝承が凝縮されています。

現在、沈大成のお餅・お菓子作りの技術は5代にわたって継承されています。伝承者の沈国興と沈暁龍は、多くのお餅・お菓子職人とともに、毎日南京路の本店でお餅・お菓子作りの製造工程を実演し、消費者に沈大成の製菓技術の無形文化遺産の独特な魅力を身近に感じ、味わい、理解してもらっています。

春節期間中に、家族や友人と一緒に、民俗的な感情が深く込められたお餅を楽しみ、「蛇(中国語で「舌」と同音)」の上で新年を感じ、新しい年にすべての願いが叶い、どんどん良くなることを祈りましょう。

出典:WeChat公式アカウント「楽游上海」