第6回「世界考古フォーラム・上海」開幕——重要な考古発見と研究成果を発表
12月16日、第6回「世界考古フォーラム・上海」が開幕しました。このフォーラムは12月15日から18日まで、上海大学・宝山キャンパスで開催されています。
12月15日から18日まで、上海大学・宝山キャンパスで開催される第6回「世界考古フォーラム・上海」(写真・澎湃新聞)
「世界考古フォーラム・上海」は2013年に創設され、2年に1度開催されています。中国社会科学院と上海市人民政府が共同で設立・主催する大規模な国際学術交流イベントであり、世界の考古学資源および文化遺産の調査・保護・活用を推進し、考古学の成果を発信し、考古学の研究を促進し、文化遺産保護の現代的意義を示す国際的なプラットフォームとなることを目指しています。
開幕式では、第6回世界考古フォーラムの「重要なフィールドでの考古学的発見」と「重要な考古研究の成果」の展示リストが発表され、証書授与が行われました。
今回、中国からは「紅山社会の文明化プロセス研究」と「陝西省清澗寨溝遺跡」の2つのプロジェクトが「重要なフィールドでの考古学的発見」に選出されました。紅山文化をテーマとした特別展「龍騰中国:紅山文化古国文明特別展」は、今年6月26日から10月8日まで上海博物館・東館で一般無料公開されました。これは上海博物館が行っている「何以中国」文物考古大型展シリーズの第4弾でもありました。
フォーラム会場で中国社会科学院考古研究所の・賈笑冰研究員は「世界考古フォーラムは重要な窓口です。この窓を通して、私たちは海外の学者と交流でき、海外の学者もまた、ここから中国考古学の最新動向を知ることができます。これは非常に貴重な相互交流の機会です」と語りました。今回の「重要なフィールドでの考古学的発見」に選ばれた「紅山社会の文明化プロセス研究」は、同氏が中心となって進めているプロジェクトです。
フォーラムの様子(写真・澎湃新聞)
その他に選出された9つのプロジェクトも、それぞれ独自の価値と意義を持ち、長い時間の中で示されてきた人類の創造力と適応力の壮大な姿を描き出しています。
今回のフォーラムは「技術・社会・考古学」をテーマとして、技術がどのようにして社会から生まれ、そして未来をどう形づくっていくのかについて、考古学者たちに思索を促すことを意図しています。
著名な考古学者で中国社会科学院学部の王巍委員は、「世界考古フォーラムはこれまでにも多くのテーマを扱ってきましたが、技術に焦点を当てるのは今回が初めてです」と語りました。そして、「さまざまな自然科学の技術の手法の応用が、考古学の姿そのものを変えつつあり、伝統的な考古学に『望遠鏡』と『顕微鏡』を与えてくれているのです」と述べています。例えば、日本の坂井正人チームによる「ペルー・ナスカ平原地上絵のAI識別と景観再検討」プロジェクトはその典型です。従来は飛行機で上空からでしかナスカの地上絵の全貌を見ることができませんでしたが、現在では衛星リモートセンシング技術とAIを用いることで、ナスカ平原に多数存在する地上絵を新たに識別することが可能になっています。
出典:澎湃新聞