上海市、ビジネス環境の最適化を持続的に推進
2026年第1四半期、上海市の新設外資系企業は前年同期比14.0%増の1538社に達しました。外資導入額(実行ベース) は前年同期比7.6%増の48億9700万ドルとなり、全国平均を上回る伸び率を記録しました。
2018年に「世界一流のビジネス環境の構築を加速するためのアクションプラン1.0版 」(以下は「アクションプラン」)を発表して以来、上海はビジネス環境の最適化に向けた改革施策を毎年進化させ、ビジネス環境の整備を深化させてきました。2025年12月末時点、世界銀行によるビジネス環境評価では、上海が59の評価項目のうち22項目で世界最高水準に達しており、その数はニューヨーク、シンガポール、香港、ソウル、ロンドンを上回っています。
2026年1月4日、上海は「アクションプラン9.0版 」を発表し、「行政サービス」「市場競争」「産業エコシステム」「社会協働ガバナンス」の4つの分野を軸に、ビジネス環境改革をより広く、より深い段階へと推し進めています。
政策サービスをワンストップで利用可能
2026年6月29日、「上海市統一政策発表プラットフォーム」が正式に運用を開始しました。市内770の政策実施主体による約1万件の有効政策が集約され、すべての政策文書がリアルタイムで公開されています。また、図解やショート動画などにより、企業が政策内容をより理解しやすいようにしています。
これに先立ち、企業向けの優遇政策検索・申請に特化した「随申兌」プラットフォームも1年以上稼働してきました。政策情報の購読や適合性診断、申請といった一連のサービスをワンストップで提供するとともに、「政策シミュレーター」を通じて企業に適した政策情報を的確にプッシュ配信しています。
さらに、同プラットフォームでは、「免申即享(申請不要・即時享受可能)」の対象政策に緑色のマークが表示されており、要件を満たす企業は申請不要で直接給付を受けられます。2026年初頭時点で、上海の市・区レベルにおいて826の政策プロジェクトが「免申即享」の対象になり、延べ706万社以上の企業にサービスを提供しています。
負担軽減と市場秩序の規範化を両立
企業に関する行政検査の規範化について、上海市は2025年1月1日から全国に先駆けて、企業向けの行政「検査コード」を全面導入しました。企業は行政検査を受ける際、「随申弁」アプリより「検査コード」を読み取ることで、該当検査の根拠や関連法令執行情報を確認できます。2025年には、上海市における企業関連の行政検査件数が前年より40%以上減少し、行政検査に対する企業側の満足度も99.8%以上に達しました。
「アクションプラン9.0版」ではさらに、「信用+リスク」に基づくレベル別・類型別の監督を推進し、高信用力の企業や低リスクの業務については、立入検査の頻度を最大限抑制し、「不干渉モニタリング」の対象リストおよび「必要がない限り干渉しない」事項リストを動的に調整するとしています。
また、市場秩序の維持に向けて、上海市は市場秩序を乱す顕著な問題に対する的確な対策を進めています。2025年に、上海は「営利目的の職業的な損害賠償請求・通報行為を法に基づき規制するための意見」を打ち出し、総合的な判断の結果、営利目的の職業的な損害賠償請求・通報に該当すると認められた場合、「苦情・通報異常リスト」に掲載できることを初めて明確にしました。さらに2026年1月には、「職業的閉店代行者」を刑法の対象として刑事責任を問う全国初の事件が上海で審理され、判決が言い渡されました。
「検査コード」による行政検査から問題に応じた的確な市場管理まで、上海市はより安定的で透明性が高く、予見可能な市場環境の整備を進めています。
手続きの利便化から「産業エコシステム」の育成へ
現在、企業が拠点を選定する際、産業チェーン、人材、応用シーンといった総合的な産業エコシステムがますます重視されるようになっています。こうした背景を踏まえ、「アクションプラン9.0版」は、初めて「産業エコシステム」を中核として位置付けました。これにより、上海のビジネス環境改革は、個別の課題解決から、産業エコシステムを体系的に構築する段階へと移行しつつあります。
具体的な取り組みとして、上海は「一口受理(複数の行政部門へ個別に行う申請を、一つの総合窓口でまとめて一括して受け付ける仕組み)」を通じて、オフィスビルのリニューアルを推進し、2025年にはオフィス・商業ビル向けの専用プラットフォームも開設しました。現在までに46件のプロジェクトのリニューアルを完了し、その面積は110万平方メートルを超えています。
2019年、買収された「中港匯・黄浦」は、施設のリニューアルを進めるとともに、国家レベルの産業パーク運営会社を誘致しました。現在では、複数の医療・科学技術イノベーションセンターや生命科学関連機関が入居し、年間税収1億元規模を誇る「億元楼」へと成長しただけでなく、世界クラスのバイオ医薬品産業クラスターの構築を目指す上海市の全体戦略とも深く結びついています。
政策利用の「最後の1キロ」をスムーズに
上海市のビジネス環境改革の波は末端組織にも広がりを見せています。2026年5月に発表された「上海市ビジネス環境実務ガイド(2026年版)」では、企業のライフサイクル全体をカバーする6つのカテゴリー、30の実務シーンにおける60項目の利用頻度の高い手続きガイドが整理され、添付されたQRコードを読み取るだけで即座に活用できる仕様となっています。今後は同ガイドをさらに街道・鎮などの末端組織へと展開し、中小企業が政策をより簡単に入手・活用できるよう支援します。
「アクションプラン9.0版」では、街道・鎮への権限付与と支援を強化し、「街道・鎮発信、部門即応(街道・鎮が問題を発見・提起すれば、関連部門が直ちに現場対応する)」メカニズムの運用を推進するとともに、末端ビジネス環境の整備を年間10大重点課題の一つにも位置付けています。
政策サービスのワンストップ提供から、地域の現場で活用できる「実務ガイド」まで、上海市はビジネス環境を「手続きの利便性向上」から「エコシステムの充実」へと進化させ、あらゆる規模の企業が改革による利便性やメリットを実感できるよう取り組んでいます。
出典:解放日報