上海臨港、書類審査免除決済の試行開始 オフショア貿易の「即時決済」を実現
このほど、中国人民銀行は臨港新エリアでオフショア貿易金融サービス改革の総合的試行を実施すると発表しました。今回の改革の核心は「オフショア特化型子会社+書類審査免除決済」にあり、試行対象となる銀行に対するオフショア貿易収支の乖離率の評価方法を最適化することで、「事前」の真実性審査手続きを免除し、オフショア貿易業務の全面自由化を実現し、オフショア貿易決済の効率性問題を根本的に解決し、上海の国際貿易センターの構築に重要な制度基盤を築き上げました。
関係者によると、試行対象となる銀行は「三つの対策(マネーロンダリング対策・テロ資金供与対策・脱税対策)」の義務を履行することを前提に、契約書や船荷証券などの書類を取引ごとに審査する必要がなくなり、指定企業の収支指令に基づき直ちに資金決済などの業務を処理できるようになりました。これにより、従来2~3日かかっていた決済が即時処理可能となり、企業の運営効率と国際競争力が著しく向上しました。この制度的革新は、臨港新エリアがオフショア貿易決済の効率性において、初めて国際最高水準と実質的に同じレベルに達したことを示しています。
実際の施行について:
1.企業は臨港新エリアにオフショア貿易特化型子会社を設立・登録する必要があります。
2.臨港新エリア管理委員会が適格企業を認定・推薦し、「ホワイトリスト」に登録します。
3.試行対象となる銀行が「ホワイトリスト」に登録された企業に対し、オフショア業務決済専用の区内機関自由貿易口座(FTE口座)を開設します。
今回のオフショア貿易金融改革の試行事業が臨港で実施されるのは、国家戦略と地域産業基盤が深く結びついた必然的な結果です。近年、制度的革新においても産業規模においても、臨港はオフショア貿易分野で絶えず突破を果たしています。
今後、臨港は海外に生産・加工拠点を有する製造業企業の誘致を一層強化し、臨港のオフショア貿易プラットフォームと今回の金融改革試行事業の制度的優位性を活かし、「グローバル受注・海外加工・臨港決済」のビジネスモデルを構築することで、オフショア貿易の成長ポテンシャルをさらに解き放ち、その規模拡大により新たな飛躍を促進していきます。
出典:上海市人民政府