上海市経済・情報化委員会は、「2025世界開発者パイオニア大会（GDPS 2025）」および「国際エンボディドAIスキルコンテスト」が、12月12日から14日にかけて、上海・浦東新区の張江科学会堂で開催されると発表しました。11月28日には、同大会のメディア説明会が行われました。

（画像提供・WeChatアカウント「上海発布」）

多彩なセクションを融合：技術の饗宴と思想の交流

説明会では、大会が競技イベントを中心に、「ワークショップ」や「ディスカッション・スクエア」、「フェスティバル」など多彩なセクションを設け、技術競技・思想交流・産業展示・科学普及体験が一体となった総合プラットフォームの構築を目指していることが紹介されました。

競技イベントでは、世界トップレベルの研究室、著名ユニコーン企業、優秀なギークチームがハードコア技術による勝負を繰り広げます。「ワークショップ」では、エンボディドAIのサプライチェーンがそのまま会場に持ち込まれ、巧みなロボットハンドや先端センサー、高精度減速機に至るまで、開発者がすぐに使える技術や部品のサポートを提供します。「ディスカッション・スクエア」では、業界のリーダーたちが最前線のテーマを巡って熱い議論を繰り広げます。

同時に、大会会場では、ロボット書道、ロボットサッカー対戦、ロボットバンド演奏など、フェスティバル感あふれる没入型展示も多数行われ、AIによる芸術的表現や運動能力を立体的に披露します。

国際技能競技大会に照準：世界初の「三方審査」体制

完全に国際技能競技大会に照準を合わせた世界初のエンボディドAIスキルコンテストとして、GDPS 2025 は、「科学者＋AI専門家＋世界技能マスター」からなる三方審査体制を導入しました。技術的指標と匠の視点を統合させ、多角的な評価を実現します。

一方では、中国国家ヒューマノイドロボットイノベーションセンターの江磊チーフサイエンティストが率いる科学者審査チームが、モデルの汎用化性能、アルゴリズムのロバスト性、ミリ秒単位の応答速度といった技術的視点から審査します。他方、世界レベルの技術マスターチームは、実際の作業現場を基準に、ロボットの動作の精度や人間工学に基づいた操作性、例えば「丁寧に物を扱えるか」「救助作業が実情に合致しているか」などを評価します。同時に、エンボディドAIとAI分野の専門家が、システム工学、倫理・安全性の観点から総合的な評価を行います。

このように、理性的な技術指標と職人基準という二重の検証を通じて、大会は、人とロボットが同じ舞台で競い合い、同じ評価尺度で判定されるという新たな枠組みを築きます。

（写真提供・WeChatアカウント「上海経信委」）

大会は実際の利用シーンへの応用を強力に推進する観点から、今回の協議では実際の現場での応用に焦点を当てて、ロボットが各分野でどの程度のサービス能力を発揮できるかを総合的に検証します。産業生産から社会サービス、家庭支援から緊急救援、医療ケアから芸術表現に至るまで、6つのテーマに基づき、8つのシーン、19の細分化された競技項目を設定し、ロボットが人間社会に溶け込む際の主なシーンをほぼ網羅しました。これにより、実際のシーンで求められるロボットのサービス能力を体系的に検証することを目指しています。

応用が技術革新を牽引し、応用シーンが産業をアップグレードする

浦東が重点的に育成する三大先導産業の1つとして、人工知能は多様なシーンでのロボット活用を加速させています。今年開業した「張江AIイノベーションタウン」は、浦東新区のAIイノベーション応用が「産業エコシステム集約・大規模実装」という段階に進んだことを示しています。本大会の開催は、同区のエンボディドAI産業の発展に、さらなる新たな爆発的成長点をもたらすことになるでしょう。

今後、浦東は「実用化により技術革新をけん引し、実際のシーンへの応用が産業のアップグレードを促す」という方針を掲げます。実際のシーンを多数創出するとともに、複数分野の複数種類のシーンでの応用体系を構築します。これにより、点から面へ、一方的な支援からシステム全体の連携へと発展させ、大規模な実装レベルへの飛躍を実現します。さらに、応用シーンでの需要側と供給側が相互に促進し合う連動プラットフォームを整備し、AI企業が商用化プロセスにおける「最後の1マイル」を解決できるよう支援します。また、浦東新区は、政府による主導と支援を強化し、優れた産業環境を整備します。主要イベントや主流メディアを通じてモデルとなる応用シーンを集中的に発信し、特別支援策を打ち出すことで、社会全体がAIの革新的製品を積極的に活用するように促していきます。

出典：WeChatアカウント「上海経信委」、上海浦東新区融媒体センター、WeChatアカウント「上海発布」