『中村仲蔵~歌舞伎王国 下剋上異聞~』上海公演、ついにラスト10公演がスタート
9月13日から21日まで、日本語オリジナル舞台『中村仲蔵~歌舞伎王国 下剋上異聞~』のラスト10公演が交通銀行前灘31演芸センターで上演されます。これは舞台『千と千尋の神隠し』に続いて上海で上演されるもう一つの大型海外舞台劇であり、全国で唯一の開催地となります。
9月10日、『中村仲蔵~歌舞伎王国 下剋上異聞~』のメディアブリーフィングでは、演出を務めた蓬莱竜太が主演の藤原竜也や市原隼人ら主要キャストと共に登場し、この日本歌舞伎の美学を融合した現代演劇作品の背景にある物語について語りました。藤原竜也をはじめとする主演陣は舞台衣装を身にまとい、舞台メイクで登場しました。「『中村仲蔵~歌舞伎王国 下剋上異聞~』の後も、また上海に来る機会があれば、スタジオジブリのアニメIPに負けないように、1カ月以上の公演を実現させたいと思います」と藤原竜也は語り、会場は笑いに包まれました。
蓬莱竜太さんは「歌舞伎役者ではないキャストが歴史上実在した歌舞伎関係者を演じることで、作品に現代的表現を与えることができました。同時に、伝統的な歌舞伎界の厳しい要求に応えられるよう、特別なトレーニングが必要でした。中国の観客の皆さんが劇場に足を運び、この作品が描く歌舞伎の世界に浸ってくださることを期待しています」と語りました。


『中村仲蔵~歌舞伎王国 下剋上異聞~』の舞台写真(写真提供・上観新聞)
『中村仲蔵~歌舞伎王国 下剋上異聞~』は、主演の藤原竜也が2018年の舞台『ムサシ』に続く2度目の上海公演となります。7年ぶりの上海再訪について、藤原竜也は「今、とても緊張していますが、すごくワクワクしています。7年前、『ムサシ』で初めて上海に来て、皆さんにとても温かく応援していただきました。今回は『中村仲蔵』で最高のパフォーマンスをお見せし、皆さんに楽しんでいただけたら嬉しいです」と語りました。


『中村仲蔵~歌舞伎王国 下剋上異聞~』の舞台写真(写真提供・上観新聞)
一方、蓬莱竜太さんは「開拓者の立場に立つ者だけ見られる風景があります。藤原竜也が演じる歌舞伎界の先駆者・中村仲蔵と、現代の俳優・藤原竜也の間には、同じような孤独の気配を感じました」と述べました。
脚本を手がけた源孝志は、「上海は北京と並ぶ京劇の都だと聞いています。古典劇に対する目の肥えた地元観客の方々も、少なからず観に来られることと思います。ことに仲蔵の物語は、歌舞伎界の生々しい舞台裏や権力闘争にフォーカスした作品で、様式美に満ちた壮大な史劇の中で、一瞬の煌めきのような人間感情を垣間見せる事を上とする京劇とは異なります。思い切り人間臭い本作が、中国の演劇ファンにどのように評価されるのか、その上海公演を心から楽しみにしています」と語りました。
出典:上観新聞