第26回上海国際映画祭金爵賞を受賞した日本アニメ映画『きみの色』が中国で大ヒット上映中
昨年6月、第26回上海国際映画祭で、日本のアニメ映画『きみの色』は金爵賞アニメーション部門の最優秀作品賞を受賞しました。半年余り経った2025年2月21日、明るい色と青春の律動にあふれるこの映画が中国で正式に上映されました。山田尚子監督が中国の観客のために特別に描いたキャラクター手描き原稿も上映直前に発表されました。日暮トツ子、作永きみ、影平ルイの3人の主役の青春あふれる顔と背景となっているカラフルな色彩が輝き合っており、原稿のかわいらしい画風から映画からあふれ出す温もりと癒しが感じられます。落款として書かれた「春のうちに、今日会いましょう」という映画鑑賞の招待にも監督の誠意と期待が込められています。
山田尚子監督が中国の観客のために特別に描いたキャラクター手描き原稿(写真・新民晩報/映画『きみの色』制作側)
『きみの色』は、人が「色」で見えるという能力を持つ高校生の日暮トツ子が、同級生の作永きみと影平ルイと一緒に古本屋で出会い、バンドを結成した物語を語っています。色と音楽をテーマにした青春物語として、波乱含みのストーリーも衝撃的な場面もなく、簡単な会話とぬくもりのあるディテールだけで、「痛む青春」の成長物語を完成させました。山田尚子監督の低彩度の淡い色の画面スタイルは、透き通った質感で雰囲気を醸成しています。これらの色は、青春の鼓動と秘密を語りながら、純粋な少年少女たちの性情をも映し出しています。
アニメ映画『きみの色』のポスター(写真・新民晩報/映画『きみの色』制作側)
山田尚子監督(写真・新民晩報)
上映前の週末に、山田尚子監督は上海大光明映画館に姿を現し、情熱に満ちた上海の観客とコミュニケーションし、リラックスして癒される映画のひとときを共有しました。「『きみの色』は色とりどりの色彩と繊細なタッチで青春の群像を描き出したので、私を高校時代に戻してくれました」と感想を共有した観客もいれば、映画の中から見たそれぞれのキャラクターの生き生きとした特質を共有した観客もいました。山田尚子監督は「『光』というコンセプトを色や音で表現しながら、人と人は言葉だけでなく、色や音楽など、異なる要素を通じて対話することができることを意識してもらいたい」と、創作時のインスピレーションについて、細かく述べました。
出典:上観新聞、新民晩報