スタジオジブリの没入型アート展 上海で開幕
スタジオジブリ公式の没入式アート展「スタジオジブリ物語」がこのほど、上海でスタートしました。同展には3つのメイン会場、24の展示エリアがあり、総展示エリアが2800平方メートルです。10数名の日本職人がレトロ感を出すよう丁寧に加工作業をしました。計52台のデジタルプロジェクターが使用されている同展では、実物展示とデジタル投影技術を結びつけて、「千と千尋の神隠し」「となりのトトロ」「天空の城ラピュタ」などジブリの名作アニメの世界が再現されているとともに、アカデミー長編アニメーション賞を受賞した「君たちはどう生きるか」の劇中写真も初めて展示されています。そして、来場者はワラワラがかけられているアーチ型の壁、新映画テーマのエレベーター、投影トンネルなどのシナリオで今上映中の新映画の雰囲気を感じることができます。
スタジオジブリが作品の世界を没入型で展示するのは今回が初めてです。この試みについて、ジブリの西方大輔執行役員(業務担当兼制作業務部長)は、これまで皆が映画を通してジブリの作品の世界を理解していたが、この没入式のアート展で全く新たなチャンネルを作りましたと話しました。「もののけ姫でもネコバスでも、見ている人が本当にその場にいて、そして作品の世界に入り込んだような気持ちになるようにすべてのシーンが設けられている。これこそ没入型アート展の魅力であり、私たちはこのようなこれまでにない感覚により、来場者にかつて好きだった作品を改めて好きになってもらいたいと思います」
「崖の上のポニョ」の世界を再現する没入型のシーン。(写真・主催側提供)
世界に先駈けて開催される当該スタジオジブリの没入型アート展はジブリが公式承認し、大麦(DaMai)傘下の展覧企画会社「芸展鴻図」と中国現地でデジタルアート事業に携わり、同IPビジネスの海外展開を担当する株式会社創が共催したものです。
株式会社創の創始者近衛元博氏は、「打ち合わせした時、鈴木敏夫氏(ジブリ社長兼プロデューサー、展示会総責任者)は中国で行われる展示会は、中国の来場者が好むやり方でやりたいと言いました。今回のアート展とこれまで日本で行われた関連展示会には大きな違いがあります。写真と画像のほかに、今回の展示会は没入型の要素をたくさん組み合わせました」と話しました。
宮崎駿監督の名作アニメ映画「千と千尋の神隠し」の世界を再現する没入型のシーン。(写真・主催側提供)
「もともとは、夏休みの頃開催する予定でしたが、最終に新映画の『君たちがどう生きるか』の上映に合わせ、三方は準備時間を短縮することをきめました」と近衛元博氏は示しました。時間がきついですが、高度の国際化と専門性を持つスタッフのおかげで、わずか4ヶ月でハイクオリティの準備ができましたと同氏は語りました。「中日両方の協力とチームワークは展示会の成功につながる鍵だと思います」
宮崎駿監督の名作アニメ映画「天空の城ラピュタ」の世界を再現する没入型のシーン。(写真・主催側提供)
今回の展示会でフォトスポットとして巨大なトトロが設置されています。高さが6メートルにも達するトトロは可愛くていつもの立ち姿をしており、横のバス停の名前は「稲荷前」の代わりに「上海駅」になり、特に注目に値するのは、トトロの手に差している傘は中国蘇州風の赤い油紙を張った傘だということです。
「これは中日文化の交流からインスピレーションを受けたデザインです。このトトロに釣り合いながら目立つ中国要素があればと思い、このような形で私たちの間の友好交流を示したいと思います」と近衛元博氏は話しました。
鈴木敏夫氏とネコバス。(写真・主催側提供)
このほど、鈴木敏夫氏が中国を訪れて同展を見学し、「君たちがどう生きるか」のプレミアム上映式に参加しました。「今回の上海の旅で中国と中国人の活力を強く感じたと鈴木さんが話しました。皆元気満々で、町にも活力があふれています。中国に来て自らこの活力を体験するようと彼から勧められました」と西方大補氏は言いました。
情報源:中国新聞網、人民網日本語版