2026年上海国際映画・テレビ祭、6月12日から26日まで開催
今年3月、国際映画製作者連盟(FIAPF)は新たな「A級映画祭」認定リストを発表しました。上海国際映画祭は、その高い専門性、国際性、先導性、公共性が高く評価され、中国で唯一の国際「A級映画祭」の地位を引き続き維持しました。
5月15日、北京で2026年上海国際映画・テレビ祭の記者会見が開催されました。第28回上海国際映画祭は6月12日から21日まで、第31回上海テレビフェスティバルは6月22日から26日まで開催されます。
発表会では、今年の映画祭「金爵賞」およびテレビフェスティバル「白玉蘭賞」の審査委員会メンバー全員のリストが公表されたほか、映画・テレビ両フェスティバルのポスターやプロモーション映像なども公開されました。また、全体的な準備状況についても説明が行われました。
第28回上海国際映画祭
第28回上海国際映画祭が6月12日から21日まで開催。(写真提供・第28回上海国際映画祭)
第28回上海国際映画祭の公募には、世界125の国と地域から約4100本の作品応募があり、過去最多を更新するとともに、新たな広がりも見せました。今回初めて、ガーナやモザンビークなどの国からも応募作品が寄せられました。この4000本を超える応募作品のうち、約3000本がコンペティション部門への申請条件を満たしており、そのうち世界初上映または国際初上映作品の割合は82%に達しています。「上海プレミア」は、ますます中国国内外の映画人がこぞって選ぶ発表の舞台となりつつあります。
第28回上海国際映画祭・金爵賞メインコンペティション部門の審査団(写真提供・上海国際映画祭)
金爵賞メインコンペティション部門の審査委員長は、香港の俳優、梁朝偉(トニー・レオン)が務めます。また、アジア新人部門の審査委員長には、シンガポールの映画監督・プロデューサー・脚本家であるアンソニー・チェンが就任します。審査委員団は計21名で、中国、アメリカ、イギリス、ドイツ、メキシコ、ポルトガル、シンガポール、カザフスタン、チュニジアなど、16の国と地域から集まっています。幅広い地域性を備えた顔ぶれは、世界映画文化の多様性を反映しており、審査過程にグローバルな視野と文化的包摂性を確保しています。また、着実に拡大を続ける国際協力ネットワークを通じて、伝統を守りつつ革新を追求しながら、世界の映画制作の最新成果と時代性を発信し、国際映画文化交流をより深く、より実質的に促進していくとしています。
上海国際映画祭の呼びかけによって設立された「一帯一路」映画祭連盟は、すでに50カ国からの57の加盟機関を擁しています。今年は、ヨルダン王立映画委員会などとの連携強化を重点的に進め、引き続きネットワーク拡大を進めていきます。今回の映画祭期間中には、この連盟を基盤として開催される「一帯一路」映画週間において、「アラブへのオマージュ」をテーマにしたライフスタイル・マーケットなどのイベントを通じて、中国とアラブ諸国との人的・文化的交流を促進します。また、国家外交上の重要な節目に対応する形で、今回の映画祭では「中国・エジプト国交樹立70周年」を記念し、中国中央広播電視総台(CMG)と協力し、特別企画「エジプト映画週間」を開催します。そして、「エジプト映画の父」と称されるユーセフ・シャヒーン監督の代表作や、優れた現代エジプト映画が上映されます。さらに、「中国・ブラジル文化年」に合わせ、「フォーカス・ブラジル」特集上映も企画され、現代ブラジル社会の多様な姿を紹介します。国際映画・映像マーケットでは、「オープニングレセプション&ブラジルナイト」の開催を皮切りに、中国とブラジルの映像産業間の連携・協力をさらに深めるとしています。
上海国際映画祭の上映部門は、これまで一貫して、個性的で多様かつ高品質な鑑賞ニーズに応える形で、豊富で多彩な内容、そして大規模な上映体制を備えた上映構成を展開してきました。現在では、国際的新作映画の中国への導入・配給・評価形成における重要なプラットフォームとなっています。今回の映画祭では、海外作品の上映本数は420本を超え、さまざまなテーマ別部門に分けられ、総計1500回以上の上映が行われる予定です。その中でも、映画史を掘り下げる企画として、ビリー・ワイルダーとマリリン・モンローのダブル回顧特集の上映、さらにイギリスの映画監督ケン・ローチの90歳記念特集の上映など、いくつもの大型古典映画特集も企画されています。
上映作品の選定は、最先端技術の発展動向にも密接に対応しています。IMAXやドルビーなどの高規格上映技術に加え、スティーヴン・スピルバーグ監督のSF名作や、フランスのアニメーション巨匠ルネ・ラルーによるSFアニメ三部作が特別に上映されます。また、世界各地の優れたSF新作映画やAI技術を活用した映画作品にも継続的に注目しています。新作部門も見どころ満載で、著名監督の最新作、映画祭セレクション、カンヌ映画祭話題作の同時上映、ワールドプレミア上映など、映画ファンに人気の高い企画部門では、引き続き世界
的に注目される最新作品を厳選して上映します。
第28回上海国際映画祭のポスターは、「光と影、すべてが物語」をテーマとしており、都市と映画との対話というコンセプトを継承しています。また、プロモーション映像『入場即入戲(足を踏み入れれば、もう物語の中)』は、映画から届けられた一通の「招待状」として表現されています。そこには、人々が日常の中に映画の影を探し、映画の中に人生の可能性を見出す、という意味が込められています。
第31回上海テレビフェスティバル
第31回上海テレビフェスティバルが6月22日から26日まで開催。(写真提供・上海テレビフェスティバル)
第31回上海テレビフェスティバルには、世界5大陸60の国と地域から1000以上の作品応募がありました。これは前年の43の国と地域と比べて39.5%増加しており、特にアジアおよび南米諸国からの応募増加が際立っています。海外ドラマ部門を例に挙げると、応募作品数は2025年の142作品から184作品へ増加し、応募国数も28から37カ国へと拡大しました。従来のヨーロッパ主要制作国に加え、タイ、マレーシア、パキスタン、カザフスタン、ベトナム、エジプト、ボスニア・ヘルツェゴビナ、サウジアラビア、ブラジルなど、多くの国から多数の応募が寄せられました。制作国の地域分布も、従来のヨーロッパ中心からヨーロッパ・アジア・中東・南米へと広がりを見せており、白玉蘭賞の世界的影響力と多様性はさらに深まっています。
今年のテレビフェスティバルの「白玉蘭賞」ドラマ部門審査委員長は、中国の映画監督・張永新が務めます。審査委員団は、中国、フランス、ドイツ、イタリア、シンガポール、アイルランド、マレーシアの7カ国から集まった15名で構成されています。
特筆すべきは、今回の白玉蘭賞の選考において、国際選考委員ネットワークが拡充・強化されたことです。欧米のベテラン選考委員との良好な協力関係を維持しつつ、中東やラテンアメリカ地域の専門選考委員を積極的に迎え入れました。多様な文化的視点を取り入れることで、白玉蘭賞への選考対象作品の幅と視野をさらに広げ、選考の国際化レベルと出品作品の出所の多様性が向上したとしています。
2026年は「中国・ブラジル文化年」にあたります。今回のテレビフェスティバル期間中には、1976年のブラジルのテレビドラマ『奴隷イザウラ』の特別上映が行われる予定です。また、主人公イザウラ役として広く知られるルセリア・サントス氏を中国に招き、交流イベントを行います。名作を懸け橋として、中国とブラジル両国民の相互理解を深めます。
第31回上海テレビフェスティバルのポスターは、「白玉蘭、未来を映す」をテーマに、白玉蘭をシンボルとし、伝統の中に新たな趣を生み出しています。また、今回のフェスティバルのハイライトである「白玉蘭、花の開く」授賞式は、6月26日夜、臨港地区で開催されます。
新人育成支援
2026年上海国際映画・テレビ祭では、さらに「新たな力」が「主力」へと成長するよう後押ししていきます。
短編映像制作に焦点を当てた「SIFF ING青年新鋭映像プログラム」では、今回初めて「スマホ映画制作キャンプ」を実施します。モバイル映像制作における専門的素養を備えた若手人材の発掘を目指します。また、「SIFF NEXT映像企画投資トレーニングキャンプ」は、中国国内で最も成熟した映像企画投資育成プログラムの一つとして知られているが、今回は初めて、産業人材育成と一般向け普及の両立を図ります。将来有望な新人クリエイターとその企画を育成するとともに、映像ファン向けにワークショップも開放します。さらに、「SIFF YOUNG×上海青年映画人支援プログラム」は創設5周年を迎えます。今回は初めて商業映画制作人材の推薦・紹介制度を導入し、中国語映画界をリードする「新人インキュベーター」としての機能を強化していきます。
今回の上海テレビフェスティバルでは、初めて「青年クリエイター・デー」が設けられます。これは、多層的な産業交流イベントを通じて、放送・映像業界における若手クリエイターに発表の場と成長支援を提供することを目的としています。当日は、若手クリエイター向けに、一日を通して以下の特別プログラムが企画されています。円卓フォーラム1回(若手クリエイターを招き、長編ドラマ・中編ドラマにおける物語表現について議論を行う)、オープンマイクイベント1回(若手クリエイターが自由に発言し、互いの意見をぶつけ合える場を設ける)、ワークショップ2回(業界内の専門分野別テーマに焦点を当て、事例共有や実践的分析を深める)。
技術革新への注目
最先端技術は現在、映像業界に構造的な変革をもたらしています。今回の映画・テレビ祭では、映像技術の最前線動向に焦点を当て、「映像芸術+デジタル・インテリジェンス技術」の双方向的な融合を推進することで、映像産業のデジタル化・高度化における「上海モデル」の構築を目指しています。
「映画+AI」創作実践の深化。今回の映画祭では、動画生成AIプラットフォームである「Hailuo AI」と共同で「AIスタジオ」という特別企画を新設します。この企画では、「映像クリエイター+AIクリエイター」による融合制作モデルを構築し、AI技術が映像制作や産業プロセス、人材構造にもたらす大きな変化に積極的に対応しています。この企画には、すでに約500名のクリエイターから応募があり、そのうち「90後(1990年代生まれ)」および「00後(2000年代生まれ)」の割合が60%を超えています。また、本企画では、AI映像制作を実際の制作工程に組み込み、全体プロセスを包括的に把握します。制作進行、役割分担、重要な意思決定などをすべて記録し、実践的な経験を蓄積することで、AIによる映像産業変革の可能性を探ります。一次審査を経て、11名のAIスーパークリエイターと11名の映像クリエイターが、すでに「東方シリコンバレー」と呼ばれる臨港新城に集結し、専門家監修チームおよび学術観察チームのサポートのもとで制作活動を開始しています。
「映画+テクノロジー」展示プラットフォームの構築。映画祭開幕初日には、「テクノロジー創制部門」始動式が開催されます。ここでは、映画とテクノロジーの融合発展を推進するための各種施策や特色あるイベントが発表されます。そして、上海科技影都が、ハイエンド映像制作や先端技術の応用分野での成果も集中的に展示します。また、国際映画祭のSF部門では、上海科技館との特別連携も行います。映像作品が科学知識の普及や科学精神の啓発において持つ独自の強みを活かし、多様な都市型芸術教育の新たな可能性を広げていきます。
「映画+VR」没入型空間の創出。今回の映画祭では、静安区文化・観光部門と連携し、映画館で着席して鑑賞するタイプの上映や、歩きながら体験する大規模空間上映など、特色ある企画を実施します。また、「オールプレミア上映」シリーズを通じて、VR映像が物語表現、映像・音響言語、技術応用の各分野で行っている新たな挑戦を集中的に紹介します。さらに、没入型映像制作によって映像表現の可能性を広げ、思想性・芸術性・技術力を兼ね備えた高品質なVR作品の制作を後押しすることで、VR映画産業の標準化・大規模化を着実に推進していきます。
「イベント+発信力」を軸としたショートドラマ産業拠点の構築。今回のテレビフェスティバルでは、マイクロショートドラマ業界の発展に特に注目しています。「次元折りたたみ」マイクロショートドラマ制作プログラム、フォーラム、商談会などのイベントを通じて、マイクロショートドラマを単なる「アクセス数重視の商業コンテンツ」から「質の高い文化コンテンツ」へ転換させることを目指しています。また、新たな大衆文化の時代背景の下で、マイクロショートドラマを、一時的な「現象」から、持続的な「産業」へと発展させるよう推進していきます。
映画経済の活性化
2026年は「映画経済促進年」に位置づけられています。上海国際映画祭は、上海、さらには中国を代表する文化ブランドIPとしての影響力を最大限に発揮し、映画館への観客動員をさらに商業施設や街区へと広げ、文化・商業・観光・スポーツ・展示会の融合を力強く推進していきます。また、映画祭・テレビフェスティバルの会期を延長し、消費シーンを広げることで、より多くの観客に恩恵をもたらし、波及効果を高めていきます。
今年の上海国際映画・テレビ祭では、「超ロング上映モード」を導入し、6月12日から6月28日までイベントを継続します。映画祭閉幕後の1週間には、金爵賞受賞作品および人気作品の特別再上映も実施されます。今回の映画祭の上映スケジュールは6月3日に公開され、6月5日より公式チケット販売プラットフォームである「大麦」アプリで販売が開始されます。今年はさらに、金爵賞5部門の受賞作品をテーマにした「ブラインドボックス」商品や、「歴代金爵賞受賞作品シークレット版」も発売される予定です。今流行りのブラインドボックスの形を通じて、「金爵ファン」の映画への思いに応えるとしています。さらに、5月20日には「スターの輝きと人々の日常―上海国際映画・テレビ祭特別展」が開幕します。500点を超える貴重な実物資料と映像アーカイブを展示し、AIなどのデジタル技術やインタラクティブ装置を融合させ、2カ月にわたる没入型映像記憶体験を提供します。
上海国際映画祭は、文化・商業・観光・スポーツ・展示会の融合を軸に、多業態連携による「都市の五感体験」を創り出します。まずは「都市回遊感」です。武康路映画街区、新華路・幸福里、大豫園など人気エリアと連携し、フォトスポットを設置するとともに、コラボ回遊ルートを展開します。さらに、携程(C-Trip)や滴滴出行(DiDi)と連携し、中国到着後の「最初のワンシーン」を演出します。
次に「都市の儀式感」です。今回初めて『映画ファン・パスポート』を発行し、映画鑑賞、スタンプ収集、交流イベントなどを、映画祭期間中のライフスタイルとして打ち出します。
さらに「都市のテクノロジー感」です。松江区および上海電影集団と連携し、「テクノロジー創作部門」を共同展開します。それにより、映画ファンや市民が産業パークを訪れ、映像産業の魅力を体感できるようにします。
また、「都市のグルメ感」も打ち出します。ECプラットフォームの美団と協力し、映画鑑賞後のナイトドリンク文化という新たな体験を創出します。そして、浦東新区と共同で「一帯一路」ライフスタイル・マーケットを開催し、アラブ文化パフォーマンスや端午節民俗イベントなども行われます。
そして「都市の文化感」です。Bilibiliや小宇宙などのコンテンツプラットフォームと連携し、「映画」を通じて共鳴する人々が繋がる場を作り出します。
今回のテレビフェスティバルでは、「白玉蘭の香り」国際優秀番組特集の放送を通じて、公共文化サービスのカバー範囲と実効性をさらに高め、市民の基本的文化享受権を保障するとともに、白玉蘭賞ブランドの影響力と発信力を強化することを目指しています。テレビ特集放送では、今回の白玉蘭賞応募作品およびノミネート作品の中から人気作を選定するほか、世界的に影響力のある優れた作品も積極的に選び出し、SMG上海広播電視台の衛星チャンネルおよび地上波チャンネルと連携して放送します。放送する作品には、世界各国の秀れたドラマ、ドキュメンタリー、アニメ作品などが含まれます。また、オフラインでの市民向け優待上映では、異なる観客層に向けて「3+3」テーマ部門を企画しています。具体的には、「子どもと楽しむ」親子テーマ部門、「輝く地球」自然テーマ部門、「もう一つの人生」科学・人文テーマ部門に加え、「中国・ブラジル文化年」特別企画部門、「ハズブロ特別協力」部門、「アジア・アフリカ特集」部門が設けられます。さらに、市民向け上映イベントの魅力と専門性を高めるため、上映に合わせて監督・出演者によるトークイベントなども開催される予定です。
出典:上観新聞、文匯報