上海日本商工クラブ理事長山下直己氏と対談:「日系企業と上海の共同発展を実現し、真の『ウィンウィン』を目指す」

japanese.shanghai.gov.cn

上海日本商工クラブは1982年に設立され、中国の改革開放とほぼ同時期に誕生しました。1970年代末から、多くの日本企業が上海に来て投資し、工場を建設し始めました。最初は繊維産業から電気製品、機械製造業、そしてサービス業へと事業を拡大しました。昨年末時点で会員企業数は2204社に達し、海外最大規模の日本商工会組織となっています。

先ごろ、上海日本商工クラブの山下直己理事長は会員企業の代表と共に、第14回中日友好・桜植樹花見活動に参加し、中日両国の来賓と共に20本の苗木を植えました。このイベントは2009年より上海の魯迅公園、新虹橋花園、世紀公園などの場所で開催されており、中日友好を象徴する「緑の絆」となっています。

(写真・上観新聞)

山下直己氏は、「会員企業への多様なサービス提供、日中交流の推進、そして上海の発展への貢献は、当クラブの重要な使命です」と述べ、日系企業と上海の共同発展を実現し、「真のパーフェクトな『ウィンウィン』の協力関係」を築くことを目指しています。

「上海は中国で最も国際化が進んだ都市であり、あらゆる日本企業がここで長期的に発展するのに適しています」と語る山下直己氏は、今年1月に理事長に就任して以来、上海の複数の政府機関と交流を行いました。それだけでなく、過去10数年にわたり、上海における日系企業のビジネス環境のさらなる向上をめぐり、クラブは毎年上海市政府に建議書を提出してきました。会員企業は要望事項をリストアップし、関連部門が一つずつ対応することで、企業が発展する中で直面する課題の解決を支援し、政府と企業間の円滑かつ効果的なコミュニケーションを実現しています。

また、上海の「高い利便性」も上海における日系企業に重視されています。例えば、福岡から東京への移動時間と福岡から上海への移動時間はほとんど同じであり、物理的な距離だけでなく、手続きの簡便さも評価されています。中国が日本国民へのビザ免除政策を再開したことで、両国間の人の往来がより自由になっています。

これらのメリットは、上海における日系企業のさらなる発展への原動力となっています。今年1月、山下直己氏は「日系企業(上海)中小企業国際産業パーク」の開園式に出席しました。臨港区に位置するこの産業パークは、企業に全面的なワンストップ成長支援を提供するプラットフォームであり、現在すでに150社以上の日系企業が入居しています。同氏は、「産業パークというプラットフォームを通じて、両国企業が越境金融、科学技術研究開発、データサービスなどの分野での協力を促進したいと考えており、同時にヘルスケア・介護、アニメ・ゲームなどの分野でもさらなる突破を期待しています」と述べ、臨港区周辺の生活環境やインフラが急速に整備されていることにも気づいており、「産業パーク内の日本企業の健全な発展をサポートします」と語りました。

現在、日本は上海の第5位の輸出市場、第3位の輸入元及び第3位の投資先であり、上海と日本の産業発展には強い補完性があります。将来を展望すると、山下直己氏は少子高齢化への対応とグリーン経済発展への推進が、日系企業と上海がさらに協力する2つの主要な分野であると考えています。

最近、複数の上海日本商工クラブの会員企業が、「2025中日(上海)ヘルスケア産業交流会」に招待され、科学技術イノベーションとスマート養老、産業エコシステムとシルバー経済などのテーマを中心に交流と議論を行いました。中日両国が高齢化問題に取り込んでいるように見えるが、山下直己氏は、「単にヘルスケア技術やサービスの交流・協力にとどまらず、文化的理念の融合が重要です」と指摘しました。「日系企業は先行意識を持つべきです。中国市場は巨大ですが、養老に対する考え方や認識は日本とは異なります」と述べ、日本企業は中国企業と協力を深化し、それぞれの強みを活かし、上海の高齢者層のヘルスケアニーズに的確に応えることを提案しました。

(写真・上観新聞)

上海日本商工クラブの理事長を務めるほか、山下直己氏は日系企業の三井物産(上海)貿易有限公司の総経理でもあります。現在、彼のチームは200人以上のスタッフを擁し、日本本土以外では東アジア地域で最強の体制となっています。「我が社は中国で幅広いビジネスを展開しており、毎日元気いっぱいで企業活動を行っています。三井物産は上海をハブとして、ビジネスを中国全土に展開していきます。中国を基盤に、世界を視野に入れ、当社のグローバルビジネスネットワークを最大限に活用しながら、各分野の事業展開を推進していきます」と彼は述べました。

同氏によれば、上海日本商工クラブの数名の理事長を含め、多くの上海における日本企業家が「上海市白玉蘭賞(上海市の経済的・社会的発展、文化交流に突出した貢献のあった外国人の専門家や学者、企業経営者を称えるために上海市在住の外国人に授与する賞)」を受賞しました。上海市が主催する外国企業の白玉蘭賞受賞者交流会には、受賞者たちや日系企業の代表が出席しており、これは日系企業が上海の将来性に高い期待を寄せている証です。「強い好奇心とチャレンジ精神を持って、私は上海での毎日を充実して過ごしています」と山下直己氏は語り、企業の上海でのさらなる飛躍を期待しています。

出典:上観新聞