「そして誰もいなくなった」が上海で上演、ベテラン英国俳優が中英劇場間の貴重な過去のエピソードを披露
ウエストエンドの英語演劇作品「そして誰もいなくなった」は今年初めて中国で公演されます。判事を演じるテレンス・ウィルトン(Terence Wilton)さんは、早くも1979年に、英国オールド・ヴィック・シアターの一員として上海と北京で上演されたシェイクスピアの「ハムレット」に出演しました。オールド・ヴィック・シアターが1949年以来初めて中国を訪れて公演した外国劇団であり、その「ハムレット」は中国で上演された初の外国人芸術家によるオリジナルシェイクスピア演劇作品ですので、当時の公演は非常に意義深いでした。
当時上海公演の会場となったのは、上海話劇芸術センターの前身である上海人民芸術劇院でした。テレンスさんは、劇団とともに上海に到着した時、温かい歓迎を受けたことを思い出しました。中国での公演は名誉なことで、英国側もとても重視し、スタッフもキャストも優秀だったと振り返りました。
上海でも北京でも、中国が公演を重視していることもテレンスさんに深い印象を残しました。演出者たちは英語で出演したため、当時の劇場は、舞台の片側に中国語に翻訳された字幕を設置したうえ、観客がイヤホンをつけて中国語の吹き替えで聞けるよう、センサー回路を設置しました。また、中国側は彼らのためにテレビ番組を制作しました。
45年後、テレンスさんは再び中国を訪れ、ウエストエンドの舞台「そして誰もいなくなった」の中国ツアーのキャストの1人となりました。再び中国大陸に来たテレンスさんにとって、最も興奮したのは中国の観客は主に若い観客であることです。「イギリスでは、劇場に行く余裕のある人のほとんどは退職者ですが、ここの観客はとても若いです。彼らは賢くて、常に私たちの公演に熱心に取り組んでいます。特に上海の観客は非常に鋭敏で、私たちのリズムに従っています」
数十年にわたるキャリアを持つテレンスさんは、これまでに3回のワールドツアーに参加し、そのうち2回は中国と中国演劇の歴史の一時期に関わったものでした。1979年の「ハムレット」と2024の「そして誰もいなくなった」、中国と英国の友好を立ち会った2つの演劇は、どちらも彼の中に美しい思い出を残しました。
情報源: The Paper