浦東新区総合改革試行実施案:ハイレベルの改革開放の主要任務に焦点を当て、先導エリアの建設を支援
1月22日、「浦東新区総合改革試行実施案(2023-27年)」(以下、「方案」)が正式に発表されました。
「方案」は、重点分野と重要段階の改革において浦東新区により大きな自主権を与え、より深いレベルの改革とより高い水準の開放を推進し、率先して各方面の体制やメカニズムを改善し、ハイレベルな社会主義市場経済体制の構築を加速し、ガバナンス体系を整備し、ガバナンス能力を高め、浦東新区の社会主義現代化建設先導エリアの構築に支援を提供します。
「方案」は7つの部分に分かれています。全体的な要求となる第1部分は、浦東が「方案」を実施するスケジュールを明記しています。即ち、第14次5カ年計画の期間末までに、制度革新が重要な段階的成果を収め、ハイレベルの制度型開放がブレークスルーを遂げ、科学技術イノベーションシステムの競争力が明らかに向上し、グローバル資源配分能力が明らかに強化され、都市ガバナンスのレベルが明らかに向上し、多くの象徴的な改革成果が普及されることです。さらに2027年までに、試行任務が基本的に完了し、制度革新が画期的な進展を遂げ、高水準の市場体系とハイレベルの開放型経済新体制の建設が著しい成果を上げ、都市ガバナンス体系がより健全になり、社会主義現代化国家の全面的建設のために重要な模範とけん引の役割を果たします。
「方案」の第2~第6部分は、それぞれ制度型開放、科学技術革新、人材高地建設、政府機能転換、「人民都市」建設などの面を中心に展開され、浦東の今後の改革発展に方向性と制度保障を提供しています。
例えば、産業発展生態の構築をめぐり、「方案」では、関連法規に合致する前提の下で、企業家を主体とする重点産業最高製造責任者制度を確立すること、シーンのイノベーション計画を策定して科学技術イノベーション企業に公開し、シーン駆動のグローバル技術転換コンテストを開催すること、中国(上海)自由貿易試験区臨港新エリアにおけるグローバルオフショアイノベーション拠点の建設を支援することなどが掲げられています。
商品と要素のクロスボーダー流動メカニズムの整備をめぐり、「方案」は上海外高橋保税区の統合と最適化の持続的な推進、小洋山北側の総合的開発の支援、上海浦東国際空港の航空旅客・貨物輸送ハブ機能の向上、陸・川・海・空・鉄道など複合一貫輸送業務の「一単制」管理の模索についても言及しました。
また、「方案」では、企業の全ライフサイクルの発展、全産業チェーンの構築への高い関心も十分に示されています。例えば、バイオ医薬品産業に焦点を当て、「バイオ医薬品の協同革新メカニズムを確立し、医療機関、大学、科学研究機関の臨床科学研究協力の強化を推進し、関連規定に基づきバイオ医薬新製品が国際同類医薬品を参照して価格設定することを許可し、革新的な医薬品と医療機器産業の発展を支援し、国際的医学倫理と管理運営規則に合致する長江デルタ医療用組織バンクの建設を支援する」と提案されています。
科学技術金融業界に焦点を当て、「科学技術イノベーション企業のライフサイクルと連動し、科学技術イノベーション融資とマッチしたベンチャーキャピタルや私募投資ファンドの設立を支援し、ベンチャーキャピタル型企業の発展サイクル、リスク特徴、資金ニーズにマッチした金融商品を開発する。科学技術保険サービスの質と効率を向上させ、上海保険取引所に依託し、法に基づきコンプライアンスに準拠して保険商品・技術・モデルなどの模索を展開する。市場化原則に基づき、科学技術保険のリスク補償メカニズムの試行を深化させ、中小・零細企業向け融資保証ファンド政策を完備させ、科学技術産業金融一体化の特別試行を実施する」と言及されています。
「方案」では、全面的なグリーンモデル転換も大きな目玉となっています。「方案」は、「エネルギー消費総量と強度の調整・コントロールから炭素排出の総量と強度の「ダブルコントロール」制度への転換に関する効果的な道筋を模索し、インセンティブと制約メカニズムを改善する」、「工業品消費財の炭素排出とカーボンフットプリント認証基準体系の構築を模索・推進し、関連する国際標準規則を取り入れる」、「特定地域における増量配電の試行と分散型再生可能エネルギーの近場消費を展開する」などのことも明記されています。