インバウンド観光が盛り上がる中、上海はサービス向上を推進する
上海のインバウンド観光市場は徐々に回復し、これから今年度の最盛期を迎えます。より質の高いサービスを提供し、観光客に上海の魅力を全面的に感じ取ってもらい、より多くのインバウンド観光客が自発的に「中国旅行(China Travel)」の「アンバサダー」になれるように、上海は以下の取り組みを進めています。
第一に、支払い手段を最適化します。
すべてのインバウンド観光客がスムーズにモバイル支払いを利用できるわけではありません。実は、欧米などの国からの中高年の観光客の多くは現金またはクレジットカード支払いを好んでいます。しかし、一部の銀行支店では外貨を両替する際、事前予約が必要で、待ち時間も長いです。また、カードを使用する場合でも、海外カード用のPOS端末が故障することが時々あり、一部の小さなレストランや小売店にはまだカバーしていないため、インバウンド観光客に多くの不便が生じます。
これに対し、復旦大学観光学部の孫雲龍副学長は、日本の「Suica」カードが参考になると考えています。このカードは交通機関の利用、ショッピング、オートチャージなどの機能を一体化しており、観光客は空港、駅、自動券売機及びコンビニで簡単に購入できます。上海は昨年5月に発売した「Shanghai Pass」は「Suica」カードと似ており、支払い条件を改善するための低コストで持続可能な取り組みです。ただし、「Shanghai Pass」は未だにインバウンド観光客の間で広く普及されていなく、カード販売拠点の利便性にも改善の余地があります。今年1月末までに、「Shanghai Pass」は累計8万7200枚が販売され、取引は61万9000件に達しましたが、インバウンド観光客の膨大な数と比較するとまだ大きな向上の余地があります。
第二に、オンラインとオフラインの多言語対応を整備します。
個人旅行の観光客にとって、地図アプリによる道案内をうまく利用できないことは、さらに都市の文化観光資源を探索し、特色あるお店を体験することを大きく制限しています。上海国際観光公益プロモーターの楽蓋曦氏は、百度地図と高徳地図が主要な機能ボタンに英語の表示を追加したり、または「小紅書」や「大衆点評」などのソーシャルコマースプラットフォームの成功経験を参考にして、リアルタイム翻訳機能を加えたりすることを提案しました。また、核心的な観光エリアに英語の表示を追加し、インバウンド観光客にタクシーに乗る案内を提供することも挙げられました。
第三に、客源の好みに応じて観光商品をカスタマイズします。
どのようにして海外の観光客が海派文化、無形文化遺産、特色あるお店などの魅力的な上海の穴場スポットを深く体験できるようにするのでしょうか?春秋旅行社の周衛紅副社長は、韓国、日本及び東南アジア諸国などの近距離市場に対して、カスタマイズされた特色ある観光商品を試す価値があると提案しました。上海で週末を過ごすのが好きな韓国人観光客に向けては、「上海3日ツアー」などのコースセットを重点的に推薦し、POP MART(ポップマート)に夢中になっているタイからの観光客に向けては、上海のいくつかの二次元「買い物天国」を重点的に紹介するのはいいでしょう。
現在、中国は25の国と全面的なビザ相互免除を実現し、38の国に一方的なビザ免除措置を試行し、54の国に240時間のトランジットビザ免除措置を実施しています。こういう有利な政策背景のもとで、インバウンド観光商品の開発と設計だけでなく、PRにおいても、より多く観光客のニーズに焦点を当て、表現方法と戦略を変える努力が必要です。インバウンド観光客に心を込めてサービスを提供することが極めて重要です。すべての中国旅行を終えた観光客は「China Travel」のアンバサダーであり、彼らの旅行体験と評価は直接に親戚や友人が中国と上海に来る意欲に繋がります。利便性と開放度を引き続き向上し、国際友好型の観光商品システムを全力で構築し、インバウンド観光のPRを強化しいてこそ、「中国インバウンド観光のファーストストップ」という上海の優位性をしっかりと発揮できます。
出典:上観新聞(Shanghai Observer)