上海、2030年を見据え 世界的な船舶用グリーン燃料の「バンカリング+取引」ダブルセンター構築へ
このほど、中国交通運輸部は国家発展改革委員会など10部門と共同で、「上海国際航運グリーン燃料バンカリング・取引センターの構築支援に関する実施案(以下「実施案」)」を発表・印刷しました。
「実施案」では、2030年に向けた将来像を明確にしています。2030年までに、上海は国際的な船舶用グリーン燃料バンカリング・取引センターを概ね整備し、保税液化天然ガス(LNG)の供給能力を100万立方メートル規模へ拡大させ、メタノールやバイオ燃料などの供給能力を100万トン規模へ引き上げることを目標としています。これにより、上海は「液化天然ガス+グリーンメタノール+バイオ燃料」を柱とする協調的な発展体制を構築し、関連政策・法規、標準・規範、認証ルールと管理メカニズムを基本的に整備します。また、複数の原動力に支えられた国際航行船舶向けのグリーン燃料供給システムを形成し、「単一燃料の供給」から「多様なグリーンサービスの提供」への飛躍的な高度化を実現します。
年産10万トン級のグリーンメタノールプロジェクトが上海で正式に稼働開始。(写真提供・WeChatアカウント「中国上海自貿実験区」)
「実施案」は、「バンカリング+取引」ダブルセンターの構築を中心に、七つの側面から中核的任務を掲げています。
供給面では、化学工業パーク、横沙、長江河口、洋山港などの重点エリアを中心に、グリーン燃料の生産・貯蔵・輸送・供給に至るまでの全バリューチェーンにおいて関連施設を整備し、供給源の安定確保体制を強化します。
サービス面では、バンカリング船、陸上AIS局、タンクローリーの一体化発展を推進し、「ワンストップサービス」体系を構築します。さらに「夜間バンカリング」モデルを試行し、作業効率の大幅な向上を図ります。
制度面では、バンカリング船による複数の税関管轄区および港湾間での作業に関する規制壁を打破し、総合保税区内でのバイオ混合燃料油の取り扱いを許可するなど、制度的ボトルネックを解消し、産業発展を後押しします。
標準面では、船舶用燃料のライフサイクル全体を通じたカーボンフットプリント算定基準を策定し、「国内主導・国際相互承認」を目指す標準体系を構築します。グリーン航運分野における影響力の強化を図ります。
さらに注目すべき点は、「実施案」がダブルセンターを構築する上の課題やボトルネックに正面から向き合い、四つの革新的な取り組みを打ち出していることです。
第一に、「国家戦略+上海の役割」という連動のメカニズムを構築します。中央政府10部門と地方政府の連携により、船舶用グリーン燃料の「バンカリング+取引」機能を上海に集約させ、上海を世界的なグリーン航運エネルギーハブへと押し上げます。
第二に、多様なシーンに対応するバンカリングサービスモデルを新たに創出します。バンカリング船による複数の税関管轄区および港湾間作業や、総合保税区におけるバイオ混合燃料油の取り扱い許可の実施により、航運業界の発展上の障壁を打破します。
第三に、グリーンメタノール生産の立地制約を緩和し、条件が整った地域で関連プロジェクトを計画的に推進することで、グリーンエネルギー供給チャネルの拡充を図ります。
第四に、「バンカリング+取引」という二輪で進める発展モデルを構築します。上海海運取引所および上海先物取引所を活用し、国際グリーン燃料取引市場やLNG先物市場の整備を模索し、グリーン燃料取引と炭素市場、航運ファイナンスとの連動を深化させ、世界のグリーン航運価格形成メカニズムにおける主導権確保を目指します。
上海が推進する「五つのセンター」構築の重要な柱として、国際輸送センターのグリーン高度化は、多角的な戦略的意義を持っています。船舶用グリーン燃料のバンカリングおよび取引システムの構築を通じて、上海は世界の航運業界に対し、再現可能で普及可能な「中国モデル」を提供します。今後、上海は「実施案」を指針として部門間の連携を強化し、継続的なモニタリングと評価を通じて、政策の効果を最大限に引き出すべく全力で取り組んでまいります。
出典:WeChatアカウント「中国上海自貿実験区」、上海交通公式サイト