改善が続く上海のエコ環境
上海市生態環境局が6月5日に発表した「2023年上海市生態環境状況公報」(以下、「公報」)によると、PM2.5や吸入される粒子状物質(PM10)、二酸化硫黄、二酸化窒素、一酸化炭素などの主要な大気汚染物質の年平均濃度は、過去5年間、全体的に減少傾向あるいは比較的低い水準を示しています。2023年、上海市の環境空気質指数(AQI)で良好とされた日数は320日で、2022年より2日増加し、AQIの良好率は87.7%で、前年より0.6%増加しました。
「公報」のデータによると、上海のAQIの良好な日数の持続的な増加を妨げる主な原因となっているのは、ますます深刻化しているオゾン汚染です。2017年以降、オゾンはPM2.5に代わって、上海の大気汚染対策の分野において最大の汚染物質となっています。上海市生態環境局は、オゾン濃度の上昇の主要な原因として、地域的な拡散、複雑な形成メカニズム、上昇しやすい気象条件の3つを分析しました。オゾン汚染と闘うため、上海市は引き続き効果的な措置を講じる予定です。
上海の地表水環境の質も改善を続けています。2023年には、上海の主要な河川や湖沼のセクションに関して、Ⅱ類からⅢ類の水質セクションは、2022年の95.6%から97.8%に上昇し、Ⅳ類のセクションの割合は、2022年の4.4%から2.2%に減少しました。そして、Ⅴ類セクションは2022年に引き続いてありませんでした。上海の水環境におけるすべての主要な汚染物質の濃度は次第に低くなっています。2023年、アンモニア窒素の平均濃度、全リンの平均濃度、過マンガン酸指数の平均値は、2022年に比べて低下しています。また、地下水の環境の質も改善を示しています。
上海は、グリーン・低炭素の発展でも目覚ましい成果を上げています。2023年末までに、上海の地方炭素取引市場管理下の企業は、10年連続で年間炭素排出枠の清算を完了し、10年連続で100%の履行を達成しました。上海の全国炭素取引市場の炭素排出枠の累計取引高は約4.42億トン、累計取引高は約249.19億元に達しました。
エコ環境の持続的な改善は、強力な監督と法執行なしには達成できません。2023年、上海市のエコ環境の行政システムは計1281件の違法行為を取り締まり、罰金総額は1億700万元に達しました。昨年、長江デルタ地域はエコ環境行政処罰の基準を統一し、エコ環境データの共有に関する協定を締結し、3省1市(江蘇省、浙江省、安徽省、上海市)は小型車と大型車を対象に「国家6b」排出基準を同時に実施しました。
情報源:解放日報、上海市人民政府