2025中国式現代化国際学術フォーラム:中国内外の学者が語る世界の多極化と中国式現代化
12月13日、上海・臨港にて「2025中国式現代化国際学術フォーラム」が開催されました。フォーラムのテーマは「世界の多極化と中国式現代化」であり、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、ドイツなど25の国から40名余りの国際学者が参加したほか、中国社会科学院、清華大学、北京大学、中国人民大学、復旦大学、同済大学、華東師範大学などの大学・研究機関から学者や学生を含む計500名以上が出席しました。
2025中国式現代化国際学術フォーラム(写真・WeChat公式アカウント「上海財経大学」、以下同様)
開幕式では、臨港新片区党工委員・管理委員会の唐浩専任副主任が来賓に歓迎の意を表しました。同氏は「臨港新片区は中国の対外開放と経済発展の重要な窓口として、高度な開放を牽引力とし、制度革新を核心として、中国式現代化が上海でどのように実践され成果を挙げているかを示してきました。このフォーラムを契機に、参加する学者の皆さんが人類運命共同体と文明間対話の視座から、臨港新片区を含む中国式現代化の実践経験を踏まえ、中国の歩み・中国のガバナンス・中国の原理がもつ深いロジックと普遍的価値を掘り下げることを期待しております」と述べました。
開幕式で来賓に歓迎の意を表した臨港新片区党工委員・管理委員会の唐浩専任副主任
基調講演では、中国共産党中央対外連絡部元副部長の周力氏が「中国式現代化建設において注意すべき3つの側面」と題するスピーチを行い、中国式現代化建設に関して、国内と国際という2つの大局を統一的に把握すること、グローバルサウス諸国との互恵共生関係を深化させること、覇権主義と強権政治による干渉を断固として退けることの3点を指摘しました。
「中国式現代化建設において注意すべき3つの側面」と題するスピーチを行う周力氏
また、全国政協常委、上海公共外交協会長の周漢民氏は、「2035年に中国が基本的に現代化を実現することの世界的意義」と題する講演で、中国式現代化の世界的意義を3つの側面から論じました。すなわち、経済面では、中国は過去10年以上にわたり世界経済成長の約30%を安定的に担う重要なエンジンとなってきました。2035年には世界最大規模の中間所得層と現代化された巨大市場を形成し、「世界の工場」から「世界のイノベーションの源」および「世界の中心的な市場」への転換を実現します。ガバナンス面では、中国は協力・ウィンウィンを提唱し、「一帯一路」などの公共財の提供や、南北バランスの促進を通じて、世界ガバナンスを均衡で公正なものにし、現代化に多様な選択肢をもたらしています。文明面では、中国式現代化は人民を中心・エコロジー優先・ウィンウィンを掲げ、人類全体の現代化に新たな価値を注入し、人類運命共同体を理念から実践へと推し進めています。さらに、中国企業の世界進出は中国式現代化の国際的表現であり、その使命は市場拡大のみならず、文明の相互学習と人類福祉の増進にまで及ぶと述べました。
「2035年に中国が基本的に現代化を実現することの世界的意義」と題する講演を行う周漢民氏
アメリカの雑誌『科学と社会』編集長で、ニューヨーク・ブルックリンのセントフランシス大学のフリオ・ワト教授は、「グローバルサウス、中国の国際イニシアティブ、および技術的主導権争い」と題する講演で、中国が「一帯一路」構想の下で進めるインフラ拡張、グローバル発展イニシアティブによる世界的な貧困削減推進、グローバル安全保障イニシアティブによる外交対話の促進、そしてグローバル文明イニシアティブによる人文交流が、いずれも戦略的に重要な意義を持っていると述べました。
「グローバルサウス、中国の国際イニシアティブ、および技術的主導権争い」と題する講演を行うフリオ・ワト教授
日中友好協会副理事長、慶應義塾大学および京都大学の名誉教授である大西広氏は、「日本は一極となり得るか――その消極面と積極面の検討」と題し、多極化の世界構築における核心的課題と現在の国際情勢について議論を展開しました。
日中友好協会副理事長、慶應義塾大学および京都大学の名誉教授、大西広氏
同日午後には6つの分科会が同時に行われ、「現代中国マルクス主義と中国式現代化」「多極化背景下の世界経済と中国」「21世紀マルクス主義と中国式現代化」「現代資本主義批判とグローバルサウスの現代化」「多元文明の視野から見るグローバルサウスと中国式現代化」「中国式現代化過程における文化交流と文明の相互対話」という6つのテーマについて中国内外の専門家は深い議論を行いました。
イベントの様子
今回のフォーラムは、世界の学者に時代の重要課題を議論するためのハイレベルな対話プラットフォームを提供し、思想の交流と知恵の融合を通じて、中国学術界がローカルに根ざしつつ世界を志向する学術的責務を示しました。フォーラムで形成された重要な共通認識と進んだ知見は、中国式現代化の世界的意義のさらなる説明や、多極化時代の発展モデルを探る上で、貴重な理論的資源と実践的示唆を提供しました。
出典:WeChat公式アカウント「上海財経大学」