上海、大会を足がかりにキー・コア技術の事業化の最優先の地へ
2026年「創・在上海」国際イノベーション・起業コンテスト が3月24日に正式に開幕しました。今年のコンテストは引き続き、国内外のイノベーション・起業チームや企業に向けて優れたプロジェクトを募集しています。同時に、英国、ドイツ、フランス、オランダ、シンガポールなどの海外予選エリアをさらに拡大し、「TOP100スタートアップ大会」を通じて、世界中から優良プロジェクトを呼び込む計画です。
「創・在上海」国際イノベーション・起業コンテスト決勝 (写真提供・主催側、以下同様)
2025年には、同大会が初めて海外チーム向けの参加ルートを開設しました。法人を設立していない海外チームを対象に柔軟な支援制度を設け、受賞した海外チームは要件を満たせば、企業インキュベーション、テスト・検査、フィンテック、知的財産権などの関連サービスに利用できる「科技イノベーション券」を申請することが可能です。
スロバキア出身の起業家、ペーター・フラペック氏は、「水平式インターモーダル輸送コンテナハンドリングシステム 」プロジェクトで、2025年の大会決勝において見事に入賞を果たしました。大会の規定によると、ペーター氏のチームが2年以内に上海で企業を登記し、エンジェルラウンドで500万元の資金調達を完了できれば、上海市から60万元の「科学技術型中小企業技術イノベーション資金」の支援を受けることができます。
ペーター氏は、「アーリーステージでは、政府からの支援金は単なる資金面の援助にとどまらず、『市場のシグナル』でもあると思います。政府による支援があるからこそ、投資家や産業界もそのプロジェクトに目を向けるようになります」と語りました。
2025年の大会決勝で入賞を果たしたスロバキア出身の起業家
プロジェクトの事業化を後押しするため、同大会はスケジュールに「臨港ワークショップ」や「静安の夜」などのビジネスマッチングイベントを組み込み、海外のプロジェクトに、投資家、高品質なインキュベーター、そして実際な応用シーンを提供できる企業と直接につなぐ場を設けました。
オランダ出身の起業家、メルト・オルハン・アスタム氏は、この起業大会を通じて、自社技術の事業化や市場展開の可能性について、より具体的な見通しを得られたといいます。同氏が創業した「HaptonTech」は、インテリジェント・ポリマーを使って人間の触覚体験を再現できる「ロボットスキン」を開発しており、ヒューマノイドロボットの触覚インターフェースやウェアラブルデバイス、医療ロボットなどへの応用が期待されています。
浦江イノベーションフォーラムの「WeStart」スタートアップ投資大会で、同氏は「現在、私たちはチームの拡充と生産能力の向上に向けて資金調達を進めるとともに、化学メーカーや電子機器メーカー、エンジニアリング企業との連携を模索し、事業のスケールアップと量産化を目指していますが、中国の充実したロボット産業基盤と、上海におけるヒューマノイドロボットの幅広い活用シーンに触れたことで、上海での事業展開に大きな可能性を感じました」と話しました。
「WeStart」スタートアップ投資大会で開発プロジェクトの紹介をしているオランダ出身の起業家
同大会は2025年5月募集開始以来、米国、フランス、英国、ロシア、日本など21カ国から71チームが参加し、このうち16件の海外プロジェクトが準決勝へ進出しました。参加プロジェクトは、医療・ヘルスケア、人工知能、半導体、情報技術、新エネルギー、新素材といった分野に集中しており、いずれも上海が重点的に育成を進める産業分野と合致しています。
多くの海外プロジェクトが高い関心を寄せている背景には、上海が構築してきた包括的な支援エコシステムがあります。シンガポールの起業家、何晋強氏が開発したAIデジタル聴診器は、心音・呼吸音の異常と医師による診断内容を同時に認識しながら、可視化された臨床レポートを自動生成できます。これまで主に東南アジア市場に注力していた同氏は、同大会を通じて、中国の医療現場のニーズや事業化までの流れなどを初めて体系的に理解できたといいます。
一方で、上海も海外プロジェクトの受け入れ体制をさらに強化しています。最近発表された「上海グローバル・テクノロジー・パートナー計画」 では、高品質インキュベーターや高水準の概念実証(PoC)プラットフォーム、留学帰国者向け創業パークなどの機能を活用し、上海を、海外スタートアップが中国で事業展開する際の第一選択肢へと後押しする方針を打ち出しました。
2026年に海外予選エリアのさらなる拡大に伴い、同大会は世界各地のイノベーション拠点との連携を一層強化していきます。より多くのアーリーステージのキー・コア技術プロジェクトを上海へと呼び込むとともに、世界の優良プロジェクトが上海のイノベーション・エコシステムを支える重要な部分となるようサポートします。
出典:WeChat公式アカウント「上海科技」