蘇る千年の西域文明——舞劇「亀玆(クチャ)」、上海国際芸術フェスで上演決定

japanese.shanghai.gov.cn| 2025-09-22

中国・新疆からの舞劇「亀玆(クチャ)」が、世界初公演として2025年11月7日から9日にかけて、上海国際芸術フェスの上海文化広場に登場し、舞踊の形で千年の亀玆(クチャ)文明を呼び覚ますことになりました。

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舞台のワンシーン(提供者不明)

舞劇「亀玆」は、玄奘の第三者的視点を通じて、高僧・鳩摩羅什が数々の苦難を乗り越え、不屈の精神で歩んだ伝説的な生涯を描きます。鳩摩羅什を主軸として、「その地に根ざす亀玆」と「行き交う亀玆」という2つの側面を結び付けます。前者は石窟や壁画などの遺跡を基に、四大文明が融合して形成された独自の亀玆文化を表現します。後者は亀玆の音楽・舞踊や仏教芸術が東へと伝わる過程における文化の変容を描きます。注目すべきは、劇中に玄奘の西方への経典を求める旅と、鳩摩羅什の東方への仏法を伝える旅という「双方向の邂逅」が織り込まれている点であり、2人の足跡が亀玆で交わり、文明の継承を証し立てています。

舞劇は60名という大勢の出演者によって「砂漠から長安へ至る舞踊のシルクロード」が演じられます。伎楽天が壁を破って舞い出す場面や「十三天人儀軌」といった西域美学の場面を示しながら、中原の雰囲気も融合させ、亀玆石窟の文化遺産と音楽・舞踊の華麗な章を視覚と聴覚の饗宴として再現します。

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舞台のワンシーン(提供者不明)

この舞劇の演出家・佟睿睿氏は「創作に当たって亀玆文化の価値を深く掘り下げました。つまり、亀玆は仏教が東に伝わる最初の拠点であり、その影響は敦煌の芸術にまで及びました。さらに、鳩摩羅什の経典翻訳から生まれた『煩悩』『苦海』といった語彙は今や日常生活に溶け込んでいます。この舞劇は、こうした『日常的に使いながらも意識されていない』文化的要素に再び光を当て、舞踊を通じてその輝きを蘇らせることを目指しています」と述べました。

出典:新疆庫車市融媒体センター、央広網