上海で働く外国人向けの医療保険ガイド
上海で法に基づき就労し、「職工社会保険(従業員向けの社会保険)」に加入している外国人は、規定に従い「職工基本医療保険(従業員向けの基本医療保険)に加入するものとします。
また、就労者に限らず、中国での永住権(「外国人永住居留証」)を取得した未就労者や海外人材の家族など、条件を満たす上海在住の外国人も、上海市の都市・農村住民基本医療保険に加入することができます。
よくある質問
1. 上海で「職工基本医療保険」に加入している外国人就労者は、外来・救急および入院時にどのような給付を受けられますか?
上海市の「職工基本医療保険」に加入した外国人就労者は、上海市における「職工基本医療保険」制度に基づき、所定の医療給付を受けることができます。
外来・救急受診
在職中の従業員が1年間に外来や救急で受診した際に発生する、上海市「職工基本医療保険」の対象となる費用は、医療保険専用の個人口座の「当年度積立金」から支払われます。
個人口座の残高が不足する場合は、まず外来・救急受診における自己負担額の起点額(500元)まで本人が負担します。その起点額を超えた部分については、「職工基本医療保険」(以下、「統括基金」)から次の割合で支給されます。
●1級医療機関(地域・コミュニティー衛生センター等)で外来・救急診療を受けた場合:80%
●2級医療機関(中規模病院等)で外来・救急診療を受けた場合:75%
●3級医療機関(大規模総合病院等)で外来・救急診療を受けた場合:70%
なお、外来・救急診療における自己負担起点額までの医療費、および統括基金支給後の残りの部分については、まず個人口座の過年度繰越残高から支払われ、不足分は本人負担となります。
入院
在職中の従業員が入院、または救急観察室で経過観察を受けた際に発生する、統括基金の支給対象となる医療費には、自己負担起点額が設定されています。起点額は1500元で、1500元以下の医療費は個人口座の過年度繰越残高から支払われ、不足分は自己負担となります。
1つの「医療保険年度(保険料算定および給付適用の基準期間)」内に、入院または救急観察室での経過観察により発生した医療費のうち、累計で1500元を超える部分については、統括基金から85%が支給され、残り15%は個人口座の過年度繰越残高から支払われます。不足分は本人負担となります。
支給上限額
2026年度の「医療保険年度(2026年7月1日~2027年6月30日)」における「職工基本医療保険」の統括基金の年間支給上限額は67万元となります。
1つの「医療保険年度」内に、入院または救急観察室での経過観察により発生した医療費が支給上限額を超えた場合、その超過分については付加基金から80%が支給され、残り20%は本人負担となります。
2. 上海に滞在する未就労の外国人とその家族は、住民医療保険に加入できますか?
加入の可否は、個人の居留資格や条件によって異なります。上海市の現行の住民医療保険に関する規定に基づき、以下の条件に該当する上海在住の外国人は「上海市都市・農村住民基本医療保険」に加入することができます。
1.「上海市居住証B証」所持者の未就労の配偶者、および18歳未満または高校在学中の子ども
2.「上海市白玉蘭人材計画」などの関連人材プログラムに選出された海外人材の未就労の配偶者、および18歳未満または高校在学中の子ども
3.「外国人永久居留証」を所持している未就労者
3. 上海の住民医療保険に加入した後、どのような医療給付を受けられますか?
住民医療保険の加入者は、規定に基づき外来・救急診療および入院に関する医療給付を受けることができます。
外来・救急診療
外来・救急診療(「在宅病床(医療機関が患者の自宅や高齢者施設などを設け、医療スタッフが訪問して診療・看護・リハビリ等を行う在宅医療サービス)」を含む)を受けた際に発生する、都市・農村住民医療保険基金の支給対象となる医療費には、自己負担起点額が設定されています。
1つの「医療保険年度」内における医療費の累計額が自己負担起点額を超えた場合、その超過分については、都市・農村住民医療保険基金から一定割合で支給され、残額は本人負担となります。
自己負担起点額は以下のとおりです。
●60歳以上の方、および大学生、小学校・中学校・高校生、乳幼児:300元
●18歳を超え、かつ60歳未満の方:500元
都市・農村住民医療保険基金による支給の割合は次のとおりです。
● 1級医療機関またはコミュニティ衛生サービスセンターで外来・救急診療を受けた場合:70%
● 2級医療機関で外来・救急診療を受けた場合:60%
● 3級医療機関で外来・救急診療を受けた場合:50%
なお、加入者が村の衛生室、または所属大学内の医療機関で外来診療を受けた場際に発生する、都市・農村住民医療保険基金の支給対象となる医療費については、自己負担起点額の算定対象外となり、都市・農村住民医療保険基金から80%が給付されます。
入院
入院する(救急観察室での経過観察を含む)際に発生する、都市・農村住民医療保険基金の支給対象となる医療費には、自己負担起点額が設定されています。その起点額を超えた場合、その超過分については、都市・農村住民医療保険基金から一定割合で支給され、残額は本人負担となります。
自己負担起点額は次のとおりです。
●1級医療機関または地域衛生サービスセンターへ入院する場合:50元
●2級医療機関へ入院する場合:100元
●3級医療機関へ入院する場合:300元
都市・農村住民医療保険基金による支給の割合は次のとおりです。
60歳以上の方:
●1級医療機関または地域衛生サービスセンターへ入院する場合:90%
●2級医療機関へ入院する場合:80%
●3級医療機関へ入院する場合:70%
60歳未満の方:
●1級医療機関または地域衛生サービスセンターへ入院する場合:80%
●2級医療機関へ入院する場合:75%
●3級医療機関へ入院する場合:60%
4. 外国人はどのように医療保険カードを取得・利用できますか?
原則として、上海市では現在、医療保険カードの新規発行は行っていません。だだし、上海市の社会保障カード関連制度に基づく申請対象者には該当しないものの、すでに上海市の医療保険に加入している方については、当面の間、医療保険カードが発行される場合があります。
申請要件を満たす外国人医療保険加入者は、本人の状況に応じて、「外国人永久居留証」またはパスポートなどの必要書類を持参し、区の医療保険事務センター、または社会保障カード(医療保険専用カード)の発行権限を持つ街道・コミュニティ事務受付サービスセンターで申請することができます。
また、上海市の医療保険加入者は、医療保険コード(デジタル医療保険証明)を申請することができます。このコードを提示することで、医療機関での受診や医薬品の購入、医療費の精算に利用できます。
医療保険コードは、「国家医保服務平台(国家医保服務プラットフォーム)」アプリ、「随申弁」アプリ、アリペイ(Alipay)、WeChatなどを通じて申請・利用できます。
5. 上海で医療保険に加入後、他の省・市で受診する場合はどのような手続きが必要ですか?
上海市の「職工基本医療保険」と「住民医療保険」の加入者のうち、条件を満たす場合は、他の省・市で受診する際、現地での医療費直接精算サービスを申請することができます。
他地域での受診に関する事前登録は、以下の方法よりオンライで行うことが可能です。
●「国家医保服务平台」アプリ
●「国家異地就医備案(国家他地域での受診の事前登録)」WeChatミニプログラム
●「跨省異地就医備案(省を跨ぐ他地域での受診の事前登録)」Alipayミニプロ グラム
●「随申弁」アプリ
また、各区の医療保険事務センターやココミュニティ事務受付サービスセンターの窓口でも手続きが可能です。
規定に基づき事前に登録手続きを完了した加入者は、登録先の地域で直接精算に対応している指定医療機関にて、直接精算サービスを利用できます。
規定に基づき事前登録手続きを完了した後、システム障害や保険カードの不具合などにより直接精算ができなかった場合は、いったん医療費を立て替えた上で、受診後6か月以内に必要書類を持参し、医療保険事務を取扱う機関へ申請することで、基本医療保険基金の規定に適合する医療費の払い戻しを受けることができます。
なお、事前登録を行わずに他の省・市で外来受診や入院をし、個人より現金で支払った場合でも、6か月以内に必要書類を持参し、上海市医療保険事務を取扱う機関へ事後登録を行い、基本医療保険基金の規定に適合する医療費の払い戻しを受けることを申請できます。
6. 外国人就労者が中国を出国し、上海の社会保険口座を解約した場合、医療保険の個人口座はどうなりますか?
在職中に中国を出国(境)し、上海市の社会保険口座を解約した場合、個人医療口座は社会保険口座の解約手続きが完了した日の翌月をもって解約されます。
また、「医療保険年度」の途中で個人医療口座を解約する場合、在職中の従業員は実際に納付した職工基本医療保険料、定年退職者は基本医療保険給付の受給状況に基づき、年度当初に前払いされた保険基金の過不足を精算します。不足している部分は追加支給され、過剰分は差し引かれます。
出典:上海市医療保障局、上海市人民政府網