「商事調停条例」が公布、5月1日から施行へ

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中国国務院の李強総理はこのほど国務院令に署名し、「商事調停条例」(以下「条例」)を公布しました。同条例は2026年5月1日から施行されます。

「条例」は、商事調停活動を規範化し、商事紛争を効果的に解決するとともに、当事者の合法的権益を保護し、商事調停業界の発展を促進し、ビジネス環境の最適化を図ることを目的としています。全33項目を含めて、主な内容は以下のとおりです。

第一に、商事調停の適用範囲を明確化することです。貿易、投資、金融、輸送、不動産、建設工事、知的財産権などの分野で当事者間に生じた商事紛争については商事調停を適用することを規定しています。なお、婚姻・家庭、相続、後見、労働・人事、消費者権益に関する紛争、ならびに法に基づき他の方法で解決すべきとされている紛争は、商事調停の適用対象外としています。

第二に、商事調停業務の管理体制を明確化することです。国務院の司法行政部門が全国の商事調停業務の指導・規範化を担当し、商事調停業界の発展を総合的に計画し、県級以上の地方人民政府の司法行政部門は、管轄区域内の商事調停業務の指導・規範化を担当し、また、商事調停業界の自主規制団体が法令および規約に基づいて業界の自律的な管理を行うことを規定しています。

第三に、商事調停機関の設立および運営管理に関する要件を明確化することです。商事調停機関と商事調停人が関係要件を満たす必要があるとともに、商事調停機関が業務管理、利益相反の審査、苦情処理などの内部管理制度を整備し、規約、調停人名簿、調停規則などの情報を適時に社会へ公開しなければならないと規定されています

第四に、商事調停活動の基本原則を明確化することです。商事調停が、任意・合法・誠実・秘密保持の原則に従って行われ、商事調停人が、調停の過程において中立性を保ち、勤勉に職責を果たし、職業倫理と業務遂行規範を遵守するとともに、守秘義務と情報開示義務を履行しなければならず、当事者が、法に基づき、商事調停合意について司法的承認を申請することができることを規定しています。

第五に、商事調停業界の発展を促進するための保障措置を明確にすることです。国が国際的な影響力を持つ商事調停機関を育成し、国際競争力の向上を図り、さらに、 渉外商事調停活動の展開をサポートし、商事調停機関および業界の自主規制団体による国際交流・協力、国際商事調停ルールの策定への参加、国際的な商事調停人材の育成強化を奨励することを規定しています。

近年、商事調停は世界の法律業界における新たな重点分野となっています。中国の商事調停業界はいまだに発展の初期段階にありますが、本条例は、同分野における立法上の空白を埋めるものであり、多元的紛争解決メカニズムの整備に向けた重要な措置です。商事調停業界の健全な発展を促進するとともに、市場化・法治化・国際化された一流のビジネス環境の構築につながり、よりよく質の高い発展および高水準の対外開放を支えることが期待されています。

出典:新華網、澎湃新聞