上海、外資系企業利益の再投資先の第一選択肢へ

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今年1月から10月にかけて、上海で新設された外資系企業は、前年同期比3.1%増の5169社となりました。注目すべきこととして、近年、海外投資家が利益を活用して中国での投資を拡大するように奨励することは、外資誘致の新たなトレンドとなってます。上海は、海外投資家の利益再投資先の第一選択肢の一つになりつつあります。

利益再投資とは、海外投資家が中国国内に所在する企業から受けた配当収益を海外に送金せず、中国国内に直接投資を行うことです。利益再投資は、既存の投資先企業への増資、新規企業の設立、またはその他の企業の株式取得などを含み、中国の外資系企業の投資データの重要な構成要素であり、現在の複雑な国際情勢の下で外資系企業の投資を促進する重要な機会でもあります。

6月末、中国財務部、国家税務総局、商務部は共同で「海外投資家が配当利益を直接投資に回す際の税額控除政策に関する公告」を印刷・発行し、刺激策が企業に利益もたらしています。KROHNE(上海)の松江工場の責任者である陳建龍氏は、「今年の配当収益は税額控除の要件を満たしました。300万元以上を控除できます」と述べました。同社の新工場が稼働開始後、中国市場にハイテク製品と最適な計測ソリューションを提供できるだけでなく、その業務がさらにアジア地域に拡大します。

これまで、上海は、FDI累計3700億米ドル以上を誘致し、上海に進出している外資系企業が約8万社あります。近年、利益再投資は上海が外資を活用する新たなトレンドとなっており、投資収益の安定化、投資コストの削減に重要な意義があります。Fisher Dynamics(上海)は中国への投資を拡大し、累計5200万元を投資して2回の工場拡張を行いました。同社の責任者である呉森琪氏によると、納税繰延政策が企業の再投資コストを効果的に削減し、累計520万元の課税を繰り延べたことが分かりました。今年の利益再投資税額控除政策発表後、同社は新たな工場増資計画を開始し、「新政策により、我々の増資と生産拡大に流動資産を注入し、中国市場での事業展開に自信を持っています」と同氏は述べました。上海投資初期段階で、上海レゴランドリゾートやテスラ上海ギガファクトリーも、海外投資家の再投資に関する税制を確認したことがあります。

これまで、上海は海外投資家の利益再投資の主要な選択肢の一つとなっています。データによると、「第14次五カ年計画」以来、外資系企業は累計1140億元以上の再投資税制優遇を受け、32カ国・地域の海外投資家が中国国内の配当収益を上海で再投資を行いました。その中で、米国、日本、ドイツ、英国は、再投資額がいずれも10億元を超え、ビジネスサービス業、コンピュータ・通信および自動車製造業の再投資額が20億元を超え、上海の重点産業分野のレイアウトとペースを合わせています。

上海市商務委は近日、海外投資家が配当利益を直接投資に回す際の税額控除政策に関する若干の措置を発表する予定です。7月から、虹橋国際中央ビジネス区や閔行区などで相次いで関連政策のトレーニングセミナーが開催され、同政策の実施を後押ししています。

出典:文匯報

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