上海eスポーツマスターズが開幕、アジア競技大会の種目も初登場
2025年上海eスポーツマスターズが、12月3日から7日にかけて静安体育中心(静安スポーツセンター)で開催されています。本大会では『Mobile Legends: Bang Bang』『VALORANT』『オーバーウォッチ』『Identity V(第五人格)』の4つの正式競技が設定されており、中国・韓国・モンゴルなどの国から約100名のトップ選手が参加しています。
このうち『Mobile Legends: Bang Bang』は、2026年アジア大会・eスポーツ競技種目で新規に採用されており、今回初めてマスターズの正式競技として組み込まれました。これにより、競技性と観戦価値がさらに高まりました。試合の様子は、「闘魚(DouYu)」「BiliBili」「WeChat動画チャンネル」「TikTokゲーム」「雷速体育」など複数のプラットフォームで全てライブ配信されます。
2025年上海eスポーツマスターズが、12月3日から7日にかけて静安体育中心で開催されています。(写真提供・静安区)
「大会の人気」を「消費の拡大」へ
「大会の人気」を「消費の拡大」へと繋げるため、3つの優待策が打ち出されました。
チケット面では、大会が上海市の「楽動上海」消費クーポンの第1弾に組み込まれ、68元の手頃な価格の入場券や、『VALORANT』専用の2日間通し券が設定されました。一部の人気試合は発売開始から数秒で完売しました。
観戦体験の面では、大寧音楽広場や大寧国際商業広場に「セカンド会場」を設置し、試合のライブ配信やステージイベントを実施します。さらに、上海市内の複数の商業エリアでも、観戦チケットの半券と連動したブランド店舗で割引キャンペーンが行われ、大会の波及効果がさらに拡大しています。
都市景観づくりの面では、12月4日から7日にかけて会場で「静安デジタル共生文化マーケット」が開かれています。来場者は無料で「段位カード」を受け取れるほか、無形文化財体験やゲームチャレンジなど6つのテーマブースでポイントを集め、グッズや観戦チケットとの交換もできます。さらに、マーケットには「上海派」チャイナドレスのボタンや「古法唐香」といった無形文化遺産のブースも出展し、『Mobile Legends: Bang Bang』や『Eggy Party(蛋仔派対)』などの体験エリアとコラボすることで、伝統とデジタルの融合を実現しています。
(写真提供・静安区)
「世界eスポーツ都市」の中核エリアを構築
2019年に「世界eスポーツ都市」の核心エリアの構築を目指す方針が掲げられて以来、上海市静安区はゲーム・eスポーツ産業の発展を推進してきました。「第14次五ヵ年計画」期間中には、同区には30社以上のゲーム・eスポーツ関連企業が進出し、その企業数は100社を超えました。これにより、すでに「開発―運営―大会」という産業チェーンが形成され、毎年eスポーツ世界大会、中国ゲームイノベーションコンテスト、上海eスポーツマスターズという3つのハイレベルイベント・大会が開催されています。
大寧機能エリアでは、霊石路沿線の「eスポーツパーク」を中心に、静安スポーツセンターエリアを大会運営拠点とした産業エコシステムが整備されています。Riot Games、Activision、EDG、X.D. Network、Hero Sports、NEOTVなど、40社以上の主要eスポーツ企業・eスポーツチームが進出してきました。これにより、ゲーム開発から大会運営、チームマネジメントに至るまで、完備された産業チェーンを形成しています。
テクノロジーによる高度化の面では、昨年12月に正式に発足した「視聴静界 上海超高精細視聴産業集積エリア」の中核エリアとして、大寧機能エリアは、チップ設計、映像・eスポーツ、人工知能などの産業基盤を活かし、集積エリアの技術リソースを機能エリア内のeスポーツ企業と深く連携させています。これにより、「AI+大規模視聴」による新たなeスポーツコンテンツ制作や発信の方法を模索し、観戦の臨場感を高め、超高精細(8K)技術がeスポーツ産業の付加価値向上を牽引する重要な推進力となることを目指しています。
(写真提供・静安区)
「第15次五ヵ年計画」期間中、静安区は「霊競聚変―霊石中国eスポーツセンターのエコ共創アクション」を実施する予定です。霊石路周辺を中心に、多様な業態を備えたeスポーツ産業集積エリアを構築します。また、「政策支援+空間整備+資本連携+人材サービス」という全方位の支援体制により、より多くのeスポーツ分野のイノベーション成果を同区に誘致し、上海が「世界eスポーツ都市」を構築するための新たなエネルギーを注ぎ込みます。
出典:新民晩報、上観新聞