「上海オーダーメイド・Shanghai Style」――都市の新たな代名詞を構築
上海は古来より、東西の文化が交わる拠点として知られてきました。この都市には、中国伝統文化の真髄を今に伝える老舗が深く根を張る一方で、世界中の多様な文化や製品が共生し、独自の発展を遂げています。
現在、上海では消費モデルの高度化が進んでいます。先日発表された「上海オーダーメイド・Shanghai Styleの立ち上げ、消費の質の向上・拡大を促進するための総合計画」では、2~3年かけて「上海オーダーメイド・Shanghai Style」を世界的に認知される都市の新たな代名詞にする方針が明確に示されました。
実のところ、「オーダーメイド」は、上海で長い伝統を有しています。かつての上海を象徴するチャイナドレスや洋服、手作りの腕時計から、現代のハイエンドジュエリーに至るまで、「オーダーメイド」は常に上海の洗練されたライフスタイルと卓越したものづくりの代名詞であり続けてきました。
(写真提供・WeChat公式アカウント「上海商務」)
近年、世界の消費トレンドは「標準化」から「パーソナライゼーション」へと急速に進化しています。その中、画一的な量産品では、消費者が求める「感情的な価値」や「アイデンティティ」、「文化による自己表現」といったニーズを満たしきれなくなっています。こうした背景から、個人の感情やライフスタイル、美意識に寄り添う「オーダーメイド」が、まさに今求められているのです。
上海を代表する観光・文化エリア「豫園」では、「オーダーメイド消費」が独自の進化を遂げています。例えば、ジュエリービル「紫錦城」内にあるオーダーメイド ジュエリー工房「老搭子」では、販売数の9割をオーダーメイドが占めています。オーナーの兪達人さんは、「そのスタイルがお客様の日常スタイルに合わなければ、あえて購入を控えるよう勧める」という、一見「反商業的」とも取れる哲学を貫いています。このような専門性に基づく誠実な対応により、顧客との間に強固な信頼関係を生み出しています。加工費だけが3万元を超える場合でも、顧客が喜んで対価を支払うのは、「自分が真摯に向き合ってもらえるのだ」という確信で購入しているからに他なりません。
こうした「確かさ」を顧客に見せるため、老舗ジュエリーブランドの「老鳳祥」は新規オープンした旗艦店の目立つ場所に全面ガラス張りの制作工房を設置しました。店舗と工房の一体化により、かつてショーケースの中で静止していた無形文化遺産の技が、顧客が参加し体験できる「生きたプロセス」へと生まれ変わりました。
このような工業的なライン生産では実現できない「配慮」は、一人ひとりの顧客と対面コミュニケーションを重ねる中で、「デザイン―制作―販売」をつなぐパーソナライズされた循環が形成され、オーダーメイド経済の中核的な付加価値となっています。
上海を訪れる外国人観光客の増加に伴い、「オーダーメイド消費」は国際的な広がりを見せており、各ジュエリー店舗では外国人客の姿が一段と増えています。紫錦城のある制作工房では、ピーク時には1ヶ月で20組以上の海外客を迎えました。
彼らを引きつけるのは、上海独自の文化「海派文化」のエッセンスを取り入れたデザインです。外灘の歴史的建造物のシルエットや石庫門のアーチ、ハクモクレンの花、プラタナスの葉など、デザイナーたちはこれらの文化的な要素を現代的な美意識で再解釈し、東洋と西洋文化が融合した唯一無二のジュエリーを生み出しています。
ジュエリーの卸売・小売を中心とする商業集積地・紫錦城では、SNSで見たデザインや情報を頼りに、自分だけのジュエリーを求めて各地から足を運ぶ若者の姿もよく見られます。東洋的な美意識と個人のアイデンティティを兼ね備えたこれらのアイテムが世界各地へと持ち帰られることにより、「上海オーダーメイド」は単なる商品から、「海派文化」を世界に発信する担い手にもなっています。
この傾向は、南外灘オーダーメイドセンター(旧・軽紡面料市場)でより顕著です。同センターは「Tripadvisor」の上海観光ランキングで外灘に次ぐ第2位にランクインしており、Googleマップでも4.8の高評価を獲得しています。現在、ここの多くの店舗では英語対応が可能になり、画像持ち込みによるオーダーや海外発送などのサービスも提供されています。かつて地元の人々のための「仕立て屋」だった場所が、今や世界中から顧客が集まる国際的な窓口へと進化を遂げたのです。
(写真提供・WeChat公式アカウント「上海黄浦」)
しかし、現状を見ると、上海には国際的に十分認知されていない優れた工房がまだ多くあります。「上海オーダーメイド」というブランドの確立は、ブランドの構築、消費高度化と都市のソフトパワーへの評価向上を図るもので、上海のオーダーメイド製品の品質を裏付ける「共通の証明」となるとともに、世界の消費者にとって優れた商品を見つけるための道しるべともなります。この目印に沿って進めば、上海のオーダーメイド製品の頂点に触れることができます。
また、今回の施策では「上海工匠」の育成をオーダーメイド分野に重点的に集中させ、無形文化遺産の継承者が工房へ参画することを奨励しています。これにより、業界に常に新たな活力を注ぎ、技術継承の課題解決を図っています。
今後、上海はオーダーメイドサービスの「スピードと利便性」のさらなる向上に取り組み、観光客が求める「その場で持ち帰りたい」というニーズと、制作に必要な「納期」とのギャップを縮めていきます。より行き届いたサービスと、高品質でありながらコストパフォーマンスが優れた製品の提供を通じて、国内外の顧客が「自分だけの一品を作る」ために上海を訪れる――そんな都市像の実現が期待されています。
出典:WeChat公式アカウント「上海商務」