上海のビルの中で広がる「6Gの友達の輪」

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上海市松江区の景色(写真・上海松江)

上海6G信通智谷未来産業パークの6Gテクノロジー・イノベーション策源ビル1階大ホールで今月3日午前、国科欣脳(上海)智能科技有限公司の趙曦董事長はコーヒーを注文し、「コーヒーができました。ごゆっくりどうぞ」という音声と共に、ロボットが淹れたコーヒーを受け取った。人民日報が伝えた。

趙董事長は、「当社のプロジェクトが完成すると、コーヒーを飲みたくなった時、手を動かして注文しなくても、ウェアラブルデバイスを使い、『考える』だけで注文できるようになる。当社は『6G信通智谷』に入居した第一陣の企業で、6G没入型通信の研究に力を入れ、ウェアラブルデバイスを通して、人の意識とデジタルの世界の接続実現を模索している」としている。

6Gは未来産業の方向性の一つだ。2025年、上海は6G未来産業育成案を打ち出し、2030年をめどに、中国第一陣の6G商用化都市に発展させることを明確に目標に掲げている。産業と地理的優位性を活かす上海市松江区は、6G未来産業クラスターを建設する拠点に指定され、「6G信通智谷」が誕生した。

地上・空・宇宙一体化を実現するためには、6Gと衛星インターネットのコントロール運営が基礎となる。6Gテクノロジー・イノベーション策源ビル11階の「六極星通」インキュベータースペースは、6G産業のエコロジカルのインキュベーションに力を入れている。

インキュベータースペース内では、一行凌光(上海)科技有限公司の創業者・応承翰氏とチームが「ブラックボックス」のテストを行っていた。応氏は「6Gと衛星インターネットのコントロール運営はこれまでずっと業界の難題だった。当社は衛星に搭載するコントローラーとコントロールシステム、つまり衛星の『ブレイン』と『司令塔』を専門的に研究している」とする。

趙氏のデスクには、存在感のあるAIグラスが置かれている。それは、「国科欣脳」が、「隣人」である「瀑布(上海)人工智能科技有限公司」と共同で研究開発した新製品だ。

以前、パークが企画したあるイベントにおいて、趙氏は「瀑布科技」の創業者・王嘉勝氏と出会ったという。

そこで、王氏の「当社はAIグラスを手掛けており、差別化された技術機能を増やすことを願っている」という言葉を聞いた趙氏は、「目の前がぱっと明るくなった。当社は6Gを活用するブレイン・マシン・インターフェース(BMI)技術を持っている。ちょうど、それを搭載するデバイスがなかった」と振り返る。

両者は意気投合し、パークのサポートの下、「瀑布科技」はインキュベータースペースへと移り、「国科欣脳」の「隣人」になり、両社の研究開発者は新しいアイデアを思いつくと、すぐにそれを伝えに行くことができようになった。数ヶ月の努力を経て、BMI技術を搭載し、高齢者のアルツハイマー病を感知するAIグラスが仕上げの手前の段階まで開発が進んだ。

スマートデバイスの高速インターネット通信を実現するためには、チップモジュールを埋め込む必要がある。パークには、6Gチップモジュールに力を入れている企業・国科嘉則公司があり、そのポジションを埋めた。王氏は「6Gモジュールを埋め込むと、AIグラスが収集したデータを病院や家族のスマートデバイスにすぐに伝送し、アルツハイマー病の可能性や治療の必要性を知らせることができる」と説明する。

6Gデバイスは、導入や応用前のテスト、検証が特に重要だ。ビルの最上階は上海市衛星インターネットのテスト・検証プラットフォームがある。テストルームには、テスト用の設備や機器がずらりと並んでいる。そして、屋根にはアンテナと衛星信号が接続されている。

テスト・検証プラットフォームの「常連客」という応氏は、「ビルの下の階で研究開発して、最上階で検証し、パーク内でパイロットテストを行い、パーク内で生産することができる。下の階で研究開発したデバイスを最上階に運んで、実際の機能やシーンでの応用のテストを行い、テスト・調整が終わったら、衛星に搭載して、宇宙へ送り、地上のスマートデバイスと接続し、地上・空・宇宙一体化が実現する」と説明する。

「6G信通智谷」の金軍董事長は、「各種業界や一般の人に益をもたらすというのが、未来産業の最終的な目的。今後、6Gインターネットが普及し、応用されるようになるにつれて、全方位的な救助信号、より円滑な自動運転、低遅延の遠隔手術といったシーンが現実になるだろう」との見方を示す。

「6G信通智谷」にはすでに関連企業50社以上が集まっている。そして、6Gという未来産業のトータルチェーンをほぼカバーする「友達の輪」がそこで加速しながら広がっている。

出典:人民網日本語版