話題の舞台『千と千尋の神隠し』上海公演が終了、新記録を樹立

日本語オリジナル版舞台『千と千尋の神隠し』の舞台写真(写真提供・上観新聞)
8月17日、日本語オリジナルの舞台『千と千尋の神隠し』が上海文化広場で最終公演を迎え、満場の観客から熱烈な拍手が送られました。7月14日に『千と千尋の神隠し』の上海公演が開始して以来、驚異的な人気と芸術的魅力で、中国の興行市場において新記録を樹立し、今年の夏の上海を代表する盛大な文化イベントとなりました。
主催者側のデータによると、『千と千尋の神隠し』は42回の公演で計6万7000枚以上のチケットを販売し、海外からの観客は約2000人に上り、興行収入は5000万元に達したなど、中国で上演される日本語オリジナル舞台としては最大規模の記録を樹立しました。チケット発売時の「即完売」の盛況ぶり、山東省・江蘇省・成都市などからわざわざ上海まで足を運んだ観客の熱意、そして公演期間中の高い入場率のいずれも、この不朽の名作が時代と国境を超えた強い魅力と、上海が国際的な文化のハブとして中国観客に与えた強い影響力を示しています。

舞台『千と千尋の神隠し』の上海公演(撮影・董天曄/解放日報)
宮崎駿監督の代表作である『千と千尋の神隠し』は、アニメーション映画の最高傑作と称され、幾世代にもわたる共通の記憶となっています。今年2月、上海公演の決定が発表されると、すぐに大きな注目を集めました。中国本土での唯一の公演として話題になり、計4回にわたるチケット発売はいずれも大盛況でした。東宝株式会社の宇田典弘上席執行役員は上海滞在中に深い感銘を受け、「上海がプロジェクト開始してから、いち早く協力の意向を示した都市の一つであり、今回の大成功は双方の長年にわたる努力の結果だ」と語りました。中国側エグゼクティブ・プロデューサーの周黎静氏は、「これほど大規模な舞台作品を実現するために、上海の演劇界全体の力を結集し、数百人の協力で成し遂げた」と強調し、中国の演劇市場の成長を実感しました。上海文化広場劇場管理有限公司の費元洪総経理は、この作品を「アジア演劇の誇り」と称賛し、「国内外のプロジェクト資源の統合が活発化する中、この公演を通じて、上海はアジア太平洋地域の演劇市場での地位をさらに強化し、重要な『中心地』としての役割を果たした」と評価しました。

舞台『千と千尋の神隠し』公演前、大混雑になっていた上海文化広場のロビー(写真提供・上海文化広場)
観客と観光客を受け入れるため、上海文化広場は会場内にインタラクティブなフォトスポットを特別に設置したほか、劇場ロビーにスタジオジブリの公式グッズショップを出店し、公演を鑑賞しながら観客に没入型のレジャー体験を提供していました。公演期間中、文化広場と衡山路の華邑ホテル(HUALUXE)が共同で企画した「一日千尋」公演チケットとホテル宿泊券がセットになった文化旅行パッケージも人気を集め、発売開始後すぐ完売しました。

舞台『千と千尋の神隠し』の上海公演(撮影・董天曄/解放日報)
上海で1カ月にわたる公演期間中、『千と千尋の神隠し』のキャストも上海のさまざまな魅力を体験しました。千尋役の橋本環奈さんは南翔饅頭店で小籠包を味わい、ハク役の醍醐虎汰朗さんは上海到着早々に中国の白酒を試し、上海ディズニーランドや外灘などの観光地も訪れました。
上海滞在中、二人の主役は小紅書のアカウントを開設し、中国の観客と舞台裏のこぼれ話や、上海での「食べ歩きの旅」を共有しました。また、『千と千尋の神隠し』のキャストは一緒に黄浦江を巡り、黄浦江沿いの美しい夜景を満喫しました。観客も公演の後、キャストの足跡をたどって周辺の飲食店やショッピングスポットを訪れ、美食と風景を楽しみました。
『千と千尋の神隠し』は8月17日に最終公演を迎えました。上海文化広場では今後も数多くの話題作が上演される予定です。8月27日からは、マシュー・ボーンの『白鳥の湖』が6年ぶりに上海で上演されます。その後、ドイツ・オーストリアのミュージカル巨匠シルヴェスター・リーヴァイ率いるドイツ語ミュージカルスターコンサート、そして中国初上陸となるフランス語ミュージカル界の話題新作『モリエール』も上演されます。
上海文化広場もオンラインで2025年「楽賞上海」文化消費券キャンペーンに参加し、『白鳥の湖』『シルヴェスター・リーヴァイと友達たち:ドイツ語ミュージカルスターコンサート』『モリエール』『チャーリーとチョコレート工場』『モーツァルト!』『ロミオとジュリエット』の5つの作品を対象としています。「楽賞上海」文化消費券は提供開始から、わずか2日間で937人の観客がオンラインで利用し、1300枚以上の公演チケットが購入され、興行収入は81万元を超えました。
出典:上観新聞、解放日報