「中国にて、世界に向けて」:外資系自動車産業チェーンの上海展開が急ピッチで加速
4月25日、第21回上海国際自動車工業展覧会(通称「上海モーターショー」)が正式的に業界関係者向けてオープンしました。上海モーターショー開幕の数日前に、トヨタ・レクサスの新エネルギー車プロジェクトが正式的に決定されました。これにより、全国で2社のみの完全外資系完成車メーカーが上海に集結したことを意味しています。
4月22日の午前、トヨタ自動車の上田達郎執行役員が上海で調印式に参加しました。レクサス(上海)新能源有限公司の加藤武郎総経理も就任しました。今回、トヨタが上海に完成車工場を設立したことは、テスラの上海ギガファクトリーに続き、もう一つの世界的な影響力を持つ新エネルギー車プロジェクトが上海に誕生したことを告げています。

上海モーターショー2025のレクサスブース(写真・VCG)
公式発表によると、今回のトヨタ自動車と上海市の提携では、完成車の生産に加え、サプライチェーンの川上・川下、インテリジェント運転支援技術、水素エネルギー、車載用バッテリーのリサイクル・再利用、物流・サプライチェーンなど多岐にわたる分野で幅広い提携を展開し、中国国内はもちろん、世界的にも影響力のある先導的なプロジェクトの共同構築を目指しています。
トヨタが「上海進出」を果たした同日、メルセデス・ベンツも上海でテクノロジーデーイベントを開催しました。グループ取締役会長のオラ・ケレニウス氏がスピーチの中で、中国市場における同社の現地化戦略の重要性を改めて強調しました。同氏によると、メルセデス・ベンツは現在、中国の大規模モデル企業と提携を進めており、インテリジェント運転支援システムのクラウドインフラストラクチャの最適化を共同で推進するとともに、同社の新型車種の車載システムに中国発の大規模言語モデルを統合する計画も進めています。
また、上海モーターショー初日には、ドイツの自動車大手BMWも中国の大規模モデル企業との提携成果を披露しました。同社が開発した2種類の自動車用AIエージェントが、来年中国で生産されるBMWの新世代モデルに搭載される予定です。
外資系完成車メーカーの進出に伴い、サプライチェーンの集積も自然に加速しています。今年に入り、外資系自動車産業チェーンの上海での展開が一段と進み、上海市の各区で多重点プロジェクトの着地が相次いでいます。たとえば、1月6日にはドイツの自動車部品メーカーであるシェフラーが嘉定区に完全子会社のシェフラー水素エネルギー科技(上海)有限公司を設立しました。2月11日にはテスラの大型商業用蓄電システム「メガパック」工場が臨港新エリアで本格稼働を開始しました。4月14日にはBASFのポリウレタン防振部品「チェラスト(Cellasto)」工場が浦東科学技術イノベーションパークで増築を開始しました。上海に刻まれた外資の一歩一歩は、企業と都市が紡いだ数十年にわたる絆そのものを物語っています
外資系プロジェクトの上海における相次ぐ展開は、世界の自動車業界に力強い原動力を注ぎ込んでいます。外資系企業の動向が示すように、整備された自動車産業チェーンと巨大な消費市場圏は、グローバル自動車産業チェーンの再構築プロセスにおいて上海が持つ最大の優位性となるに違いありません。
現在、上海市は「4+N」自動車工業サービスクラスターの産業構造を構築しています。「4+N」とは、「4つのスマート製造クラスター」(嘉定区、金橋区、臨港区、金山区)と「Nの工業サービスクラスター」を指しています。上海の自動車産業チェーンは、研究開発・設計からスマート製造、ブランドマーケティング、アフターサービス、文化交流などに至るまでの主要段階をカバーしています。これにより上海の自動車産業における総合競争力が一層高まっています。
出典:解放日報