「提視造境 Promptoscape:国際人工知能芸術文献展」が上海で開幕
このたび、世界10ヶ国・地域の20を超えるAIアーティストおよびアートグループによる31点(組)の作品を一堂に集めた大型展覧会「提視造境 Promptoscape:国際人工知能芸術文献展」が、上海民生現代美術館で開幕しました。
本展は、人間の創造力・想像力と機械との協働・共生・せめぎ合いをテーマにした創作実践の展示の場であり、同時に一般市民と未来をつなぐ芸術的生成の実験でもあります。展覧会の開幕は世界人工知能大会(WAIC)の開催と重なり、「提視造境」はWAICの公式特別推薦アート展として、WAICの世界各国からのゲストに向けた文化ツアーの重要な訪問先ともなっています。
展覧会名の「Promptoscape(プロンプトスケープ)」は、「prompt(プロンプト)」と「-scape(場域・景観)」を組み合わせた造語であり、AIにおける言語によって活性化される多次元的な生成空間を意味しています。本展が問いかけているのは、AIGC(AI生成コンテンツ)という生成メカニズムの表層的な結果ではなく、AIがいかに創造性を生み出し、意味や形式の生成・構築に関わっているのかということです。

展覧会の現場(写真・上観新聞)
展覧会は「人工の感情」「記憶のコピー」「幻覚のマシン」「実験的な創発」「言葉の風景」の5つのセクションから構成されており、それぞれAIによる感情の模倣、歴史的記憶、認知手法、生成プロセス、言語構造といった領域における芸術的探究とコンセプト実践に対応しています。
うち、「人工の感情」セクションには、7名の異なる文化背景を持つ有名なアーティストたちが集まっています。例えば、カナダの人機協働アーティストであるSougwen Chung(鐘愫君)、国際的に著名なAIアート団体のUniversal Everything、日本の新メディアアーティストのTAKAYUKI TŌDŌ(藤堂高行)などです。彼らは生成映像、リアルタイムインタラクション、パフォーマンスアート、マシンパフォーマンスなど、マルチメディア作品の創作を通じて次のような問題提起をしています。それは、AIの進化は「シミュレーションやヒューマノイド」を目指すべきなのかということや、「ポストヒューマン」の文脈において、私たちは「生命」「感情」「意識」の定義をどう再考・拡張すべきなのかといった課題です。

展覧会の現場(写真・上観新聞)

展覧会の現場(写真・上観新聞)
本展では「リアルタイムインタラクション」「行為パフォーマンス」「マシンパフォーマンス」「観念アート」「具身知能」「ダイナミックインスタレーション」「未来撮影」「観念的水墨画」「哲学ラップ」「AI交響曲」「漢字アート」「映像インスタレーション」など、多様なメディアにまたがる作品が展示されています。これらの作品は、複数の交差するテーマをめぐって深く掘り下げられており、それらのテーマは、AIが意味を共有する共生的存在として機能する可能性を開くものです。また、人と機械が共演・協働し、せめぎ合う実践の現場を構築するのと同時に、一般市民と未来に向けた生成的な文化の実験の場を作り上げています。
この展覧会は11月30日まで開催される予定です。
出典:上観新聞、文匯報