2025秋是国際演劇祭「Autumn IS」が閉幕
12月14日、1ヶ月以上にわたり開催された2025秋是国際演劇祭「Autumn IS」が盛況のうちに閉幕しました。
今回の演劇祭では、ベルギー、ドイツ、フランス、日本、ベラルーシ、中国からの10作品・全54公演が上演され、すべての作品が上海初演で、その中には、中国初演やアジア初演となる作品も数多く含まれていました。来場した観客数は1万4000人を超え、客席稼働率は70%以上に及びました。オンラインとオフラインを合わせた参加者数は延べ184万7000人を上回りしました。
10月から12月に上海で開催された2025秋是国際演劇祭「Autumn IS」(写真・澎湃新聞)
3回目を迎えた今回の国際演劇祭は、規模と芸術的完成度に至るまで、さらに進化を遂げました。昨年の8作品・28公演から、今年は10作品・54公演へと拡大しました。ジャンルもマジック、音楽、ドキュメンタリー、ビジュアルアート、人形劇の没入型体験まで幅広く、世界的な監督から新進気鋭のクリエイターまでが次々と登場しました。これにより、秋是国際演劇祭「Autumn IS」は、世界の舞台芸術の最新トレンドを捉え、都市の芸術的視野を豊かにし、観客から注目されるアートブランドとなってきています。
(写真・上観新聞)
フランスのビジュアル人形劇『シュール・ファンタジー物語集』が生み出す光と影のファンタジーから、チャップリン一家による『ベルズ・アンド・スペルズ』の驚くべき視覚的効果まで。ドイツのシャウビューネ劇場による古典作品『ミヒャエル・コールハス』『リチャード三世』から、ベラルーシ共和国シアター(RTBD)による『わが故郷』『イブニング』といった、多様な舞台表現が言語や文化の壁を越えました。
また、ベルギーの『ザ・メイキング・オブ・ベルリン』や日本の『タンジェント』などのクロスメディア作品やインタラクティブ作品『ある箱(Handle with Care)』、林奕華の『あの時、あなたを見逃してしまった』など、斬新で多様なパフォーマンスが、観客に奥深さと温かさを兼ね備えた劇場体験を届けました。
『イブニング』(写真・上観新聞)
演劇祭期間中、22の関連イベントが開催され、観客により豊かな参加の場を提供しました。作品のガイドツアー、クリエイター対談、ワークショップなど、様々な形式のイベントが行われ、延べ100万人以上が参加しました。著名なトーマス・オスターマイアー監督や林奕華らが大学を訪れ、創作経験を学生達に伝え、また、ベラルーシの演劇専門家は図書館で、読者と共に、グローバル化した文化文脈の中で、民族劇文化がどのように位置づけられるかを探りました。
また、イベントの主催者の1つであるYOUNG劇場が開催したイベント「YOUNG工房」では、異文化コミュニケーショントレーニングが行われました。「24時間創作チャレンジ」では、演劇好きが観客から創作者へと転じ、限られた時間内でのコラボと即興パフォーマンスを通して、自らの芸術的なポテンシャルを引き出す試みが行われました。
復旦大学でトーマス・オスターマイアーと対談する孟京輝(写真・澎湃新聞)
学生たちと対談する林奕華(写真・澎湃新聞)
2025秋是国際演劇祭「Autumn IS」では、YOUNG劇場の「ボーダレス(無境界)」というブランドコンセプトにも沿って、KIC創智天地の周辺に集まっている大学やコミュニティの豊富なリソースを活かし、芸術をコミュニティに、そして日常生活へと浸透させました。複数の作品が、このエリアで公演前のアートガイドツアーを実施したほか、周辺の30を超える店と連携したチケット半券企画やコラボイベントも展開し、「演劇+商業+文化観光」を融合させるという新たな取り組みが進められました。
出典:澎湃新聞、上観新聞、新民晩報