「世界市長対話・上海」:22カ国の市長が集結、友好都市交流を新たな段階へと推進
5月29日午後、五大洲22カ国の26友好都市の市長及び代表が上海黄浦区の錦江小礼堂に集結し、「世界市長対話・上海及び上海国際友好都市協力フォーラム」に参加しました。

5月29日午後、上海市黄浦区の錦江小礼堂で「世界市長対話・上海及び上海国際友好都市協力フォーラム」か開催。(撮影/孟雨涵 解放日報)
会議前からフォーラムと休憩時間を経て会議終了まで、参加ゲストたちの率直な交流を通じて、相互理解が深まり、友情が厚くなり、協力関係が強まりました。上海は友好都市ネットワークの拡大を継続するとともに、新たな協力モデルの模索を続け、協力の新たな分野を開拓し、友好都市間の交流・協力を新たな段階へと引き上げることに力を注いでいきます。
協力が上海訪問のキーワード
アフリカのナミビア・ウィントフック市のエンデシハフェラ・ラランジャ市長は「教育、ユース・エンパワーメント、知識共有などの分野で、上海が継続的に支援を提供してくれたことに深く感謝している。これは若者たちの視野を広げ、新たな可能性に気づかせるきっかけとなっていた」と述べました。上海とウィントフックの友好都市提携30周年にあたり、ラランジャ市長は「両都市のパートナーシップは、地域のイノベーションの触媒と国際協力の新たな原動力となるもので、その重要性はどれだけ強調しても足りない」と語りました。
ギリシャ・アテネのハリス・ドゥーカス市長は、両都市の長い関係に言及しました。アテネと上海は東西文明と商業交流において重要な役割を果たし、上海はヨーロッパ製品が中国に入る玄関口、アテネは東方からヨーロッパへの入口であると強調したうえ、「観光、文化、イノベーション、教育、都市再生、強靭性、サステナビリティなどの分野で上海との協力を強化したい」と述べました。
これに対し、上海市側は友好都市間の深い連携と相互エンパワーメントを継続的に推進し、経済貿易・金融、教育・医療、人文交流・科学技術などの分野でより多くの成果を実らせていくとの見解を示しました。上海市商務委員会の何東賓副主任は、上海は世界最高水準のビジネス環境を有し、国際化レベルを継続的に向上させると表明したうえ、「上海の開放の扉は今後ますます大きく開かれると、どうか確信を持っていただきたい」と述べました。
「上海の発展環境はPossibilities(発展の機会)、Predictability(予測可能性)、Pro-business Governance(ビジネスフレンドリーな環境)の3つのPで特徴付けられる。虹橋商務区は高度に集積した科学技術イノベーション資源と人的資源を有し、より多くの友好都市の企業の投資と事業展開を歓迎している」と、虹橋国際中央商務区管理委員会党組書記・常務副主任の孔福安氏は述べました。

フォーラムの様子(撮影/孟雨涵 解放日報)
グリーン・低炭素への転換
グリーン・低炭素への転換が都市の発展に持続的な成長力をもたらすことが、会場で活発に議論されるテーマとなりました。
ベトナム・ホーチミン市人民委員会副主席のブイ・スアン・クオン氏は、「イノベーション都市連合」の設立を提案しました。上海、シンガポール、釜山、ホーチミン、ジャカルタなどのハブ港湾と商業都市の間に「都市間グリーン回廊」を構築し、低炭素物流インフラの整備を重点的に進める構想を示しました。
英国リバプール市議会閣僚のニック・スモール氏が地域熱供給ネットワークや気候アクション・アクセラレーターシティなどの具体的なゼロカーボンプロジェクトを紹介しました。参加者からは、カーボンニュートラル推進の過程で、資金調達の壁に直面する恐れがあるとの率直な指摘もありました。ニック氏は、拡張可能かつ投資可能な全過程脱炭素の青写真をつくりたいと考えています。
「グリーン・低炭素への転換を成功させるには、公平性と公正性の保証が不可欠だ」と、フランス・マルセイユ市のミシェル・リュビロラ第一副市長は指摘しました。これは単なる技術革新やインフラ改善の問題ではなく、「誰一人取り残されない」という本質的課題に関わるとの認識を示し、あらゆる地域社会と全ての市民がグリーントランスフォーメーションの恩恵を受けられるよう確保すべきだと訴えました。
リュビロラ氏は「マルセイユは東洋と西洋の接点に位置し、この地理的位置でマルセイユは対話交流の場と世界をつなぐ架け橋として役立つことができる」と述べました。さらに「今回のフォーラムが示す協力精神は、現代世界が緊急に必要としているものであり、我々の集結は単なる危機を防ぐだけでなく、希望を作り出すものだ」と指摘しました。

フォーラムの様子(撮影/孟雨涵 解放日報)
未来の都市は若者と共創すべき
フィンランド・エスポー市のメルヤ・ナルヴォ=アッコラ副市長は、都市の発展と進化は技術向上やインフラ改善だけでなく、人々、特に若者によって形作られる必要があると指摘しました。
アッコラ氏によると、エスポー市では、都市のイノベーションパーク、スタートアップインキュベーター、ラボプラットフォームが、若者にアイデアを具体化する機会を提供しています。同時に、エスポー市は若者の都市ガバナンスへの参加を促し、彼らに積極的な意見表明の機会を与えています。
モロッコ・カサブランカ市のヌフィッサ・ラムハン副市長は、同市が都市変革戦略計画を推進しており、若者がこの計画の中核を担う存在だと説明しました。
「ハバナは若者主導の都市イノベーションラボラトリーになることを目指している」とキューバ・ハバナ州調整官のナマン・モラレス・ムサレン氏は表明しました。同地域の高等教育機関では毎年1100名以上の建築・工学人材を育成し、「若者と共に設計し、若者のために建設する」都市空間の創造を推進しています。「未来の都市は若者と共創すべきであり、彼らのためだけに建設されるものではない。彼らの鋭い眼差しと無限の想像力こそ、緑の、相互接続された、公平で包摂的な都市を構築する『鍵』なのだ」とムサレン氏は述べました。

フォーラムの様子(撮影/孟雨涵 解放日報)
フォーラムでは、少子高齢化問題も何度も取り上げられました。韓国・全羅北道の国際協力大使李光鎬氏によると、韓国政府は雇用、起業、住宅問題などの解決に向け、一連の革新的施策を実施し、若年層に交流の場と活動拠点を提供しています。同氏は、全羅北道と上海との間では、青年政策交流、スタートアップ共同インキュベーション、スマート農業・バイオテクノロジーの共同研究などでの協力を継続的に推進し、両地域の強みを活かした互恵的な協力を展開することで、全羅北道の若者の国際的視野を広げつつ、上海の若者に韓国の農業バイオ産業と地域イノベーション事例を学ぶ機会を提供することができると指摘しました。
出典:上観新聞、解放日報