ケント・ナガノ率いるハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団、上海初上陸
今年は日系アメリカ人指揮者ケント・ナガノがハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者およびハンブルク国立歌劇場音楽総監督を務めて10年目の最終シーズンです。正式に退任する前に、「告別ツアー」の一環として、彼は初めて同楽団を率いて中国を訪れ、MISA(上海サマー音楽祭)のステージに立ちました。
ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団(写真提供・澎湃新聞)
2015年、ケント・ナガノはハンブルク国立歌劇場の音楽総監督に就任したと同時に、ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を兼任しました。ハンブルクでの10年間、彼は卓越した技術と独自のスタイルでオーケストラと共に特別な「ハンブルクの響き」を築き上げました。「指揮者一人でオーケストラの音を形作れると思うのは傲慢です。これは人為的に強要できるものではなく、有機的なプロセスです」とナガノは語りました。公演前、ナガノと楽団員たちは音色、全体の調和、統一された音楽観などの完璧さを追求するために、最大限の努力を重ねます。
レパートリーにおいて、同楽団はクラシックの伝統を継承しただけでなく、多くの他楽団よりも優れた先見性を持ち、数多くの現代音楽作品を演奏してきました。上海公演では、ナガノは観客が「ハンブルクの伝統」とともに、「未来の呼び声」も感じられることを望んでいます。
コンサートでは、楽団はイェルク・ヴィトマンの『コン・ブリオ』、ベートーヴェンの『交響曲第7番』を演奏しました。また、ポーランドのピアニスト、ラファウ・ブレハッチと共演し、モーツァルトの『ピアノ協奏曲第24番』を披露しました。
ケント・ナガノ(写真提供・澎湃新聞)
ナガノは「コンサートホールは音楽を聴く場所だけでなく、人々が集い交流する場所でもあり、都市の活力を象徴しています」と示しました。彼は、ドイツのエルプフィルハーモニーと上海交響楽団音楽ホールを二つの傑出したモデルと評し、友好都市であるハンブルクと上海の似ているところについて、「どちらも港湾都市であり、活気に満ちており、開放的な未来志向の国際社会への窓です」と語りました。彼は、「10年前と比べて、中国は驚異的な変貌を遂げ、今や世界で最も技術的に進んだ国の一つとなり、素晴らしいことです」と感嘆しました。
出典:澎湃新聞