上海市グリーン低炭素モデル転換を加速するための行動方案

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カーボンピークアウトとカーボンニュートラルに向けた国と上海市の要求を徹底的に実行し、主要な応用シナリオをけん引として、技術的ブレークスルーを核として、メカニズムの革新を保障として、重点グリーン低炭素産業の育成を加速し、上海市のグリーン低炭素モデル転換を促進し、新たな質の生産力を形成させ、持続可能で質の高い経済社会の発展を促進するために、本行動方案を策定しました。

1 重点分野のグリーン低炭素モデル転換

)エネルギー分野

「太陽光発電+」プロジェクトを本格的に実施し、同市の太陽光発電容量は2027年までに450万キロワットに達する予定です。杭州湾などの地域における洋上風力発電プロジェクトの建設と送電網接続を加速し、第1陣の深海風力発電の開発と建設を促進します。漕涇と外高橋の容量拡張および代替プロジェクトの建設を促進し、炭素回収インターフェースと場所を予め確保します。石炭火力発電プロジェクトの省エネ・低炭素化改革、フレキシビリティ改革、暖房改革の「3つの改革連携」を推進し、フレキシビリティ改革とアップグレード代替ユニットのピークシェービング能力は70%以上に達します。市外からのクリーン電力の導入を増やし、市外のクリーン電力基地の建設を加速し、外部送電チャネルを構築します。新しいエネルギー貯蔵、需要側応答、V2G 技術開発を加速し、バーチャル発電所の構築と地域の発電・電力網・負荷・貯蔵一体化モデルの建設を展開し、 2025 年までに、需要側のピーク負荷応答能力は5%以上に達します。

(2)工業分野

宝武グループの上海拠点の主要プロセスのエネルギー効率をモデルベンチマークレベルに達するよう促進し、廃熱の利用を実行し、生産プロセスと主要なエネルギー消費設備の省エネと炭素削減のアップグレードを促進し、毎年1%のエネルギー節約を実現します。鉄鋼生産プロセスの長工程から短工程への転換を推進し、鉄スクラップ資源の利用率を高めます。2025年までに鋼スクラップの使用比率は15%以上に達し、炭素排出量を30%削減できる技術力を備え、鉄鋼1トン当たりの炭素排出原単位は2020年比で約5%削減されます。高エネルギー効率変圧器用方向性けい素鋼などの高性能鋼材の開発・生産を強化し、ハイレベルなグリーン低炭素製品の大量供給を実現します。高橋や呉涇などの主要地域の全体的なモデル転換を引き続き推進します。基礎化学品の短プロセス生産などの技術変革を実施し、システムの省エネとエネルギー統合を推進し、毎年1%の省エネを達成し、原油処理やエチレンなどの主要製品のエネルギ消費を業界先端レベルに達するように促進します。エネルギーの段階的利用やマテリアルのリサイクルを推進し、製油所における乾性ガスや液化ガスなどの副生ガスの効率的な利用を強化します。上海化学工業区に、カーボンニュートラルの主要新素材などの産業に焦点を当てた「園区内の園区」を建設します。エネルギー効率の診断とエネルギー監査を実施し、主要なエネルギー消費機器の更新とアップグレードを促進し、複数の省エネ・炭素削減技術変革プロジェクトの実施を促進し、グリーン製造モデルを引き続き推進します。

)交通分野

バス路線網の機能構造を最適化し、鉄道交通網とバス網の統合を強化します。都市再生と「15分間生活圏」建設を踏まえ、便利で快適な道路徐行体制を構築し、歩道施設の質を向上させ、歩行環境の最適化を図ります。2027年までに、都市中心部におけるグリーン交通の割合は75%以上に達します。都市の公共交通で使用される車両の完全電動化を加速し、2025年までにバスとタクシーを基本的に電動化します。党機関や政府機関、国営企業や機関、衛生施設、郵便事業などの公共分野での新規または更新された車両は、原則として新エネルギー車両を使用します。都市部の貨物トラック、レンタカー、市内チャーター車両の新規車両または更新車両を新エネルギー車にすることが奨励されます。乗用車の電動化の発展を促進し、2027年までに個人が新たに購入する自動車における純電気自動車が占める割合が50%を上回るよう取り組みます。新エネルギー中・大型トラックの計画的な推進を図るとともに、燃料電池大型トラック等の導入を積極的に推進します。川海および内陸河川のコンテナ直接輸送を促進し、港湾ベースの複合一貫輸送センターを構築し、2027 年までに海運と鉄道の複合一貫輸送の集配量は約100万TEUに達し、コンテナの水上積み替え率は52%以上まで達するよう努めます。老朽化した航空機や船舶を廃止し、機体や船体の外観、動力システムなどの省エネ炭素削減技術を改善し、航空機、船舶などの交通機関のエネルギー効率の向上を継続します。内陸河川船舶の電気化を促進し、新しいフェリー、黄浦江クルーズ船など内陸河川船舶の電気船の使用を奨励します。航空および海運におけるグリーン代替燃料の使用を促進します。2027年までに、外航船舶によるグリーンメタノール消費量は10万トン以上に達し、航空会社による持続可能な航空燃料消費量は1万トン以上に達することを図ります。グリーン空港及びグリーン港の建設を推進し、原則として、新規および更新された稼働機械、現場設備、車両にはクリーンエネルギーまたは新エネルギーを使用します。2027年までに、国家2級排出基準(国II)およびそれ以下の非道路用移動機械を基本的に廃止します。

(4)建築分野

5つの新城」建設や都市再生と合わせて、超低エネルギー消費ビル、再生可能エネルギービル一体化、エネルギー貯蔵、ビルの高効率電気化更新などの主要な技術革新と大規模応用を実行します。既存建物の省エネ改修を強化し、「第14次5カ年計画」期間中に3000万平方メートルの既存建物の省エネ改修を確実に完了するうえで、2027年までにさらに2000万平方メートルの省エネ改修を完了させます。新しい大規模公共建築物は、グリーン建築物の三つ星基準に従って建設されます。超低エネルギー消費ビルを推進し、2027年までに、計2000万平方メートルの超低エネルギー消費ビルを建設します。建物の「太陽光発電+」の導入を推進し、2027年までに公共機関や工場の屋根の太陽光発電カバー率が50%以上に達します。建物のエネルギー消費と炭素排出量を管理するスマートな監視プラットフォームを構築し、2027年までに1億2000万平方メートルの公共建築面積を項目別測定とオンライン監視の対象に組み込みます。建物のエネルギー効率評価およびラベリングシステムを導入します。政府が投資する公共建築物が率先してエネルギー消費量がほぼゼロ、炭素排出量がほぼゼロに達することを推奨します。都市再生活動と合わせて、異なるタイプの建築における「エネルギー消費量のほぼゼロ」と「炭素排出量のほぼゼロ」の取り組みを推奨します。、プロジェクト建設の全プロセスを通じてグリーン建設を実施し、プレハブ建築を完全に実施し、「完全フル装備の家」に向けた取り組みを促進し、建設廃棄物のリサイクルを促進します。炭素削減や炭素隔離などの新しい建築材料の研究開発を奨励し、グリーン低炭素建築材料や高性能建築材料製品の応用を積極的に推進します。液冷やホット/コールドアイルコンテインメントなど、データセンターにおける効率的な省エネ技術の推進を加速します。新しいデータセンターのエネルギー利用効率(PUE)を1.25未満に控え、既存データセンターのPUEを1.4を超えないように控えます。

(5)循環経済分野

4+X」再生可能資源リサイクルシステムを改善し、老港、宝山、杭州湾北岸、臨港の4つの主要な資源リサイクル基地を建設します。関連地区と関連機関が循環経済企業の発展を支援するために工業用地の1%を配置するよう取り組みます。全カテゴリー、全チェーンをカバーし、追跡可能な再生可能資源リサイクルシステムを確立します。固形廃棄物リサイクルサイトと施設のレイアウトを最適化し、主要な再生可能資源の年間リサイクル量が計約1000万トンの達成を目指します。未処分家庭ごみの埋立処分ゼロの実績を定着させ、固形廃棄物焼却スラグや飛灰の利用技術の研究・応用を加速し、全市の固形廃棄物のほぼ埋立処分ゼロを図ります。産業園のリサイクル改造を徹底し、市レベルの産業園のリサイクル改造範囲をさらに拡大します。「廃棄物ゼロ園区」や「廃棄物ゼロセル」を数多く建設することを推進します。中古商品取引の秩序ある発展を促進し、有力な中古商品取引企業を育成し、100万人あたり2つ以上の集中・大規模フリーマーケットを構築します。廃棄自動車、廃電電気製品、廃棄動力電池分野における高度な解体利用技術の実証・普及を展開するとともに、資源リサイクル機器産業の育成を図ります。上海市循環経済管理サービスプラットフォームを構築し、廃棄物と再生可能資源の監視と分析を強化します。 

2 ミカニズム革新と保障措置

(1)技術革新メカニズムの最適化

上海市の未来エネルギーと最先端の破壊的な炭素削減技術に関する戦略計画を策定します。一連の仕組みを導入し、低炭素・ゼロカーボン・カーボンネガティブの中核技術の難関攻略と基礎研究を推進し、技術評価制度や比較・選定のメカニズムを確立・改善し、将来を見据えた先進的で戦略的な最先端の破壊的テクノロジープロジェクトを展開します。公共科学技術イノベーション資源共有メカニズムの確立を促進し、主要な科学技術インフラ、大型科学機器施設、科学技術情報の共有を推進します。市内のカーボンピークアウトおよびカーボンニュートラル分野における多数の新しい研究開発機関や主要研究所の設立を支援し、産業界、学校、研究機関、金融機関、仲介業者の革新的な連携を促進します。知的財産権の保護を強化し、グリーン低炭素技術と製品の検測、評価、認証システムを改善します。

(2)財政支援メカニズムの強化

グリーン金融商品やツールのイノベーションを促進し、上海の金融インフラ機関や金融機関がグリーンクレジット、グリーンボンド、グリーン保険、グリーン手形、グリーンファイナンスリースなどの金融商品やサービスを展開するよう支援します。グリーンプロジェクトバンクの類別入庫ガイドとグリーン利益会計および評価方法を策定し、グリーンプロジェクトバンクを確立し、グリーン金融サービスプラットフォームを構築・改善します。条件を満たす企業がグリーン・低炭素プロジェクトの建設・運営のための資金調達と株式公開を支援し、関連企業や社会資本がグリーン低炭素産業基金を設立することを奨励します。金融機関のグリーンファイナンスの実績評価基準を最適化し、金融機関がグリーン低炭素プロジェクトに長期かつ低コストの融資を提供するよう指導します。

(3)エネルギー市場メカニズムの最適化

スポットを核とした電力市場改革を加速し、上海金融市場を基盤として、電力先物等の商品の模索・開発を積極的に行います。分散型発電の市場化取引メカニズムを改善し、分散型グリーンエネルギー発電事業体が規制に従って同じ配電ネットワークエリア内の近隣の電力ユーザーと取引することを支援します。水素エネルギー、グリーンメタノール、持続可能な航空燃料等の製品取引プラットフォームの構築を推進します。

(4)炭素価格設定メカニズムの最適化

上海市の炭素排出量取引メカニズムを改善し、炭素市場の割り当てメカニズムを最適化し、炭素排出量取引商品およびその派生商品のイノベーションを促進します。炭素金融イノベーションを促進し、合理的な拘束力のある炭素価格メカニズムの形成を加速します。グリーン電力取引、グリーン証明書取引、上海市の炭素排出量取引の効果的な結び付けを統括します。全国の炭素排出量取引機関が上海に拠点を置くという利点を最大限に生かし、国際炭素市場とのつながりを模索します。

(5)財政保障と価額メカニズムの最適化

市および区レベルの政府は、省エネ・炭素削減のための改修、エネルギー消費設備の更新、エネルギーおよび炭素排出の会計機能の向上を支援するための投資を拡大します。グリーン建材、新エネルギー車両・船舶などのグリーン低炭素製品の政府調達を増やし、国有企業によるグリーン調達メカニズムの確立と改善を促進します。再生可能エネルギーの大規模発展を促進するための価格メカニズムを確立・改善し、新型エネルギー貯蔵、再生可能エネルギーの消費と利用、負荷調整などの新しい電力システムの発展を促進するための電力価格メカニズムを模索します。差別電力料金と段階的電力料金政策を最適化し、接続した電気容量が基本配置基準を超えたユーザーの支払いメカニズムを確立します。

(6)産業育成メカニズムの最適化

グリーン低炭素産業の発展のための行動方案を実施し、グリーン低炭素産業の発展のための動的な監視及び評価メカニズムを確立・改善し、適時にグリーン産業ガイダンスカタログを改訂し、産業発展の方向性を導きます。産業パークをキャリアーとして利用し、グリーン低炭素産業のモデル基地を多数建設し、新素材、インターネット、ビッグデータ、人工知能などの戦略的新興産業とグリーン低炭素産業との深い統合を促進します。関連経営主体の発展を奨励し、複数の大型グリーン産業グループを作り、「専門化・精密化・特徴化・新規性」中小企業を育成します。各種サービス機関の技術力やサービスレベルの向上を指導し、炭素関連の会計、評価、認証、管理、コンサルティングなどの事業の発展を奨励します。

(7)グリーン低炭素管理メカニズムの強化

省エネと炭素削減目標の責任と評価を強化し、年間主要活動計画の取り決めを明確にして、目標の達成を監督し、各部門と地区の年間省エネと炭素削減評価活動を改善します。省エネルと炭素削減の状況分析を強化し、業界部門の省エネ目標の達成について四半期ごとにリマインダーと年度早期警告を提供し、各区政府の省エネ目標の完成状況について定期的に早期リマインダーを送り、エネルギー消費削減が遅れている部門や地域に対して指導と監督を強化します。高エネルギー消費、高排出、低レベルのプロジェクトのやみくもな立ち上げを断固として禁止し、固定資産投資プロジェクトの省エネ審査に炭素排出評価の関連要件を組み込み、省エネ審査と承認を厳格に実行します。

主要なエネルギー消費組織と炭素排出組織の管理を徹底し、省エネと炭素削減の目標の評価を強化し、エネルギー監査と省エネと炭素削減転換の監督を強化し、運営と管理を最適化し、省エネの監督と法執行を強化します。エネルギー消費の二重管理を炭素排出の二重管理への段階的な移行を促進し、炭素排出管理システムを確立・改善します。

製品のカーボンフットプリント管理システムを確立し、カーボンフットプリント標準測定システムを改善し、主要産業と製品のカーボンフットプリントのバックグラウンドデータベースを構築します。グリーン低炭素基準システムを改善し、グリーン低炭素製品の評価およびラベル認証システムを導入します。グリーン低炭素のサプライチェーンの主要企業が連携組織を形成し、サプライチェーンにおける協調的な炭素削減を推進することを支援します。企業などの経営主体が環境、社会、ガバナンスなどの持続可能な発展実践を展開することを支援します。

(8)社会参加の仕組みの強化

国家省エネ宣伝週間、国家エコロジーデー、世界アースデー、6月5日の世界環境デー、国家低炭素デーなどのテーマ広報活動と結びつけ、全国民に対するグリーンおよび低炭素の広報と教育を強化します。カーボン包摂システムの構築を加速します。グリーン家電やグリーン照明などのグリーン低炭素製品を優先的に購入・使用することや、太陽光エネルギーなどの再生可能エネルギー設備を設置・使用することを奨励します。カーボンニュートラルの技術、製品、成果に関するカンファレンスやイベントの開催を支援します。カーボンピークアウトおよびカーボンニュートラルのパイロット実証を実施し、さまざまな社会組織がグリーン低炭素モデル転換を共同で推進するよう奨励します。

※なお、本文書は、中文で作成され、日本語に翻訳されます。中文版が正本であり、日本語版は参考として作成されます。これら両言語版の間に矛盾抵触がある場合、中文版が優先します。

情報源:上海市人民政府