パナソニック中国・北東アジア社長「中国市場は利益に最も貢献している」

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最近、パナソニック中国・北東アジア社(略称CNA)の社長兼CEOの木下歩氏は上海でインタビューに応じ、パナソニックグループの再編が中国市場に与える影響について、「パナソニックグループが最近発表した従業員の雇用に関する経営改革は、中国に関しては単なる人員の変動というより、CNA設立から6年間、中国で成し遂げてきた実績を発揮させることこそが、グループのCNAに対する期待です」と述べました。

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パナソニック中国・北東アジア社の社長兼CEOの木下歩氏(写真・澎湃新聞)

2025年5月9日、パナソニックグループは、国内外合わせて計1万人の人員の最適化(削減)を計画していると発表しました。この計画は、2026年3月末までの2025年度中に主に実施される予定です。また、パナソニックグループは経営改革の一環として「パナソニック株式会社」を3つの新会社に再編することも発表していました。従来の電池・エネルギー・接続システムなどの事業部門については、引き続き独立した事業会社として運営されます。

パナソニック側は、この分社化により、各事業部門が市場変化により柔軟に対応できるようにし、1つの事業部門の苦境がグループ全体に悪影響を及ぼすのを防ぐためであると説明しています。

木下氏は「私たちの経営改革は、地域ごとに求められることが異なります。中国については、中国で成長してきた分野や強み、優位性を発揮し、それをグローバルな経営への貢献に繋げたいと考えています。私がCNAの社長兼CEOに就任して以来、『China for China(中国で中国のために)』と『China for Global(中国で世界のために)』という戦略を掲げ、この数年で中国の企業と互角に競争できる実績をあげてきました」と述べました。

中国は既に世界の家電産業の集積地となっており、完全なサプライチェーンを備え、豊富な技術研究開発の人材を擁し、マーケティング手法も日々革新されています。パナソニックCNAが設立されたのも、こうした中国での展開を活かしてパナソニック家電全体の競争力を高めるためです。木下氏は、「一定期間で、パナソニックは中国で競争力を蓄積してきました。それを社内で制度面、運営手法、コスト面の施策としてまとめたもので、パナソニックではこれを『中国スピード』『中国モデル』『中国コスト』と定義しています」と述べました。

現在、中国市場はグループにとって世界最大の利益を生み出す市場となっています。木下氏によれば、「現在、CNAを含む中国での事業の利益貢献率は、グループ全体の約30%に達しています」とのことです。

木下氏は「中国は最大の利益貢献市場であり、自主責任経営において大きな転換を遂げる鍵となっています。これはグループの改革における期待を背負うところです。今後は、中国での『中国コスト』『中国スピード』『中国モデル』を、パナソニックの『グローバルコスト』『グローバルスピード』『グローバルモデル』に転換していきたい。それによって、会社も生まれ変わり、事業も成長し、収益性も向上できます」と語りました。

同氏はさらに、「パナソニックは、中国で培ったコスト構造をグループ全体のコスト構造にし、中国での強みをグローバルな競争力としていきます」と強調しました。

中国における具体的な人員調整計画について、木下氏は「CNA設立以来、中国での雇用に関しては常に高い基準で対応してきました。売上が伸び、事業活動が増加すると、人員が必要となり、雇用します。一方、売上が落ちれば、一定の人員削減も行われます。CNAの通常の経営範囲内で、こうした動的な調整を常に実施してきています」と語りました。

さらに同氏は「CNAが2019年の設立以来、『中国でのビジネスは中国現地で意思決定を行う』という運営理念を一貫して守ってきました。その結果、パナソニックの中国家電市場でのパフォーマンスは向上し、市場シェアは以前の2~3%から現在の4.4~4.5%に上昇しています」と説明しました。

出典:澎湃新聞