「上海口岸2026年越境貿易円滑化促進特別行動に関する若干の措置」が 発表

japanese.shanghai.gov.cn

上海市商務委員会など7つの部門・機関はこのほど、「上海口岸2026年越境貿易円滑化促進特別行動に関する若干の措置」を共同で発表しました。

同措置では、通関・監督管理モデルの革新深化、新たな対外貿易形態に対する監督管理・サービスの最適化、越境物流・輸送の効率化、デジタル・スマート港湾の整備と相互接続の推進、企業向け総合支援サービスの強化という5つの重点分野について、計23項目の具体的措置を打ち出しました。

一、通関・監督管理モデルの革新深化

1. 貿易コンプライアンスと知的財産権保護の支援体制の整備

上海国際経済貿易コンプライアンス法律サービスプラットフォームなどを活用し、米国や欧州などの主要経済国における経済・貿易政策や法執行の動向について、モニタリング・早期警戒を強化します。

貿易分野における知的財産権保護を一層強化するとともに、技術鑑定や技術コンサルティング、技術調査官制度などの技術調査方法の規範化を図ります。

2.差別化された消費財検査・監督の実施

「首発(初発表・初公開)」輸入消費財を対象とした検査手続き簡素化の試行を最適化し、対象企業の範囲を拡大することで、「首発」輸入消費財の市場投入を後押しします。

生鮮水産物など賞味・消費期限が短い製品を対象に、「ホワイトリスト+サンプリング検査後の通関」という改革の試行を実施します。要件を満たす生鮮水産物の輸入業者をホワイトリストに登録し、「ホワイトリスト」に掲載された企業が輸入する生鮮水産物については、サンプル採取・検査後、優先して通関させます。

輸入化粧品の電子ラベル導入の試行を検討し、監督管理の効率化を図ります。

3.医薬品の輸入書類と通関手続きの最適化

中国(上海)国際貿易「シングルウィンドウ(単一窓口)」、「医薬品・医薬品原料輸入届出管理情報システム」を活用し、「輸入医薬品通関証」のセルフプリントを実現します。

4. 貿易監督・管理能力の強化

「上海税関実験室(上海税関技術センター)」の強みを生かし、危険物の包装や食品・化粧品などの検査・鑑定能力を向上させます。

中国(上海)国際貿易「シングルウィンドウ」を通じて、危険物貨物の検証情報や警戒情報を港湾側に提供し、港湾における安全管理水準の向上を図ります。

二、新たな対外貿易形態に対する監督管理・サービスの最適化

5.越境EC輸出における海上混載輸送モデルの普及

越境EC海上輸出業務「9610」「9710」「9810」リスト申告モデルと各種通関申告モデルの同時処理を推進し、越境EC貨物と一般輸出貨物の柔軟な混載輸送を支援します。

6.越境ECにおける納税手続きの利便性向上

越境EC輸出向け海外倉庫に適用される「出国時即還付、販売後精算」制度を着実に実施します。企業が海上輸出業務「9810」方式による「輸出時仮税還付」の精算手続きを行う際、実際の貨物の販売状況に基づき、精算手続きを円滑に行うよう支援します。

7.越境EC向けデジタル・スマート監督管理サービス体制の構築

越境ECデジタル監督管理システムを整備し、企業が同システムを活用して税関のデータと連携するよう推奨します。

インテリジェント照合・比較モデルを構築し、コンプライアンスを遵守する試行対象企業に各種優遇措置を提供します。

8. 小口配送パックの輸出能力の向上

浦東国際空港における航空速達便・越境EC貨物処理センターの整備を基盤に、郵便・宅配業者が航空速達便貨物処理施設の配置・整備を行うよう支援します。

9.国際展示会向けサービス水準の向上

「一網通弁」上海市展示会業公共情報サービスプラットフォームを活用し、展示会の届出や安全許可などの手続きをオンラインでの一括処理を推進するとともに、届出情報の部門間共有体制を最適化します。

国際展示会における「一時輸出入貨物」に対し、「一括届出・分割申告」という特色のある通関サービスを普及させます。

化粧品や食品などの展示品について、試用・試食を許可するとともに、展示終了後に展示品を税関特殊監督管理区域 や保税監督・管理施設へ移管するよう支援します。

三、越境物流・輸送の効率化

10.複合一貫輸送の効率的な運用の促進

関係部門間における「一単制(一貫書類・一貫手配)」と「一箱制(一つのコンテナで一貫輸送可能)」による監督・管理の連携を強化し、各輸送手段間の情報連携や書類規制の整合を推進するとともに、貨物の積載や保安検査基準など、輸送手段をまたぐ連携を強化します。

複合一貫輸送における税関監督・管理の効率化を図り、一つの輸送書類による一貫した税関監督の実現を目指します。

11.空港貨物ターミナル業務の連携拡大

上海浦東国際空港・虹橋国際空港における貨物ターミナル間の業務連携を拡大させます。「航空前置貨物ターミナル(空港貨物ターミナルの主要機能を都市の中心部、産業パーク、総合保税区などへ移転する)」モデルの活用を推進し続け、浦東国際空港貨物ターミナルによる長江デルタ地域の物流ネットワークへのけん引効果を一層高めます。

12.航空旅客向けの出入国手続きの円滑化

航空会社が旅客便の路線ネットワークを最適化し、スルーチェックイン対応可能な国際線を拡充するよう支援します。

関係部門間のデータ共有を強化し、国際線乗り継ぎ旅客の身元情報や手荷物データなどの相互連携・共有の実現を推進します。

13.海上越境輸送サービスの最適化

国際トランジット混載事業務の展開を支援し、海外貨物と国内貨物を税関特殊監督管理区域 で仕分け・再混載し、再輸出することを承認します。

海事機関による監督・管理結果の地域間相互承認を推進し、リチウム電池などを含む輸出危険物に対する「一度の検査で複数地域でその結果を相互承認する」という施策の試行範囲を拡大します。

海事行政サービスプラットフォーム「海事一網通弁」を活用し、船舶の出港手続きをワンストップ化することで、国際航行船舶出港の利便性を向上させます。

14.物流関連書類のデジタル化の推進

上海国際航運・貿易デジタルプラットフォームなどを活用し、要件を満たす「港航企業(港湾の運営・建設と海上・航空輸送に従事する総合的な運輸・インフラ企業)」や貿易業者による電子船荷証券(eB/L) 、電子倉荷証券 など譲渡可能な電子記録の活用を推進します。

越境貿易契約や物流関連書類などにおける電子署名の利用拡大を図るとともに、輸入パルプや輸入完成車(RORO船輸送)などの分野において電子配送指示書(EDO) の導入を推進します。

四、デジタル・スマート港湾の整備と相互接続の推進

15. 口岸におけるインテリジェント化の推進

各口岸(通関地)における「人工知能+」の活用を一層推進し、インテリジェント積み卸し、インテリジェント検査、インテリジェント配送、インテリジェント実験室など、新たな応用シーンでの活用を促進します。

無人搬送車(AGV)や無人コンテナトラックなどのインテリジェント輸送設備の導入を拡大するとともに、インテリジェント・ターミナル・オペレーション・システム(ITOS)の最適化・向上に注力し、5G、人工知能、デジタルツインなどの技術をあらゆるシーンで融合・活用するよう推進します。

浦東国際空港のインテリジェント貨物ターミナルと輸出入貨物検査センターなどの稼働に向けて整備を進めます。また、「空運通」プラットフォームの機能を拡充し、駐機場からの直接引き取りサービスのオンライン手続き機能を追加します。

16. グリーン・低炭素型口岸の構築

各口岸(通関地)における省エネ・排出削減、低炭素技術などの活用を拡大し、洋山港と外高橋港における「グリーン口岸」の構築を推進します。上海港における岸電(陸上電力供給)設備の全域整備を推進し、船舶が寄港後に法令に基づき陸上電力を使用するよう促進します。

新エネルギー船舶向けインフラの整備を進めるとともに、港湾区域と短距離輸送における新エネルギー大型トラックなどの環境配慮型輸送機器の普及・活用を支援します。

国際航海船舶に向けて保税メタノール、液化天然ガス(LNG)、バイオ燃料などのグリーン燃料の供給業務を展開し続けます。また、浦東国際空港における持続可能な航空燃料(SAF)の貯蔵・輸送施設を整備し、SAFの常時供給体制の構築を加速させます。

17. 上海国際貿易「シングルウィンドウ」の高度化

大規模言語モデルを活用した通関サービス向けAIエージェントを構築し、輸出入申告書類に対するインテリジェント確認機能などの整備を推進します。

港湾・航運プラットフォームと上海国際貿易「シングルウィンドウ」とのデータ連携範囲を拡大し、関係者の承認を得た上で、物流に関する重要情報の共有を実現します。また、空運物流公共情報プラットフォームを活用し、一般輸入貨物の検査予約機能を開発・導入します。

電子書類保管機能を拡充し、船舶用物資(自主調達品)の輸出税還付などに関する書類・情報の保管・流通を推進します。

輸出信用保険サービス特別エリアの整備を推進し、「信保貸(信用保険担保融資)」サービスの商品ラインナップを拡充するとともに、オンライン保険加入・保険金請求などのサービス機能の最適化・向上を図ります。「滬貿批次貸(一定の条件を満たす企業群に対して一括で融資を行う融資制度)」の「事前与信(企業からの申請を待たず、金融機関が事前に信用枠を設定する仕組み)モデル」を深化させます、年内に対象企業1500社突破を目指します。

五、企業向け総合支援サービスの強化

18.「認定事業者(AEO)」企業への支援強化

AEO企業を「滬貿批次貸」の「事前与信」における優先支援対象に位置付けます。銀行によるAEO企業への初回融資、信用融資、融資更新の支援を強化するとともに、関連する支援施策を適用します。

企業が中国(上海)国際貿易「シングルウィンドウ」を通して、AEO認証をオンラインで申請できるよう支援します。

19. 対外貿易企業のグリーン・低炭素化対応能力の向上

上海市における重点輸出製品のカーボンフットプリントデータの算定と認証制度の整備を着実に推進し、関連産業チェーンとサプライチェーンに関わるデータについて、分類別・等級別管理を実施します。

グリーン・低炭素企業を上海市AEO企業優先育成・推薦制度の対象とし、要件を満たす企業について優先的に育成・認証を行います。

中国(上海)国際貿易「シングルウィンドウ」に「EU炭素国境調整メカニズム(CBAM) 」相談窓口を設置し、政策説明、コンプライアンス指導、算定・認証などのサービスを提供します。

20. サービス貿易企業とデータに関する差別化管理の推進

信用状態が良好なサービス貿易企業に対し、越境資金決済などにおける規制上の便宜や優遇措置の提供を検討します。

上海市の全域において「データ越境移転ネガティブリスト」管理を実施し、効率的、安全で利便性の高いデータ越境移転メカニズムを構築します。

21. 越境貿易における人民元決済の利便性向上

銀行などの金融機関における「貿易背景審査(貿易の真実性や合法性、適正性に関する審査)」の手続きを簡素化します。企業の入出金請求書に基づき、越境貿易における人民元決済を直接に行い、送金期間を短縮します。

越境決済・清算などの応用シーンにおける「デジタル人民元」の革新的な活用の拡大を支援します。

22. 口岸における情報公開の強化

港湾、空港などの口岸運営機関のウェブサイトにおいて、検査エリア、倉庫施設、スマートゲート、トラックオンライン予約システムなどのハードウェア・ソフトウェア設備の整備状況を公表します。

港湾と船舶会社との間で作業計画をリアルタイムに共有する仕組みを構築します。埠頭はバースの利用状況や荷役作業の進捗などの情報を事前に公表します。

23. 口岸における料金徴収の適正化

コンテナヤードなどの重点分野を対象に、価格に関する特別監督検査を実施し、違法・不正な料金徴収行為を法令に基づき厳正に取り締まります。

苦情・通報受付体制を整備するとともに、速やかに特別調査や是正措置を実施し、市場秩序を確実に維持します。

※ 上記日本語翻訳は参考用です。中国語版が正式なものであり、両言語版の間に相違がある場合、中国語版が優先されます。

出典:上海市人民政府網、上海市商務委員会