「上海市体育発展振興条例」を実施、世界的に有名なスポーツ都市構築で堅実な一歩を踏み出し=上海

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「上海市体育振興条例」(以下、「条例」)は、上海市のスポーツ分野で初めての包括的・基本的な地方法規であり、2024年1月1日から施行されています。「条例」の公布・実施は画期的な意義があり、上海市のスポーツガバナンス体系とガバナンス能力の現代化水準の向上、上海市の新時代のスポーツ事業の質の高い発展の促進、世界的に有名なスポーツ都市の建設推進の加速などに、法的基盤を提供しています。

上海市体育局計画産業処の余詩平処長は、2023年1月に全面改正された「中華人民共和国体育法」(以下、「体育法」)が正式に施行され、「条例」の公布・施行は新しく改正された「体育法」の貫徹・実施の重要な体現であり、同時に、地方の状況と特色を考慮に入れた精錬と補完を行ったものであると紹介しました。

「条例」は全12章・69条で、内容は全民健身(国民健康づくり運動)戦略の実施を明確にし、より高水準の全民健身公共サービス体系の構築を加速し、体育と教育の融合を深化させ、青少年の全面的かつ健全な成長を促進し、産業価値を深く掘り下げ、都市の特色あるスポーツ産業システムの構築を加速し、社会の注目点に焦点を絞り、スポーツ市場の監督管理モデルを最適化しています。

「金角銀辺」がフィットネスジムに変身、AEDが安全な運動を確保

「条例」の第53条では、建築物と消防の安全を確保する前提の下で、高架橋の下の空間、空き地、屋上空間などの空間資源を活用して、土地の性質を変更せず、或いは建物の利用目的を一時的に変更し、公共スポーツ施設を建設することができると明記されています。

立体交差橋の下で改造されたスポーツ施設では、バスケットボール、サッカー、ランニングができます……上海市長寧区政府は2020年、中環立体交差橋の下の空間のリニューアルをスタートし、ROCKBROS(ロックブロス)スポーツブランドを導入し、空間の潜在力を引き出し、環境の景観品質を向上させ、荒れ地をスポーツ・レジャー・科学普及を一体化させた多機能の公共空間に変えました。

「金角銀辺」(高架橋の下の空間、空き地、屋上空間などコーナーやメイン場所の周辺の価値ある空間資源のこと)がスポーツ施設に変身することも困難でした。上海市長寧区北新泾街道弁事処の範層峰副主任は、以前の立体交差橋の下は管理上の難点であり、市政用地もあれば緑化用地もありましたが、全過程人民民主によって広範囲に意見を募り、最終的に都市更新プロジェクトに組み入れられ、今日の姿になったと説明しています。

華東政法大学の羅培新副学長は、市民のフィットネスニーズとスポーツ施設の供給との間には不均衡かつ不十分な矛盾が際立っていると述べました。「条例」の実施に伴い、この上海のスポーツ分野の基本法は必ず、上海市のスポーツ事業の健全な発展と全民フィットネスの雰囲気の醸成に積極的な推進作用を果たすと期待できます。

「条例」ではさらに、公共的体育場・体育館や営利的スポーツ施設に、救急の安全保障を強化し、必要な救急用具、薬品、救命技能を備えたスタッフを配置することが義務付けられており、公共的体育場・体育館は自動体外式除細動器(AED)を備える必要があり、条件が整っている営利的スポーツ施設は自動体外式除細動器(AED)を配備することが奨励されています。

「初歩的な統計によると、AEDの公共的体育場・体育館での配備率は現在70%程度ですが、「条例」が実施後、段階的に全面的なカバーを実現していきます。」と、上海市体育場館施設管理センターの陳慧主任が述べました。「まずは『0』から『1』への問題を解決しなければなりません。次に、AED設備の配備数をより明確に表示していきます。また、人員救急救命スキルのトレーニングや配備のカバー率向上についても引き続き取り組んでいきます。」

「条例」は次のことを規定しています:学校が国家関連規定に基づき、体育の授業を充実・完備させ、学生の運動への興味を育み、学生の体質と健康を強化させるために、多様で質の高いスポーツ種目を展開すべきです。小中学校は、学生の基礎教育の段階で少なくとも2つのスポーツ技能習得のために学生を支援する必要があります。学校は、学校内で実施される学生の課外体育活動をカリキュラムに組み入れ、体育の授業内容と連動させ、学生が学校での期間中に毎日1時間以上のスポーツ活動を行うことを保障する必要があります。学生が毎日1時間の学校外のスポーツ活動に参加することを提唱し、家庭や学校はそのための条件を整え、サポートします。

「体育の授業は時間の要求を満たす必要があるだけでなく、質と内容も重要です。」上海市楊泰実験学校の万葉華校長は学校の状況について説明しました。「体育の授業は週に5コマあり、またはスポーツ活動の授業が2コマあります。中には当校の特色である卓球種目が含まれており、その他にもバドミントン、階段トレーニング、バスケットボールなどの種目が用意されています。

「毎日1時間以上のスポーツ活動」というのは単なる「口先でのスローガン」だけではなく、「実際の行動」に転換する必要があります。上海市体育局計画産業(法規)処の兪剣副処長は、「条例」が公布後の実施には、各部門の連携・協力が必要だと述べています。

「条例」の第68条では、体育などの部門およびその職員が本条例の規定に違反し、法に基づき関連管理職責を履行しなかった場合、所属する機関または上級主管部門によって是正を命じることになり、職務怠慢・不履行、職権乱用、私情による不正行為がある場合、直接責任を負う主管人員およびその他の直接責任者に対して法に基づき処分が科され、犯罪行為に該当する場合は、法に基づき刑事責任が問われることが規定されています。

ここ数年、フィットネス業界は急速に発展している一方、消費者が前払いした後、サービスが実現されないという問題も際立っています。この難題に対処するため、「条例」では、スポーツ・フィットネス業界の経営者が前払い方式で経営活動を行う場合、経営サービス場所やウェブサイトの目立つ位置にスポーツ・フィットネスサービスの項目内容、料金基準、経営場所の賃貸期間などの情報を公示し、かつ書面形式で消費者に前払い金の用途や管理方法、残高照会のルート、払い戻し方法などの内容を告知し、前払いのリスクについて提示しなければならないと規定されています。

「今後、より多くの実施細則を打ち出し、「条例」の効果的な実施を確保していきたいと考えています。」と、兪剣氏は強調しています。「上海市体育局はフィットネス業界自身の状況を踏まえ、関連部門と協力して関連実施細則を制定し、フィットネス業界の持続可能な発展を導きます。

「業界全体を販売重視からサービス重視へと転換させ、良好的な方向へと導きます。」上海市フィットネス・ボディビル協会の孫崇秘書長は、「協会は『条例』の規定に基づき、業界の自律を強化し、経営者と従業員の行動を規範化し、経営のモデルチェンジとアップグレードを推進し、業界の健全な発展を促進していきます。と述べました。