東野圭吾原作の舞台『祈りの幕が下りる時』 上海嘉定で公演

舞台のワンシーン(写真・WeChat公式アカウント「上海嘉定」)
2月22日夜、東野圭吾の同名小説を原作とした舞台『祈りの幕が下りる時』は上海保利大劇院で上演されました。同舞台は、虚実が交錯する舞台美術、繊細な演技、そして心を揺さぶる人間性の秘密を通じて、観客に「事件の中の事件の中の事件」という推理の饗宴を届けました。
物語は、2つの奇妙な殺人事件を中心に展開しました。東京のアパートで発見された高度に腐敗した遺体と、その近くで発見された焼け焦げた遺体が、加賀恭一郎刑事の過去の謎を明らかにしました。手がかりを追っていくうちに、数十年もこらえて秘められた父の愛が浮かび上がりました——父親は娘の未来を守るため、自らを犠牲にして真実を隠しました。
ステージは6つのインダストリアルスタイルの廊下橋を中心に構成され、多層の吊りセットや照明の変化を駆使して、事件現場、記憶の断片、そして登場人物たちの内面世界を巧妙に分けて表現しました。
俳優たちは自制した演技を通じて、東野圭吾が描いた「愛のための犯罪」という悲劇の核を見事に演じました。特に、父と娘の逃避行のシーンでは、照明と音響が完璧に調和し、観客は劇場内での推理を楽しむと同時に、登場人物たちの運命に涙を流しました。
「登場人物たちはまるで本から出てきたみたいです」と語ったのは、高校生で東野圭吾の熱心なファンの王瀟漫さんです。「中学生の時に『白夜行』を好きになり、そして『放課後』や『嫌疑人Xの献身』も読みました。この舞台のセットやセリフは原作に忠実で、原作を読んでいない人にも理解できる内容で、すぐに友達におすすめしたいです」。
浦東からわざわざ来た孟士棋さんは、東野圭吾の作品は単なるミステリーにとどまらず、社会問題や底辺の生活に対する深い考察を含んでいると話し、舞台の臨場感は小説や映画では味わえない体験だったと語りました。
出典:WeChat公式アカウント「上海嘉定」